こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログが毎月開催している「ブックリスト特別企画」から、ブクログユーザーのみなさんにお寄せいただいた素敵なブックリストの中で、特に人気の高かったベスト本をご紹介!
今回は、5月に開催した「#わくわく」の上位4作です!みなさんが選んだベスト本を、ぜひ本棚登録してみてくださいね。
1位 三浦しをん『風が強く吹いている』(新潮文庫)

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あらすじ
万引きで逃走中のカケルは、追いかけてきた男・ハイジの紹介で、格安学生寮「アオタケ」に住むことに。歓迎会で集まった住人たちに、ハイジはある計画を宣言する。それは、アオタケに住む十人の学生で箱根駅伝を目指すというものだった。陸上未経験者も多い中、「おもしろそうじゃないか」と囁く心の声を聞くカケル。頂点を目指す10人の挑戦が幕を開ける——。
おすすめのポイント!
漫画オタクやヘビースモーカーなど、陸上選手らしからぬ登場人物たちの挑戦は、スポーツをした経験のない人にも読みやすく、勇気を与えられます。箱根出場は叶うのか、そもそも住人たちは走れることができるのか?導入からエピローグまで、行き着く間もないほど吸引力のある文章が連なっています。林遣都さん、小出恵介さん主演の映画化、アニメ化を経て、2023年には塚田僚一さん(A.B.C-Z)主演で舞台化もされました。
久々に小説で泣きそうになった。じぶんも駅伝をやっていたが、その時の気持ちや景色、挫折や喜び、いろんな感情を思い出すことができてとても入り込めた。各々のキャラクターは個性がそれぞれよく出ていて、リアルだった。走るとはどういうことなのか、人生を賭けて走ることを選ぶ人間の苦悩と成長をこれでもかと繊細に描写し、だんだんと様になっていく過程はとてもわくわくしたし、青春ってこんなだったよなぁと思ったりもした。現実にできるかどうかではなく、大切なのは才能のリアルと努力の限界の考えを深められたことだった。また読みたい。
2位 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』

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あらすじ
中二の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、200歳まで生きると宣言。今日も我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!
おすすめのポイント!
第20回「女による女のためのR-18文学賞」で史上初の三冠を獲得した宮島未奈さんのデビュー作です。三浦しをんさん、辻村深月さんなど名だたる審査員たちに絶賛された本作は、発売すぐに重版されるなど大反響を呼びました。周りの目を気にせず、これと思ったら一直線に突き進む変わり者の主人公・成瀬あかりの魅力に、思わず引き込まれること間違いなしです。若者パワーが満ち溢れる爽快感マックスの青春物語です。ユーモラスな文体にも注目です。
軽快な青春ストーリー。…というありきたりな感想もあるけれども、なによりも素晴らしき滋賀・大津愛の塊が活字になった物語です。滋賀出身、大津で30年そだった自分自身にとって、西武のある膳所エリアは庭であり青春時代の爆心地であり、全てが生々しくリアルに映像が浮かんでくるのが楽しくて仕方がない。そんな本でした。物語の内容も爽快で心地よくて誰も傷つかず、それでいて退屈ではない。満足度100%です。
3位 辻村深月『ハケンアニメ!』(マガジンハウス文庫)

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あらすじ
天才アニメ監督の王子千晴が、9年ぶりに挑む新作アニメ『運命戦線リデルライト』。有科香屋子は、念願だった王子との仕事を掴み、プロデューサーになった。同じクールには、期待の新人監督である斎藤瞳と人気プロデューサーの行城理がタッグを組む、『サウンドバック 奏の石』も放送予定だ。そんな中、突如王子が姿を消した。新作アニメの行方はどうなる——?
おすすめのポイント!
アニメ業界で働く三人の女性を軸に、業界裏事情やアニメ制作の様子が描かれています。アニメ好きな人はもちろん、アニメはあまり見ないという人でも楽しめるエンタメ小説です。辻村さんというと、ミステリ作品のイメージが強いかもしれませんが、本作では、アニメ制作に情熱を注ぐ人々の群像劇が描かれ、他の作品とは一味違った辻村ワールドに出会えます。2019年に舞台化、2022年に吉岡里帆さん主演で映画化されました。
辻村深月さんの作品の中でも特に好きな本です。かなり読みやすく、登場人物も魅力的でどんどん読み進めることができます。辻村さんの中ではかなり明るい内容だと思います。スロウハイツの神様と合わせて読んで欲しいです。レジェンドアニメを読む前にもう一度読み返そうと思います。
4位 上橋菜穂子『獣の奏者 1闘蛇編』(講談社文庫)

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あらすじ
「リョザ神王国」。闘蛇村に暮らす少女・エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが……?
おすすめのポイント!
「守り人」シリーズ、『鹿の王』を生み出したファンタジー小説の名手・上橋菜穂子さんの著書です。外伝含め全5巻となる本作は、2009年にNHK教育テレビでアニメ化もされました。“児童文学のノーベル賞”と称される「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞した本作ですが、大人が読むにも不足のない高尚なストーリーとなっています。主人公・エリンと獣たちとの関わりを描く中で、自然と調和しながら生きることの大切さを教えてくれます。
中学生の頃良く文庫本の小説を読んでいたのですが、社会人になりなかなか自分に合う本が見つかりませんでした。社会人以降初めて、本の世界にダイブ出来るような先が気になる本でした。主人公エリンの丁寧な心理描写や読んでいて世界を想像できる情景描写は心地よさがありました。次巻をすぐ読みたいのですが、物語の終わりが近づいてしまうので、別の本を挟んでからまた獣の奏者の世界に戻りたいと思います。
ブクログスタッフのおすすめ本!
荻原規子『空色勾玉』(徳間文庫)

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あらすじ
6歳で故郷を失った狭也は、輝の大御神が治める羽柴の地で育った。15歳になった狭也は祭の日に、自分が輝に敵対する、闇の女神に仕える「水の乙女」の生まれ変わりと知らされる。狭也にとって、その事実は悪夢の現実化であった。輝の宮へ仕えることとなった狭也は、囚われの身となった稚羽矢という人物と出会う。二人の出会いは、輝と闇の運命をも大きく揺るがし——。
おすすめのポイント!
第22回「日本児童文学者協会新人賞」を受賞した荻原規子さんのデビュー作です。古事記や日本書紀といった日本神話、大祓祝詞などの神道文化がベースになっているので、特に日本人読者には親和性の高いファンタジーです。不死の力を持つ輝と、転生を繰りかえす闇との攻防戦がどのような結末を迎えるのか、最後まで緊張感のある展開が張り巡らされています。神話や史実を基にした勾玉三部作と呼ばれる残りの二作もおすすめです。
日本神話をオマージュして作られている和風ファンタジー。和風テイストの本を初めて読んだが非常に魅せられた。輝の神と闇の神のすれ違い、そして狭也と稚羽矢の出会い。日本人には是非読んでもらいたい。本当に素晴らしかった。
ブクログユーザーさんが選ぶ「わくわく」ベスト本、どれも素敵な作品ばかりでしたね。
ぜひ、みなさんの読書生活の参考にしてくださいね!