千早茜さん作品おすすめ5選!~五感を刺激する極上の作品選~

こんにちは、ブクログ通信です。

千早茜さんは、2008年に『魚』で「小説すばる新人賞」を受賞し作家デビューを果たしました。後に『魚神』と改題された同作は、2009年に「第37回泉鏡花文学賞」も受賞しています。その後も、数々の文学賞を受賞してきた千早さんは、「直木賞」に度々ノミネートされ注目を集めました。2023年には『しろがねの葉』で三度目のノミネートにして、晴れて第168回「直木賞」を受賞しています。生きづらさを抱えた人々の、少し不思議な関係性を優しく描き出す千早さんの作品は、老若男女を問わず多くの読者に支持されているのが特徴です。

今回はそんな千早さんの作品の中から、初読みの人におすすめの作品を5選ご紹介いたします。ブクログユーザーからも人気の高い作品を中心に、代表作から最新作まで幅広く取り揃えました。ぜひ最後までチェックしてみてくださいね!

『千早茜(ちはや あかね)さんの経歴を見る』

千早茜さんの作品一覧

1.千早茜『しろがねの葉』直木賞受賞作!石見銀山で生きた一人の少女の生涯を描く大河長編

しろがねの葉
千早茜『しろがねの葉
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あらすじ

戦国末期、石見銀山はシルバーラッシュに沸いていた。天才山師の喜兵衛に拾われた少女・ウメは、石見銀山の鉱脈や知識を授けられ育つ。女だてらに坑道で働き出したウメだったが、ある時誤って多助という男を死なせてしまう。多助の妻・おとよの世話をしにいったウメは、銀山で生きる女の壮絶な人生を垣間見るのだった……。

おすすめのポイント!

2023年に第168回「直木賞」を受賞した、千早さんの代表作です。戦国時代末期を舞台に、島根県の石見銀山で鮮烈な人生を送った少女・ウメの生涯を描いています。山師たちの命がけの人生や、彼らを支える女たちの覚悟、そして理不尽な運命に抗いながらひたむきに生きるウメの姿が、躍動感あふれる文章で切り取られた作品です。歴史小説ではありますが、歴史好きもそうでない人も、一気に惹き込む魅力を持っています。直木賞受賞も納得の読み応え抜群の一冊なので、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?

山師に拾われ、夜目が効くのを頼りに銀堀の男社会の中で育ったウメが女であるが故に苦しい体験をしながらも大人の女として、母として成長していく過程が丁寧な文章で綴られる。直木賞受賞も納得の力作。

りょうさんのレビュー

2.千早茜『わるい食べもの』食べることの楽しさをユニークな視点で教えてくれるエッセイ集

わるい食べもの (集英社文庫)
千早茜『わるい食べもの (集英社文庫)
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あらすじ

「いい食べもの」はもうたくさん!」——幼少期をアフリカで過ごした著者による初のエッセイ集。「食」をテーマに、幼い頃の記憶から創作活動の裏側、社会に抱く疑問まで多彩な切り口で綴る。「いい食べもの」に関する情報があふれている現代だからこそ、「わるい」を追求することで食の奥深さを見つめ直し、人間の生き方そのものを問いかけるスパイスの効いた一冊。

おすすめのポイント!

千早さんの「食べ物」に関するこだわりが詰まった作品です。世間一般で「いいもの」とされている食べ物について、「これってどうなの?」「ちょっとおかしくない?」といった千早さんならではの素朴な疑問が赤裸々に述べられています。アフリカで味わったウニの記憶やおしゃれなカフェで試した身体に良いメニューの感想など、様々な切り口で語られる食へのこだわりに、シニカルさとユーモアが光るエッセイ集です。

食べ物に関するエピソードを綴ったエッセイ。ただ食べ物の美味しさを熱弁するのではなく、自身の思い出(良いことも悪いことも)を面白く描いている。「小説とは自分の知らない世界や価値観を知るためにある(206ページ、『海のものと山のもの』より)」という言葉の通り、自分の価値観を広げてくれる本だった。

もとさんのレビュー

3.千早茜『透明な夜の香り』嗅覚を刺激する新感覚の長編小説

透明な夜の香り
千早茜『透明な夜の香り
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あらすじ

元・書店員の若宮一香は、新しいアルバイトとして古い洋館の家事手伝いを始めた。そこには調香師の小川朔が住んでいる。彼は人並外れた嗅覚を活かして、客の望む「香り」をオーダーメイドで作っているのだった。人知れず秘密を抱えた女性、娘を探す親など、朔のもとには事情を抱えた依頼人が次々に訪れる。やがて一香は、朔が天才であるがゆえの「孤独」を抱えていることに気付くのだった。

おすすめのポイント!

「香り」が大きなテーマになっている物語です。浮世離れした洋館に暮らす孤独な調香師と、とある秘密を抱えた元書店員の男女が織り成す繊細な人間模様が描き出されてます。普段なかなか意識することがないであろう「調香師」という仕事についても知ることができ、「香り」や「匂い」が持つ力について興味をそそられる一冊です。千早さんが得意とする、みずみずしくて官能的な文章をぜひじっくりと味わってみてください。恋愛小説であり人間ドラマでもある、深く心に染み込む物語です。

初めての千早作品。SNSでの紹介を目にした事をきっかけに購入です。美しい文章の中で、それぞれの香りを想像しながら読み進めるのがとても楽しかったです。依頼人の人物像や言動が、主要人物達の繊細な描き方に比べると少し薄いような気もしますが、その物足りなさを考慮しても、また読み返したい作品でした。

summerさんのレビュー

4.千早茜『西洋菓子店プティ・フール』下町の洋菓子店を舞台にした、お菓子と人生が交錯する短編集

西洋菓子店プティ・フール (文春文庫)
千早茜『西洋菓子店プティ・フール (文春文庫)
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あらすじ

フランスで菓子作りの修行を積んだパティシエールの亜樹は、菓子職人である祖父のもと、下町の西洋菓子店「プティ・フール」で働くことになった。亜樹を取り巻く友達、恋人、仕事仲間、そして店の常連客たちは、それぞれに事情を抱えている。やがて、各々の「事情」は少しずつ変化してゆき……。お菓子をテーマにした、ちょっとビターな連作短編集。

おすすめのポイント!

食に強いこだわりを持つ千早さんならではの切り口で描き出す、甘さとほろ苦さが同居した短編集です。タイトルから「お菓子のように甘い物語」をイメージした人はご注意ください。読後はそのイメージが裏切られる一方で、「お菓子を食べたい」という強い衝動に駆られるはずだからです。人生の中の甘い瞬間・苦い経験・甘酸っぱいひととき、それらを象徴するようなお菓子の描き方にもご注目ください。甘いもの好きにはもちろん、普段甘いものを食べないという人も、お菓子の新たな魅力を本書で味わってみてはいかがでしょうか?

片思いをテーマに書かれたとか。盛大に色んな人が片思いしてすれ違っていきますね。主人公カップルだけはなんとか最後、元に戻りそう?ですが。よくあるのが仕事人になると、話し合う機会もなくて別れるパターン。ここはきちんと話して別れなさそう。そうであってほしい!片思いしつつもなんだかんだ、真っ当な片想いなので、読んでて不安定さを感じず大変読みやすい話でした。

sitibuさんのレビュー

5.千早茜『あなたとなら食べてもいい』人気作家たちが贈る、「食」と人生にまつわるアンソロジー

あなたとなら食べてもいい (新潮文庫)
千早茜『あなたとなら食べてもいい (新潮文庫)
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あらすじ

穏やかな日々を過ごす、とある男女。二人の関係には秘密があった。わかっているのに離れられないのは、愛情なのか、ただの情か——(『くろい豆』)。久しく会っていなかった古い友人が突然やって来た。父親の遺骨を預かってほしいと言う。お互い、子どもの頃思い描いていた未来とは違う現実を生きていて——(『ほねのおかし』)。人気女性作家七名が贈る、「食」のある風景を描いたアンソロジー。

おすすめのポイント!

食の描写に定評のある千早さんをはじめ、『ランチのアッコちゃん』など食べ物にまつわる作品を多く発表している柚木麻子さん、2021年に『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞した町田そのこさんなど、人気の女性作家が寄稿したアンソロジー作品です。食のある風景の中で、複雑な事情や葛藤を抱える人々の心模様を繊細に描き出しています。時に美しく、時に切なく、また時にほろ苦い「食」のワンシーンを、ぜひ味わってみてください。「食べる」ことの奥深さを改めて思い知らされる、個性的な短編集です。

この話とても好き!というのをどの話を読んだ後も思った。本当にどれも好きだけど、千早さんの「くろい豆」、田中さんの「居酒屋むじな」、深沢さんの「アドバンテージ フォー」が特に好きかな。深沢さんのはなにかを感じるというよりいい意味で何もなくて読後にふふっとなってしまう。居酒屋むじなはなんかすごくすきだな。なんだろな、うまく言えないけど。すき。あと私はやっぱり短編が好きなんだなと思った。

あんこさんのレビュー


千早さんの作品は、詩情あふれる文章と「食・食べ物」を多く取り入れた描写が魅力です。嗅覚を始め、様々な感覚を刺激される千早茜ワールドを、ぜひこの機会に体験してみてはいかがでしょうか?