こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログユーザーの皆さんは。今年の秋をどんな秋にしたいですか?「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」などいろいろありますが、やはり「読書の秋」という人が多いのではないでしょうか。秋の夜長に、秋晴れの休日に、大人にもおすすめの絵本を手に取ってみませんか?
「芸術の秋」にちなんで、ブクログからアートな表紙の絵本を5作品ご紹介します。思わず手に取りたくなる美しい絵本、本棚に飾りたくなる芸術的な絵本など、存在感のある絵本を取り揃えました。もちろん表紙だけでなく、内容の素晴らしさも必見です。贈り物にもぴったりの、美しい表紙の絵本たちをぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか?
1.コラリー・ビックフォード=スミス『キツネと星』本棚に置いて眺めたい

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あらすじ
大きな森のおくふかくに、小さなきつねが住んでいます。ひとりぼっちのきつねは、とても怖がりでした。けれども、夜だけは怖くありません。空にかがやくたった1つの星が、きつねのともだちだったからです。ところがある日、星がいなくなってしまいました。さみしくてたまらなくなったきつねは、星を探しにでかけます。
おすすめのポイント!
シンプルな色使いが冴える、静かで美しい絵本です。きつねと、友達の星の物語を軸に、森の奥深くの様子がいきいきと描かれています。ページを開いたときの美しさもさることながら、表紙の美しさが特に人気の絵本です。紺の布張りに白インクで彩られた装丁は、思わず手に取りたくなるほど印象的。本棚に飾れば、凛としたたたずまいを見せてくれます。大切な人に贈りたくなる、素敵な絵本です。友情や絆がテーマの物語なので、出産祝いや特別な日の贈り物としてもおすすめですよ。
内容はよくある感じだけど、絵のタッチとしっとりした文章が素敵!!キツネは大好き。絵本に似合う~。(新見南吉とか)誰かのプレゼントしたくなる絵本!!
2.中村牧江『ふしぎなナイフ』1枚の絵のような表紙が目を引く

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あらすじ
ここに、1本のナイフがあります。洋食に使う、普通のナイフです。でも、このナイフは不思議なナイフです。曲がったり、ねじれたり、折れたり、割れたり、溶けたり、切れたり、ほどけたり……。最後の最後にはなんと——!ページをめくるごとにびっくりが待っている、不思議なナイフのお話です。
おすすめのポイント!
写真かと見間違えてしまうほど、リアルに描かれたナイフ。まるで有名画家の作品のような、完成された構図が目を引く表紙の絵本です。表紙を見るだけだと、ナイフの使い方や種類を子どもに教えるための絵本かな、と思いませんか?ページをめくれば、そんな予想を斜めに裏切る驚きの展開が待っています。表紙と内容のギャップに、大人も子供もびっくりさせられる一冊です。読んで楽しいのはもちろん、本棚に絵画のごとく飾るのおすすめの絵本となっています。
不思議なナイフが、まがる、ねじれる・・・な絵本。面白い!ナイフの絵が非常に優秀。読み聞かせの導入には良いかも。「ふくらんで」の後に言葉がなく、絵だけなのも、子どもの反応を考えてのことなのか?と面白い。
3.谷川俊太郎『生きる』どこか懐かしい夏の光景が心に焼き付く一冊

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あらすじ
「生きているということ いま生きているということ」のフレーズが有名な、谷川俊太郎さんの詩『生きる』が絵本になりました。小学生のきょうだいと家族の、ある夏の1日を生命力豊かに描き出します。どこか懐かしい、ぬくもりを感じさせる絵が詩の世界を引き立てます。子どもたちの何気ない日常を通して、生きていることのすべてを描き出す感動作。
おすすめのポイント!
小学校の国語の教科書に載っている『生きる』という詩、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。テレビCMなどでも使用され、谷川俊太郎さんの数ある作品の中でも知名度の高い詩の1つです。そんな『生きる』と、躍動感あふれる岡本よしろうさんの絵がタッグを組んだ、なんとも贅沢な絵本となっています。大人にはどこか懐かしい、若者にはレトロ感がかわいい、子供たちには共感できる、そんな一冊です。細かい部分まで丁寧に描き込まれた表紙は、思わず眺めていたくなる素晴らしさです。
もうすぐ美術館で谷川俊太郎展があるので、あらためて読んでみた。生きる。生きてる。普段意識してないだけで、ずっと生きてることの不思議、奇跡、生かされてることのありがたさ。もろもろ。短い文章だけど、染みる。絵はレトロチックだけど、家電とか現代版で。2013年のたくさんのふしぎなので、なるほど。
4.ランバロス・ジャー『水の生きもの』工芸品のような丁寧な手製本

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あらすじ
画家ランバロス・ジャーは、ガンジス川のほとりで生まれ育った。水とその中に棲む生きものに魅せられた彼は、インド東部ビハール州に伝わる民俗絵画の一種「ミティラー画」でこの絵本を生み出した。画面いっぱいに描かれた、水の生きものの姿が楽しい芸術的絵本。
おすすめのポイント!
熟練の職人によってつくられた手すきの紙にシルクスクリーンで刷りあげ、手製本で一冊ずつ丁寧に作られた絵本です。工芸品のような美しさは、手間暇かけて仕上げられた証だといえるでしょう。シリアル・ナンバー入りの特別な絵本なので、自分へのごほうびや贈り物にも最適です。シルクスクリーン印刷ならではの発色や、厚みのある紙の質感、ユーモラスで存在感のある表紙絵など、日本の絵本とはひと味違った魅力にあふれています。
これは絵本というより芸術作品だ。シルクスクリーン印刷による発色の美しさ、紙の手触り感、熟練した職人によるきめ細かい仕上げ。うっとりと眺めてしまう。これ以上の工芸品があるだろうか。こんな奇跡の本を生み出したタラブックス(出版社)が後世まで引き継がれていきますように。
5.Cocco『南の島の星の砂』表紙買いする人続出の名作

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あらすじ
はるか南の美しい海に、小さな島がありました。星の形の砂に彩られたその島には、ガジュマルの木が1本生えています。夜になると、星の形の砂は空に舞い上がり、島を明るく照らします。この不思議な星の砂は、一体どこからやって来たのでしょう。島と海の生きものたちと星の砂をめぐる珠玉の物語。
おすすめのポイント!
沖縄出身のミュージシャン・Coccoさんが手がけた絵本です。Coccoさんといえば、圧倒的な歌唱力と唯一無二の世界観で多くの人を虜にしたシンガー。人気絶頂のさなか、突然音楽活動を中止し話題を集めました。そんなCoccoさんが1年半ぶりに活動再開した際、最初に生み出したのがこの絵本なのです。「スクラッチ」という技法で描かれた絵は、夜空にきらめく星のようで、息をのむような美しさ。表紙絵はもちろん、ページを開いた瞬間から惹き込まれる絵本なので、ぜひ手に取ってみてください。
絵がとても綺麗。やさしくて、柔らかい線と色。唄のような言葉も優しくて眺めているだけで満足する。
「芸術の秋」気分を高めてくれる絵本5作をご紹介しました。飾って良し、読んで良し、贈って良しの3拍子揃った名作選です。秋の読書を楽しむときは、ぜひ今回ご紹介した絵本たちも加えてみてはいかがでしょうか?