こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!
今回は、1月に開催した「#2023年私が読みたい本3選」の上位4作です!今回は、2023年「本屋大賞」ノミネート作が多くランクイン!ぜひチェックしてくださいね。
1位 夕木春央『方舟』
あらすじ
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌朝、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、さらに水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人事件が起きた。誰か一人を犠牲にすれば脱出できる。その生贄には、殺人犯がなるべきだ。タイムリミットまでおよそ一週間。それまでに僕らは、殺人犯を見つけなければならない。
おすすめのポイント!
「このミステリーがすごい!」はじめ、各ミステリーランキングに続々ランクインした注目作です。密閉された空間で突如起きた謎の殺人事件。ミステリーの定番である「クローズドサークル」と「トロッコ問題」を掛け合わせ、極限状態の中で繰り広げられる登場人物たちの複雑な人間ドラマや葛藤が描かれます。ネタバレ厳禁の結末には、驚かされること必至です。
トロッコ問題+殺人事件、という斬新なストーリーは最後の最後まで驚きに満ちていた。帯にあった「犯人がわかってからこそ油断大敵」という文言に大きく頷く一方で、ワタクシ的にトラウマになりかねない結末だった。予想していた展開ではなかったものの、もし身近で殺人が起こるとしたら、存外こんな理由なのかもしれないと思った。極上のミステリーと凶悪なホラーを同時に味わえる一冊だった。
2位 凪良ゆう『汝、星のごとく』
あらすじ
瀬戸内の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長する——。まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
おすすめのポイント!
ブクログ本ランキングで5週連続1位にランクインした本作は、15年に渡る男女の恋愛と成長の物語です。親の身勝手、性的マイノリティ、男女格差に経済格差……あらゆる問題に揉まれながらも、懸命に「生きること」を選択し続ける若者たちの姿に胸打たれる一作です。何が正解で、何が普通なのか?言葉にならない生きづらさを抱えた人々の心に寄り添う、珠玉の感動作です。
気持ちの良さは残らないけれど、それでも、自分自身が自分らしく生きていくために自立しようとするヒロインの生き様は良かった。その手本となった瞳子さんも、全てを肯定はできないけれど、筋の通ったその生き様はカッコよかった。世間の正解ではなく、自分たちの正解を見つける姿はどこか心地よかった。
3位 呉勝浩『爆弾』
あらすじ
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「10時に秋葉原で爆発がある」と予言する。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。警察は爆発を止めることができるのか?爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー!
おすすめのポイント!
本作のテーマは「悪意と正義の対決」で、複雑に絡み合う人間関係、悪と正義の対立、爆破事件の行く末と、気になる展開にぐいぐい惹き込まれる力作です。緊迫の会話劇が繰り広げられ、その場にいるかのような臨場感を味わえます。正義側の警察にもそれぞれの事情や葛藤があり、一枚岩とはいかないのが面白いところです。呉勝浩さんの最高傑作と呼び声高い一作です。
これはすごい作品に出会ってしまった!ミステリー性もキャラクター性もエンタメ性も抜群です。このミス第1位なのにも納得です!!ただイヤミス的な要素もあるので好き嫌いが分かれそうなのと、倫理的な関係で本屋大賞には選ばれなさそう…。近いうちに映画化を期待!
4位 逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』
あらすじ
1942年、独ソ戦のさなか、モスクワ近郊の村に住む狩りの名手セラフィマの暮らしは、ドイツ軍の襲撃により突如奪われる。母を殺され、復讐を誓った彼女は、女性狙撃小隊の一員となりスターリングラードの前線へ——。
おすすめのポイント!
デビュー作でいきなり、史上初の「アガサ・クリスティー賞」全選考委員の満点を獲得した衝撃作です。ソ連軍に実在した女性狙撃部隊の史実を基に、様々な想いから戦場に立つ少女たちの過酷な運命を臨場感のある筆致でありありと描かれています。苦悩と焦燥を抱いて戦う女性兵士の緊迫した心理描写や戦闘描写、巧妙に張り巡らされる伏線の数々は必見です。
第二次大戦での独ソ戦における女性狙撃兵の話。極限状態の緊張感、怒り、憎しみ、悲しみ、絶望がひしひしと伝わってきてすごいです。血生臭いのは嫌いなのですが、それ以上に圧倒されて読み進めてしまう。ちょっとページ数が多くて長いと思ったけど、特にラストの章は一気読みでした。
ブクログスタッフのおすすめ本!
青山美智子『月の立つ林で』
あらすじ
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト「ツキない話」だった——。
おすすめのポイント!
「月」をテーマにした連作短編集です。五つの物語を繋ぐは、タケトリ・オキナという人物が発信するポッドキャスト「ツキない話」です。毎朝更新されるコンテンツを通じて、登場人物たちは新たな気づきを得て、少しずつ変わってゆきます。やがて意外な事実とともに五つの物語の別の一面が分かるのですが、その感動は、ご自身で体験してみてください。
自分自身の存在意義を見出せなくなったり、自信を喪失してしまっても、もしかしたら顔も知らない誰かの役にたっているのかもしれないと前向きな力をもらえる一冊。それぞれの登場人物が救われる側にも救う側にもなっているのが人間味があって良かった。心が弱ってしまったときに繰り返し読みたいと感じる温かい本と出会えた。
ブクログユーザーさんが選ぶ「2023年私が読みたい」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!
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