ブクログユーザーさんの「今年中に読み切りたい積読」ベスト本!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!

今回は、11月に開催した「#2022積読消化」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1位 逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て
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あらすじ

1942年、独ソ戦の最中。モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマは、ドイツ軍の襲撃により日常を奪われた。母を殺された復讐を誓うセラフィマは、女性狙撃小隊に入隊しスターリングラードの前線に立つ——。

おすすめのポイント!

デビュー作でいきなり、史上初の「アガサ・クリスティー賞」全選考委員の満点を獲得した衝撃作です。発売前から話題が話題を呼び、累計発行部数は48万部を突破しました(2022年11月時点)。2022年「本屋大賞」では大賞を受賞し、早くも映像化への期待の声が上がっています。ソ連軍に実在した女性狙撃部隊の史実を基に、様々な想いから戦場に立つ少女たちの過酷な運命を臨場感のある筆致でありありと描かれています。苦悩と焦燥を抱いて戦う女性兵士の緊迫した心理描写や戦闘描写、巧妙に張り巡らされる伏線の数々は必見です。

逢坂冬馬さんの作品一覧

話題の作品ということで気軽に手に取ってみたが、とても考えさせられる作品だった。読み進めていけばいくほど描写上手さと臨場感に引き込まれ、どんどん先を読みたいとページをめくる手が止まらず、あんなに分厚いにもかかわらず気づいたら一気に読み切ってしまうほど面白かった。

むっちさんのレビュー

2位 辻村深月『傲慢と善良』

傲慢と善良 (朝日文庫)
辻村深月『傲慢と善良 (朝日文庫)
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あらすじ

婚活アプリで出会った30代の西澤架と坂庭真実は、結婚も約束していた。だがある夜、突如として真実が失踪してしまう。真実の居場所を探しに出る架だったが、すると真実が秘密にしていた過去や、ある真実が明らかになり……?

おすすめのポイント!

本作は、辻村深月さんの作家デビュー15周年を記念し発売されました。突如失踪した婚約者を追跡してゆくミステリーものを思わす本作ですが、それと同時に、自己愛の強さから無意識に他人を評価したり、波風立てずにレールに従って生きてきた男女が抱く、「傲慢」で「善良」な面を鋭く炙り出してゆきます。恋愛におけるモヤついた「ピンとこない」の感覚を言語化し、人間の内面を見透かしたかのような緻密な心理描写で、読者に恋愛の本質や結婚観について問いかけます。自分が思う「善良」は、時として「傲慢」なのか考えさせられる一冊です。

辻村深月さんの作品一覧

上手く言い表せないモヤモヤした感情やわずかに感じる違和感を、解像度を上げて誰もがわかるようにドン!と面前に突きつけてくる、辻村さん恐るべし。自分自身でも理解していない感情に名前をつけて、それを考察されているような不思議な感覚を味わいながら読んでいました。婚活の話からこんなに掘り下げて抉られるとは思いもよらず、グサグサ刺さり、でもその刺し傷が痛いんだけどなんとも心地よい不思議。

char8nさんのレビュー

3位 ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』

【2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位】ザリガニの鳴くところ
ディーリア・オーエンズ『【2021年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位】ザリガニの鳴くところ
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あらすじ

ノースカロライナ州の湿地で青年・チェイスの死体が発見され、人々の疑いの目は真っ先に、「湿地の少女」カイアに向けられた。6歳の時からたった一人で生き延びてきたカイアが、果たして本当に犯人なのだろうか——?

おすすめのポイント!

全世界累計1500万部を突破したベストセラー小説です。2021年「本屋大賞」翻訳小説部門で第1位を受賞した本作は、2022年11月より実写映画化も果たしました。本作では、家族に見捨てられ、差別や貧困に苛まれながら孤独に生きる主人公の生い立ちと、男の遺体が発見された1969年が交互に描かれます。事件の真相を追求するミステリーと同時に、周囲の人々に支えられながら人生を全うする主人公の成長録が巧みな自然描写と美しい文章で綴られ、読めば必ず心打たれることでしょう。ぜひ、タイトルの意味に注目しながら読んでみてください。

ディーリア・オーエンズさんの作品一覧

湿地で発見された男の死体から始まる現在のフーダニットと、見捨てられて一人で生きていく少女の過去の物語が交互に進む。自然の美しさと残酷さ、人間を含む動物の本能といった野生の描写が物語に深みを与えて、夢中で読んだ。ミステリであり社会派小説であり湿地の生き物や人間を描いた自然文学でもある。でも私は読みながらずっと、過去、現在、未来と女として生きることってなんなんだろうと思ってた。ミステリとしてはそこまでではないと思うけど、この一人の見捨てられた女性の物語として、心に染み入る結末だった。

ぽんたろうさんのレビュー

4位 凪良ゆう『汝、星のごとく』

汝、星のごとく
凪良ゆう『汝、星のごとく
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あらすじ

その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きてゆく。瀬戸内の島で育った高校生の暁海と、自由奔放な母に振り回され島に転校してきた櫂。互いに心に孤独と欠落を抱える二人は、惹かれ合い、すれ違い、成長してゆく——。

おすすめのポイント!

ボーイズラブ作品を多数手がける凪良さんが、本作では異性の恋愛を丁寧に描きました。発売後、即重版で早くも累計10万部(2022年11月時点)を突破し、第168回「直木賞」にもノミネートされた本作は、孤独を抱えた少年少女が、数々の理不尽の中でもがき生きる姿が描かれます。親の身勝手、性的マイノリティ、男女格差に経済格差……厳しい現実と向き合う彼らの初恋からの15年を追いながら、自分自身を生きるための尊さを説いてくれます。何が「普通」で「正解」なのか?言葉にならない生きづらさを抱えた人々に、自分なりの答えを見出してくれる作品です。

凪良ゆうさんの作品一覧

いつぶりだろう、久しぶりに本で泣きました。凪良ゆうさんの作品は生きづらさの苦しみ、不自由の中の自由を繊細に描いていて本当にどの作品も出会えて良かったと思えます。またひとつ大切に心に留めておきたい物語をいただきました。最後の最後の1行までグッと心を掴まれます。

cymさんのレビュー

ブクログスタッフのおすすめ本!

辻村深月『かがみの孤城』

かがみの孤城
辻村深月『かがみの孤城
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あらすじ

学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の七人が集められていた——何故この七人が、この場所に?すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。

おすすめのポイント!

2018年「本屋大賞」で史上最多得票数を獲得し受賞した、辻村美月さんの大ヒット小説です。本作では生きづらさを抱えた主人公が、鏡の先で遭遇した不思議な城と六人の中学生たちと交流しながら、現実世界での人間関係や過去と向き合ってゆく姿が描かれています。読者が共感する人物像を描いたという主人公・こころが抱く、思春期ならではの脆く繊細な心模様に、かつての子供時代を重ねてしまう方も多いことでしょう。時折、ファンタジーの世界に逃避したいと考えてしまう方にそっと寄り添う、心に沁みる感動物語です。2022年12月23日よりアニメ映画化

ひさしぶりに最後まで一気に本を読み切りたい、と思った作品。辻村さんが仕込んだ仕掛けの多さとその上手さが素晴らしい。私の子供も不登校だったので出てくる子たちの状況には結構思うところあります。最後、さわやかなハッピーエンドがいいですね。本屋大賞になっただけのことはある、お勧めできる一冊。

浦島くんさんのレビュー


ブクログユーザーさんが選ぶ「今年中に読み切りたい積読」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!