ブクログユーザーさんの「新生活」ベスト本!

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!

今回は、4月に開催した「#新生活」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1位 梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木香歩『西の魔女が死んだ (新潮文庫)
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あらすじ

祖母が危篤状態と聞き、まいは学校を早退した。2年前、中学生になったばかりのまいは、うまく学校に馴染めずにいた。イギリスと日本のハーフである母からは事情を深く聞かれず、単身赴任中の父からは「扱いにくい子」と言われ……。傷ついたまいは、自分のことを「魔女」と呼ぶイギリス人の祖母のもとで暮らすことに。そして、魔女から魔女修業を受けることになり——?

おすすめのポイント!

各児童文学賞を受賞し、2008年には実写映画化もされた児童文学を代表する名作です。魔女の力を使うには、精神力を鍛える必要がある。まいが祖母に教わる「魔女修業」の多くは、私たち「人間」にとっても大切なことばかりです。「死とは何か」といった深い問いにも向き合ってくれる魔女の存在は、思春期の若者だけでなく、大人にとっても必要なものかもしれません。人生の命題とも言えるその大きな問いを回収するラストシーンは、大人の方も涙なしには読めません。

梨木香歩さんの作品一覧

私も時間の流れが速い現代社会から少し離れて、自然に寄り添う丁寧な暮らししてみたいな。おばあちゃんの素敵な教えとおばあちゃんとの約束、良かった。ラストは泣きそうになった。また読み返したい一冊。自分のおばあちゃんに会いたくなった。もちろんおじいちゃんにも。

ぱなさんのレビュー

2位 吉田修一『横道世之介』(文春文庫)

横道世之介 (文春文庫)
吉田修一『横道世之介 (文春文庫)
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あらすじ

1980年代後半。18歳の横道世之介は、大学進学のため長崎から単身上京してきた。自動車教習所に通い、アルバイトに精を出し、ごく普通の大学生として過ごす新生活。世之介は、実は押しに弱い。しかし、隠された芯の強さも兼ね備えている。友人の結婚と出産、学園祭でやったサンバの行進、お嬢様との恋模様……様々な出会いと笑いを引き寄せるのが、世之介だ。

おすすめのポイント!

押しに弱くておとぼけな愛すべき人物・世之介の、20年前と現代の様子を描いた小説です。二つの時代が交錯し、家族や友人たちとの関係から、「世之介」という平凡な主人公の魅力が鮮やかに描き出されていきます。大学生ならではの、自由と不自由が入り交じった夏の描写は、きっと多くの人の心に強い印象を残すはずです。登場人物たちの名セリフの数々にもぜひ注目してください。学生時代の楽しかったことや切ない思い出、黒歴史など、様々な感情を刺激してくれます。

吉田修一さんの作品一覧

大学時代特有の地に足のつかないフワッとした人間関係が本当にリアルに表現されていて、読んでいてとても懐かしく、そして少し切なさを感じさせる。構成として、主人公の大学生パートと、数年後(数十年後?)に主人公が関わった人たちが、今どのような暮らしをしているかが描かれる。この未来パートの存在が、この小説をグッと切なくさせ、大学生という最後の青春時代を強烈に彩っている。

座頭さんのレビュー

3位 砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社文庫)

線は、僕を描く (講談社文庫)
砥上裕將『線は、僕を描く (講談社文庫)
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あらすじ

家族を失い真っ白い悲しみの中にいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。

おすすめのポイント!

第59回「メフィスト賞」を満場一致で受賞した本作は、2022年に横浜流星さん主演で実写映画化もされました。あまり馴染みのない水墨画の世界を、実際に水墨画家としても活躍する著者・砥上さんが、躍動感のある筆致で鮮明に描き出しています。孤独を抱える主人公が未知の世界と出会い、次第に過去の悲しみを乗り越えてゆく姿には、何か新しい事を始めたいと考えている方に勇気を与えてくれます。知られざる水墨画の魅力を、ぜひ本作で体感してください。

砥上裕將さんの作品一覧

水墨画を通して、深い孤独から抜け出し生きる喜びを見出した青年の物語と読み取った。水墨画の世界は全く分からないが、師匠の湖山先生の言葉の一つ一つには、芸術と向き合うことの奥深さや、生きる姿勢への問いかけのようなものを感じる。ストーリーとしてはできすぎの感が否めないが、登場人物の語る言葉の一つ一つに奥行きを感じる。再読し、それらの言葉をじっくりと味わいたい気分になった。

べるくさんのレビュー

4位 喜多川泰『「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~ 』(喜多川 泰シリーズ)

「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~ (喜多川 泰シリーズ)
喜多川泰『「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~ (喜多川 泰シリーズ)
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あらすじ

就職活動に出遅れ、将来に思い悩む大学4年生の「僕」は、ある日訪れた不思議な書斎カフェで、奇妙な広告を見つけた。〈手紙屋〉と10通の手紙をやり取りすることで、あらゆる夢を叶えてくれるのだという。平凡な人生を変えたい「僕」は、手紙屋に手紙を書いた。手紙屋との文通を通じて、次第に「僕」は働くことの意味を考えるようになり——?

おすすめのポイント!

本作は、物語としての面白さはもちろん、ビジネスや教育にも役立つ内容が詰まっています。「僕」と手紙屋のやり取りを通じて、「働くとはどういうことか」「なぜ働くのか」という普遍的な疑問について、深く考えさせられます。「僕」のような新米社会人だけでなく、すでに社会人になっている人にも、心の琴線に触れるアドバイスが数々綴られていることでしょう。手紙という形態ならではの、読者に直接語りかけてくるような親しみやすい文章も魅力の一つです。

喜多川泰さんの作品一覧

私を本の世界に導いてくれた本です。ストーリーが面白くサクサク読み進められました。中身は、しっかり自己啓発本になっています。この春に大学生になった息子に初めて送った記念すべき本です。

万年筆好きムギムギさんのレビュー

ブクログスタッフのおすすめ本!

北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫)

ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)
北川恵海『ちょっと今から仕事やめてくる (メディアワークス文庫)
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あらすじ

ブラック企業で罵倒されながらも、毎日働くだけの労働者になってしまった隆はある日、線路への飛びこみを試みる。そんな隆を救ったのは、同級生・ヤマモトを名乗る男だった。何故か親切な彼の名前で検索すると、激務で自殺した男のニュースが——?

おすすめのポイント!

実写映画化、舞台化も果たした、北川恵海さんのデビュー作です。目の前の仕事をこなす日々に、いつの間にか視野も狭くなり、追い詰められることもあるでしょう。本作は、そんな状況に陥った人々へ、人生は何度でもやり直せるし、逃げることは恥ではない。ということを改めて教えてくれます。スカッとした爽快感と元気がもらえる、働くすべての人たちに贈りたい人生応援小説です。本作で明かされなかった珠玉の裏エピソードを収録した、続編も併せて要チェックです。

北川恵海さんの作品一覧

私話題作のこちらを避け、続編、ちょっと今から人生変えてくる、から先に読んでしまったひねくれものです。続編にハマり、本編のこちらもすぐに手に取りました。冒頭の仕事に行きたくないリアルな描写で引き込まれ、仕事を辞めるシーンの爽快感がたまらなかった。面白く読み終わった後は晴れやかな気持ちになれました。あまり本を読まない人にもオススメの一冊です。

にしどさんのレビュー


ブクログユーザーさんが選ぶ「新生活」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!