ブクログユーザーさんの「2022年私のベスト本」!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!

今回は、12月に開催した「#2022年私のベスト本」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1位 朝井リョウ『正欲』

正欲
朝井リョウ『正欲
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あらすじ

不登校の息子がいる検事・啓喜。初めての恋に気づいた女子大生・八重子。一つの秘密を抱える契約社員・夏月。ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。その繋がりは、”多様性を尊重する時代”にはひどく不都合なものだった——。

おすすめのポイント!

朝井リョウさんの作家生活10周年記念作です。2022年「本屋大賞」にノミネートした本作は、2023年に稲垣吾郎さん、新垣結衣さん出演で映画化も決定しました。2021年ブクログ年間ランキングでは1位を獲得し、本好きなブクログユーザーさんにも人気の作品です。変わったフェチを持つ者の苦悩や生きづらさを痛々しく描写しながら、価値観を認め合うことが強調される現代で、本当の意味で「多様性」を理解できているのか考えさせられる一作です。

朝井リョウさんの作品一覧

これは衝撃的な作品ですよ。何が衝撃って、自分の価値観を全力でぶん殴られた気分になったことです。読了後、改めてニュースやSNSを見ると「○○界隈、○○フェチ」など今まで気にも止めていなかったマニアックな文言が目に止まるようになり、少し意識するだけで世界の見え方が180°と変わった気分になりました。自分には理解の及ばない世界の話で、感情移入できたかと問われると正直微妙ですが、私たちが暮らす社会とその一般常識は、圧倒的マジョリティーによって作られた世界なんだと強く認識させられました。冒頭の記事の捉え方が、最初と最後で変わって読めるのも面白かった。

ふみふみさんのレビュー

2位 青山美智子『赤と青とエスキース』

赤と青とエスキース
青山美智子『赤と青とエスキース
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あらすじ

メルボルンの若手画家が描いた、一枚の「絵画(エスキース)」。日本へ渡って30数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでゆく——。二度読み必須の仕掛けに満ちた、青山美智子さんの傑作連作短篇集。

おすすめのポイント!

2022年「本屋大賞」にノミネートされた青山美智子さんの人気作です。本作では、留学先で出会った期間限定の恋人たちの物語から始まる、四つの短編が綴られています。青山さんならではの心に響く優しい文章や人間味のある等身大の登場人物たちの成長を追いながら、これまでの作品とは一線を画す物語構成に注目です。なぜ、赤と青なのか?読み進める内に、タイトルが持つ重要な意味に気付かされます。大切な人を想いながら読んでみてくださいね。

青山美智子さんの作品一覧

表紙が綺麗だったので買ってみた。心がキュッとなって温かい気持ちのまま読了できた。日本語って素晴らしい、人をこんな温かい気持ちにさせてくれるなんて。生き急がなくてもいいし、歳をとったからって私達に色はなくならないよね。

ひまさんのレビュー

3位 浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』

六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生
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あらすじ

成長著しいIT企業「スピラリンクス」の最終選考。最終に残った六人が面接に臨む中、六通の封筒が発見される。そこには、六人それぞれが過去に犯した「罪」が告発されていた——。犯人は誰か?究極の心理戦がここに始まる!

おすすめのポイント!

大学生が通るであろう「就活」をテーマに、事件の真相を巡って複雑に絡み合う人間ドラマを描いたヒューマンミステリーです。現実には起こり得ない謎解き要素と、内定という一つの席を賭けた若者たちのリアルな就活バトルがかけ合わさった、スピード感のある手に汗握る展開が魅力の作品です。就活経験者であれば、心に突き刺さるものがあるでしょう。随所に散りばめられた伏線に着目しながら二度読みすれば、また違った発見があるかもしれませんよ。

浅倉秋成さんの作品一覧

心揺さぶられる内容の濃い物語であった。読んだ後の余韻がとても長く感じられる。人の深層心理を就職活動という舞台でうまく描かれており、自分が就職活動前に読みたかった本であったなと思った。

takaさんのレビュー

4位 町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』

52ヘルツのクジラたち (単行本)
町田そのこ『52ヘルツのクジラたち (単行本)
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あらすじ

「わたしは、あんたの誰にも届かない52ヘルツの声を聴くよ」。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会う時、新たな魂の物語が生まれる。

おすすめのポイント!

2021年「本屋大賞」大賞作です。本作のタイトルは、他の鯨にも聞き取れない52Hzの周波数で鳴く「世界で一番孤独なクジラ」を元に、誰にも気づかれない孤独な人々を表しているそうで、心に深い傷を負った登場人物たちが、生きる希望を見出してゆく感動作となっています。人は、人によって傷つけられることも、癒されることもある。孤独な主人公の繊細な心理描写や心の変化に、思わず共感させられることでしょう。心揺さぶる名作の一つです。

町田そのこさんの作品一覧

取引先の方にお勧めされた本。町田そのこさん、本屋大賞受賞作品。面白かった。シーンがテンポよく切り替わり、映像が見えるような表現で吸い込まれる。誰にも届かない52ヘルツの不器用な声。でも必ず届く人はいるから。自分の声を受け止めてくれることが、とても幸せであって、改めてすごく愛おしいと思った。

なっちゃんさんのレビュー

ブクログスタッフのおすすめ本!

呉勝浩『爆弾』

爆弾
呉勝浩『爆弾
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あらすじ

ある傷害事件で「タゴサク」という中年男が逮捕された。住所不定で、酔っ払いにしか見えないタゴサクは、取り調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言。その直後、秋葉原の廃ビルが爆発した。動揺する警察をよそに、続けて「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と予言して——?

おすすめのポイント!

第167回「直木賞」候補作です。本作のテーマは「悪意と正義の対決」で、複雑に絡み合う人間関係、悪と正義の対立、爆破事件の行く末と、気になる展開にぐいぐい惹き込まれる力作となっています。緊迫の会話劇が繰り広げられ、その場にいるかのような臨場感を味わえます。正義の側である警察でも刑事たち一人一人に事情や葛藤があり、一枚岩とはいかないのが面白いところです。呉勝浩さんの最高傑作との呼び声高い一作です。

呉勝浩さんの作品一覧

久しぶりにこの手のミステリー小説と呼ばれるものを読んだけど、まるで映画を観ているようで、とても面白かった。この本を読んでいる間は、映画の世界に入ったようで、それがとてもわくわくした。日常で、いらぬ考え事をすることがあるけど、こういう本があると、そういった時間がなくなって、とてもいい時間が持てた。とても素晴らしい読書体験をさせてもらった。

みほさんのレビュー


ブクログユーザーさんが選ぶ「2022年私のベスト本」、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!