ブクログユーザーさんの「おいしい!」ベスト本!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!

今回は、10月に開催した「#おいしい!本」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1位 古内一絵『マカン・マラン – 二十三時の夜食カフェ』

マカン・マラン - 二十三時の夜食カフェ
古内一絵『マカン・マラン – 二十三時の夜食カフェ
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あらすじ

夜にだけ開店する隠れ家的カフェ「マカン・マラン」。オーナーは、濃いめの化粧とピンクのウィッグを身に着けた大柄なドラァグクイーンのシャール。マカン・マランには、今日も様々な悩みをもつ人が集まってきて……!?

おすすめのポイント!

ほっとするようなカフェ料理と、カフェ店主・シャールの温かい人柄に癒される一冊です。様々な悩みを抱える等身大の登場人物たちにかけるシャールの言葉は、豊かで重みがあり思いやりに溢れています。作中に登場する料理も手間がかかっていて、シャールの想いがひしひしと伝わってきます。物語後半では、そんなシャールの意外な過去と料理に込めた想いが明らかになり、静かな感動を覚えることでしょう。人生にちょっとした変化をもたらしたい方に届けたい作品です。

古内一絵さんの作品一覧

何かしらの問題を抱えた人々が吸い寄せられるようにあつまる場所、マカン・マラン。その人の体調あったご飯と言葉をくれるドラッグクイーン。その周りにいるお針子達と何かしらの問題を抱えてやってくる人々の物語。彼女のような人が自分のそばにもいてくれったら良いのにな…とないものねだりしたくなる作品。再読する予定です。

翡藻美さんのレビュー

2位 坂木司『和菓子のアン』(光文社文庫)

和菓子のアン (光文社文庫)
坂木司『和菓子のアン (光文社文庫)
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あらすじ

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称:アンちゃん)は、ちょっとぽっちゃりな18歳。個性的な店長と同僚に囲まれ働く中で、和菓子の奥深い魅力に目覚めてゆくアンは——?読めば思わず和菓子屋さんに直行!?美味しいお仕事ミステリー。

おすすめのポイント!

累計発行部数80万部を突破した(2021年6月時点)、大人気「和菓子のアンシリーズ」の第1作目です。表紙のお饅頭が何とも食欲をそそる本作は、季節を感じる美味しそうな和菓子の描写に止まらず、その歴史や成り立ちについても丁寧に描かれ、読み進めるほど和菓子が食べたくなってきます。主人公のお仕事物語かと思いきや、店内で巻き起こる小さな謎に、個性的すぎる登場人物たちが挑んでゆきます。謎解きと和菓子の世界を一度に二度楽しめる、大満足の一冊です。

坂木司さんの作品一覧

おもしろかった。自分が知らないけれど、身近にあるデパ地下の和菓子屋さん。そこで働く杏子と椿店長、立花さん、桜井さん、それぞれ個性が際立っていておもしろい。和菓子に関する知識もたくさん含まれていて、和菓子が食べたくなる。ミステリーといっても人の生死にかかわるような重い話ではないから、さらさらと読める。続編もあるみたいだから、読んでみたいと思った。

chigameさんのレビュー

3位 近藤史恵『タルト・タタンの夢』(創元推理文庫)

タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
近藤史恵『タルト・タタンの夢 (創元推理文庫)
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あらすじ

商店街の小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」のシェフ・三舟の料理は、客の心と舌を掴む気取らないものばかりだ。そんな中、客たちの巻き込まれる不思議な事件に、シェフの三舟が挑む。極上の料理とミステリをどうぞ!

おすすめのポイント!

大人気「ビストロ・パ・マル」シリーズの第1作目です。2021年に『シェフは名探偵』のタイトルで、西島秀俊さん主演でドラマ化もされた本作は、とあるレストランで巻き起こる事件の謎に迫る連作短編集です。とはいえ凄惨な事件が起きるわけではなく、最後には心温まるほっこりとした日常系のミステリーなので、肩の力を抜いてゆるゆると楽しめます。寡黙なシェフをはじめ魅力的なキャラクターたちに身も心も満たされる本作は、午後のティータイムにピッタリの作品です。

近藤史恵さんの作品一覧

小さなフランス料理店を舞台にした心温まる物語。読む度に「あぁ、なるほど、そうだったのか」と納得する内容ばかりでした。どの話にもフランスの家庭料理が登場するので画像検索して写真を観ながら読みました。ガレット・デ・ロワが気になりました、食べてみたいな~

けんちきんさんのレビュー

4位 柚木麻子『BUTTER』(新潮文庫)

BUTTER (新潮文庫)
柚木麻子『BUTTER (新潮文庫)
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あらすじ

三人の男たちから金を奪い、死に追いやった容疑で逮捕された梶井真奈子。特に若くも美しくもない彼女の姿に世間が騒ぎ立てる中、週刊誌の記者である里佳は、梶井に獄中インタビューを決行。始めは里佳を受け入れない梶井だったが、里佳のある手紙をきっかけに態度が軟化してゆく。梶井と交流が深める内に、次第に里佳は梶井に心酔してゆき……?

おすすめのポイント!

本作は、2007年~09年に発生した「首都圏連続不審死事件」をモチーフにしており、強烈なリアリティを放っています。梶井という女性を通して、「女らしさ」「女性としてあるべき姿」といった価値観への問題提起をしている点にも注目です。またタイトルにもあるように、何種類ものバターの描写が出てくるのも本作の特徴です。バターを使った濃厚な料理の描写と、独自の信念を持つ梶井という女性の生き様が絡み合い、どっしりと重厚な読み応えのある作品となっています。

柚木麻子さんの作品一覧

いろんな意味で濃い小説。ストーリーも予想を大きく超えるし、一瞬一瞬でうつりかわる感情描写も生々しくて、人間関係のいろんなパターンがでてきて、読み応えがすごい。自分で自分を認めることとか、人に自分をさらけだすこと(両者はセットなのかもしれない。そしてどちらも難しい)の価値が描かれていたように思った。

kayohikoさんのレビュー

ブクログスタッフのおすすめ本!

原田ひ香『ランチ酒』(祥伝社文庫)

ランチ酒 (祥伝社文庫)
原田ひ香『ランチ酒 (祥伝社文庫)
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あらすじ

アラサーバツイチの犬森祥子は、人やペットなど、頼まれたものは何でも見守る「見守り屋」として働いている。夜から朝まで、寝ずの番で見守らなくてはならないことも。そんな祥子の唯一の贅沢は、仕事終わりの「ランチ酒」だ。今日も祥子は、最高のランチ酒を求めて歩き出す。

おすすめのポイント!

原田ひ香さんの「ランチ酒」シリーズは、胃袋を刺激されること間違いなしの”飯テロ”小説です。明るい内から飲むお酒の数々、ボリューム満点の食事の描写がどれも美味しそうで、お腹が鳴ってしまう方も多いはず。作中に登場するお店は実在するようで、実際に行ってみたくなってしまいます。それに加え、悩みを抱える依頼人たちにそっと寄り添う主人公の人間ドラマには、胸がじわじわと熱くなってきます。仕事で疲れた体を癒したい時に、おすすめしたい一冊です。

原田ひ香さんの作品一覧

なんて美味しい描写をするんだろう。作中の料理と酒が今まさに目の前にあるようだと思えた。一方で「見守り屋」の祥子自身やその依頼者とのやり取りを見ていると、寂しいような切ないような気持ちになる。美味しいだけじゃない、少し胸の痛むような人間ドラマも魅力の連作短編集。

あくらさんのレビュー


ブクログユーザーさんが選ぶ「おいしい!」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!