こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!
今回は、6月に開催した「#意外な結末」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。
1位 綾辻行人『十角館の殺人』(講談社文庫)
あらすじ
1985年9月、九州の孤島「角島」で凄惨な四重殺人が起きた。半年後、とある大学の「ミステリ研究会」に所属する7人の学生たちが角島を訪れ、島に唯一残る奇妙な建築物「十角館」で一週間を過ごすことに。初めこそ、小説の中に入りこんだような気分で楽しむ7人だったが、彼らを待ち受けていたのは恐ろしい連続殺人の罠で……?
おすすめのポイント!
ミステリー、推理小説ファンならば避けては通れない、綾辻行人さんの著書です。本作は、1987年の刊行から文庫化され、2007年には新装改訂版が再文庫化されました。累計発行部数は100万部を突破しており、綾辻さんのデビュー作にして代表作ともいえる作品です。本作から始まる「館シリーズ」は、以降刊行された帯には「新本格」というキャッチフレーズがつけられ、各ミステリ業界にも影響を与えました。ミステリー初心者の方は、まず本作に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ミステリーにはまるきっかけとなった作品。緻密に計算された描写によって紡ぎ出される衝撃の展開に脱帽した。あだ名が海外チックで覚えにくいのが難点だったが、物語の構成上はやむをえないともいえる。後世に語り継ぎたい作品。
2位 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』(文春文庫)
あらすじ
代打で合コンに呼ばれた鈴木は、そこでマユという女性に出会いそして恋に落ちた……。甘美でほろ苦い青春のひとときを描いた青春小説と思いきや、最後の最後に思わぬ展開が……!?「必ず二回読みたくなる」と言わしめた傑作ミステリー。
おすすめのポイント!
前田敦子さん主演で映画化もされた乾くるみさんの人気小説です。ノスタルジックな恋愛を描いた本作ですが、ミステリーとしての完成度も高い作品だと話題になりました。本作は「sideA」、「sideB」の二部構成となっており、恋愛に奥手な主人公の不器用な恋模様と二人の甘く切ないラブストーリーを描きながら、最後には二つの物語が完成するギミックがなされています。何度でも読み返したくなる作品ですが、先に「最後の2行」を読むことのないようご注意ください。
元祖二度読みの名は伊達じゃなく、いわゆる叙述トリック、騙されるという本の中では1番好きだった。最後まで読んで一瞬理解できなくて、解説まで読んでだんだん仕掛けがわかったところで、改めて前から読むと本当に印象が全然変わって、本当にすごい本だなと思った。
3位 歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』(文春文庫)
あらすじ
自称「何でもやってやろう屋」の成瀬将虎は、フィットネスクラブ仲間の久高愛子から相談を受けた。轢き逃げに遭った身内が、悪徳業者に保険金目的で殺害されたと疑う愛子は、その証拠を将虎に掴んでほしいというのだ。そんな折、地下鉄で飛び込み自殺を図った女性を助け、彼女と恋に落ちた将虎。だが、保険金殺人と偶然から始まった恋愛は思わぬ結末を呼ぶことに——。
おすすめのポイント!
「推理作家協会賞」「本格ミステリ大賞」「このミステリーがすごい!」「本格ミステリベスト10」など、名のある小説賞を総なめにした歌野晶午さんの著書です。人生訓のような深みを帯びた本作ですが、それでも説教臭さを感じないのは、主人公の波瀾万丈な生き様に魅せられるからに他ならないでしょう。そして何より、読むうちに読者自身がまんまと騙され、二度読みすると騙されたことが快感にさえなってゆきます。そんな驚きの体験を、ぜひ本作で味わってみてください。
恋愛、青春、家族、人生がテーマのミステリー。ハートフルな世界観がありつつも、謎が次々迫ってきて読ませる読ませる。物語の筋も文章も綺麗。伏線もうまく隠されていて、ラストは分からなかった。騙された感よりも、ほっこりする後味が素敵。ミステリー好きならば是非読んおくべきで、優しい気持ちで人生を振り替えられる作品。おすすめです。
4位 我孫子武丸『新装版 殺戮にいたる病』(講談社文庫)
あらすじ
永遠の愛をつかむため、東京の繁華街で殺人を繰り返した蒲生稔。その被害者となった島木敏子の妹・かおるは、元刑事・樋口とともに犯人捜しを始める。敏子とよく似た顔立ちをしていることから、姉に扮して犯人の囮となることを決意するかおるだったが……。
おすすめのポイント!
「このミステリーがすごい!」にノミネートもされた、我孫子武丸さんの代表作です。「エピローグ」という章から始まる本作は、犯人が誰かと推理する余地もなく、逮捕されることまで決まっています。それにもかかわらず、最後には唖然とさせられる作品となっています。ミスリードされたまま、読者の築きあげてきた世界が崩壊した時、ある種の深い快感が与えられます。グロテスクな表現が苦手な方は要注意ですが、叙述トリックものが好きな方にはおすすめの一作です。
今まで読んだ本の中で1番かもしれない。映画とかの映像作品では表現できない活字作品の最高傑作、、と思っている。久々に読み返すと「あれっ?」ってなってもう一度騙された。よく書店で『もう一度読み返したくなる』っていううたい文句があるけど、まさにそれ!!グロテスクな表現があるので、それが大丈夫なのであれば絶対的読んだ方がいい作品。
ブクログスタッフのおすすめ本!
宿野かほる『ルビンの壺が割れた』(新潮文庫)
あらすじ
Facebookで偶然見つけた女性は、かつて結婚を約束した彼女だった。それから彼らの間で始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。待ち受ける驚きのラストとは——?
おすすめのポイント!
ペンネーム以外の情報が非公開の覆面作家・宿野かほるさんの著書です。当時無名の作家であった宿野さんの初著書となった本作は、期間限定でネット上に無料公開され話題となりました。また本作は、宿野さんの知人の実体験を基にできた話だそうで、その妙なリアルさがミステリーにもホラーにも感じられることでしょう。全文がメール形式のためスラスラと読み進められるので、ぜひとも一気読みをおすすめします。出版社も絶賛したどんでん返しにご期待ください。
やばい、動悸が止まらない!私はあんまり理解力がないから、読み終わった後、疑問が残ったところの解説がほしくて、ネットで検索した!そして意味がわかった後、改めてゾゾゾッ!!次読んだら最初から違う視点で読んでしまえそう。
ブクログユーザーさんが選ぶ「意外な結末」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!