バンド漫画5選!~臨場感ある演奏シーンと人間ドラマに注目~

こんにちは、ブクログ通信です。

一人ではなく、複数の人間が集まっているからこそ出せる音があります。ソロシンガーともオーケストラとも違う、バンドならではの音楽が好きという人は多いのではないでしょうか。異なる性格の人たちが異なる楽器で一つの音を生み出す、それがバンド音楽の醍醐味です。

今回は、そんな「バンド」がテーマの漫画の中から、ブクログおすすめの5作品をご紹介いたします。迫力の演奏シーンやバンド活動の裏にある人間ドラマなど、いくつもの魅力が詰まった熱い作品を集めました。音楽好きな人はもちろん、バンド音楽はあまり聞かないという人も、ぜひこの機会にチェックしてみてください!

1.はまじあき『ぼっちざろっく』陰キャぼっちの熱いロック魂が心に響く作品

ぼっち・ざ・ろっく! (1) (まんがタイムKRコミックス)
はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく! (1) (まんがタイムKRコミックス)
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あらすじ

ギターを愛する孤独な少女・後藤ひとりは、「バンドを組みたい」という夢を持ちながら2年間友達が一人もできずにいた。高校入学後も家で寂しくギターを弾く日々を過ごしていたが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる「結束バンド」に加入することになってしまう。人前で演奏することに慣れていないひとりは、バンドマンとしてやっていけるのか––?

おすすめのポイント!

ギターの腕はすごいのに、人付き合いが全くダメな主人公・ひとりの日常を描くほのぼのバンドマンガです。タイトルの通り、ひとりは陰キャで「ぼっち」な女子高生なのですが、その陰キャぶりがかなりリアルに描かれており、多くの読者の共感を呼んでいます。この作品の魅力は、「陰キャぼっちが、陽キャに転身して成功する物語」ではなく、「陰キャぼっちが陰キャぼっちなりの努力を重ねて音楽に没頭する物語」である点です。シンデレラストーリーではなく等身大の物語であるからこそ、音楽にのめり込むひとりの姿がより胸に迫ります。

はまじあきさんの作品一覧

主人公が本物の陰キャラすぎて、言動に共感する。その奇行は目立ち、読者にツッコみさせるようなコマが多い。その引き出しがどのくらいあるかが課題で、ネタが尽きないうちに作者が描きたい本質に転換していけるとかなりおもしろくなりそう。序盤は共感性羞恥するところが多かった。作中でも言及されていたが、表情が豊かで、あたふたときの顔が好き。

john_krmtさんのレビュー

2.瀬尾公治『風夏』アオハル要素がたっぷり詰まったラブコメストーリー

風夏(1) (講談社コミックス)
瀬尾公治『風夏(1) (講談社コミックス)
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あらすじ

ツイッターをチェックするためスマホを手放せない少年・榛名優は、転校先で秋月風夏という少女に出会う。ハチャメチャな性格でマイペースな風夏は、とある理由から携帯電話すら持っていないのだった。一方、売れっ子歌手の氷無小雪はツイッターで優とつながる。実は二人は幼馴染なのだが、そうとは知らない風夏に誘われ、優は小雪のライブに行くことになるのだった。ライブが始まった瞬間、3人の視線と想いが交錯して……。

おすすめのポイント!

スマホとSNSという現代的なツールを使って描かれる、エモーショナルな三角関係と音楽の物語です。「幼馴染」「有名人との秘密の交流」など、胸キュン要素がふんだんに散りばめられていて、青春気分を味わえます。また、本作は瀬尾公治さんの前作『涼風』とのつながりがあるので、前作を知っている人はより深く楽しめるという魅力もある作品です。音楽に夢中になる高校生たちの甘酸っぱくてドキドキする日々を、美麗なイラストで描き出しています。

瀬尾公治さんの作品一覧

「涼風」「君のいる町」の瀬尾公治さんの新作。相変わらず、瀬尾さんの描く女の子の可愛さは異常でした。ストーリーは1巻なのでこれからですが、先の展開が楽しみです。ちょいちょい「涼風」を思い出させる場面もあってよかったです。

ぽにょさんのレビュー

3.福田宏『ロックは淑女の嗜みでして』お嬢様×ロック!迫力の演奏シーン必見の激アツ作品

ロックは淑女の嗜みでして 1 (ヤングアニマルコミックス)
福田宏『ロックは淑女の嗜みでして 1 (ヤングアニマルコミックス)
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あらすじ

全国から良家の令嬢が集まる女学園に通う鈴ノ宮りりさは、母親の再婚でお金持ちの家の娘となった元庶民。親の期待に応えるため、誰よりもお嬢様らしく振舞う決意をしていたが、学園生活は窮屈そのものだった。ある日、りりさは旧校舎から聞こえてくる「音」に気づく。引き寄せられるように向かった先には、家柄も容姿も申し分ない真のお嬢様・黒鉄音羽がいて……。

おすすめのポイント!

本作の魅力は、美しく華やかなイラストで描かれる、躍動感あふれる演奏シーンです。淑やかなお嬢様学校を舞台に繰り広げられるロックな描写は熱量が半端なく、空気の震えまで伝わってきそうな迫力です。「何よりも音楽が好き」という気持ちに突き動かされる、感情豊かなキャラクターたちにご注目ください。周囲の期待に応えるため自分を抑え込んでいた主人公が、ロックによって解放される様子は感動的です。ロックの真髄に触れられる、斬新な切り口のバンド漫画です。

福田宏さんの作品一覧

本作を読まれた方は、ぜひレビュー投稿をお願いいたします!

4.キヅ・ナツキ『ギヴン』メディアミックス多数!音楽に情熱を注ぐ少年たちの青春ドラマ

ギヴン(1) (ディアプラス・コミックス)
キヅ・ナツキ『ギヴン(1) (ディアプラス・コミックス)
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あらすじ

上ノ山立夏は面倒見が良く、情に厚い男子高校生。高校生離れしたギターの腕前を持ち、インストバンドで活動している。ある日、立夏の前に壊れたギターを抱えた佐藤真冬が現れた。ギターを修理したことがきっかけで、真冬は立夏に懐くのだった。立夏のバンド仲間でベース担当の大学院生・中山春樹、ドラマーで大学生の梶秋彦と共に、真冬と立夏の切なくも熱い日々が始まる––。

おすすめのポイント!

アニメ化、実写ドラマ化もされた大人気BLバンド漫画です。バンド活動に情熱を注ぐ4人のキャラクターを軸に、爽やかで切ない人間ドラマが描かれています。高校生の立夏と真冬、大人組の春樹と秋彦という二つのカップルの恋の行方にもご注目ください。丁寧な心理描写とスタイリッシュなイラストで描かれる青春の日々が読む人の心を揺さぶります。BL作品ではありますが、登場人物たちの心模様や人物背景がじっくりと描かれているため、BL初心者の人にも読みやすい作品です。バンド活動の楽しさと難しさをリアルに描いています。

キヅ・ナツキさんの作品一覧

あーこれは…好きなやつですねw 雰囲気があってとても素敵です。ストーリーはゆっくりだけど、丁寧でよいですね。そしてキャラがみんなかわいい。主人公もいいけど、むしろはるきが気になる。。

tama_kaiseiさんのレビュー

5.浅野いにお『ソラニン』ありふれた日々に小さな波紋を起こすメロウな物語

ソラニン (1) (ヤングサンデーコミックス)
浅野いにお『ソラニン (1) (ヤングサンデーコミックス)
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あらすじ

OA機器メーカーでOLとして働く井上芽衣子は、つまらない仕事と退屈な日々に窮屈さを感じながら、つつましく暮らしている。同棲中の彼氏・種田成男はデザイン事務所で働くフリーターで、趣味でバンドを組んでいる。社会人2年目で「わたしは社会人に向いていない」と強く感じる芽衣子に対して、種田はあっさり「辞めちゃいなよ」と言うのだった。一方、種田は芽衣子の言葉に刺激を受け、本気でバンド活動を始めるが……。

おすすめのポイント!

なんとなく過ごす日々に退屈さを感じる人にはグイグイ刺さる、メロウな作品です。社会人としてあるべき姿を受け入れ自分を押し込めて生きる空虚さが、絶妙な言葉選びで描かれています。夢と現実のはざまで揺れる若者の心を限りなくリアルに切り取った本作は、発行から20年近く経った今でも多くの読者を惹きつけているのです。大人にとっては「かつての自分の姿」、これから大人になる人にとっては「近い未来になるかもしれない自分の姿」を重ねてしまうような、心に深く響く作品となっています。

浅野いにおさんの作品一覧

最高傑作というしかいいようがない。切なさ、苦しみ、悲しみ、その中にひっそりと潜む幸せ。今を生きる難しさを痛感する一読必死の傑作。

よっぴーさんのレビュー


今回は、演奏シーンと人間ドラマが魅力のバンド漫画をご紹介しました。どれも読後に深い余韻を残す作品です。音楽好きもそうでない人も、ぜひこの機会にバンド漫画に触れてみてはいかがでしょうか?