こんにちは、ブクログ通信です。
4月16日は「エスプレッソの日」だそうです。喫茶店でゆったりとしたひと時を過ごすのが好きな方も多いことでしょう。美味しいカフェ料理や本格的なコーヒーをお供に読書するのは、最高のぜいたくですよね。
そこで今回は、「喫茶店」をテーマにしたおすすめ小説を5選ご紹介いたします!
まったりコーヒータイムに、ぜひ手に取ってみてくださいね。
1.僕のマリ『常識のない喫茶店』

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あらすじ
「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」。治外法権や世間のルールなど通用しない、異色の喫茶で巻き起こる闘いの数々。狂っているのは店それとも客?全てのサービス業従事者に捧げたい一冊。
おすすめのポイント!
著者・僕のマリさんの実話を基に描いた本作は、接客業者たちから絶大な共感を集め、発売以降わずか2週間で重版となりました。迷惑客への出禁や喧嘩は上等、常連客にあだ名をつけたり、業務中の雑談もOKな喫茶店で巻き起こる出来事は、まさに常識を覆されるエピソードばかりです。従業員目線での“お客様像”がありありと伺えるので、我が身を振り返るきっかけにもなることでしょう。時にクスッと、時にスカッとする、仕事に悩んだ時に元気をもらえるエッセイです。
作者の書き方に親近感が湧いた。私は接客業とは無縁な人生を送っているので、店員さん目線で書かれているのですごく面白かった!!!案外、店員さんはお客の事を見てるもんだな、と思ったり、変な客にならないでおこうと思った。笑笑
2.標野凪『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』(双葉文庫)

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あらすじ
住宅地の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」には、日常からちょっと逃げ込みたくなったお客さんがふらりと訪れる。
おすすめのポイント!
不幸でないのに、幸せでもない。頑張っているのに満たされない。そんな悩める五人の女性が訪れた「おひとりさま専用カフェ」での物語です。未曾有のコロナ禍。ワークスタイルや人との繋がり、SNSの普及など、目まぐるしく変化した世の中に不安や疲れを感じる登場人物たちには、共感することばかり。自分の心を労りつつ、他者への思いやりを考えさせられる、心に染み入る一作です。第2弾の『こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。』も、併せてチェックしてくださいね。
50代や70代の女性が主人公のエピソードがあって、彼女たちの気持ちがかいてあるのがよいなと思った。これから私もこういう気持ちになることがあるのかもしれないな。そろりさんは、ドラマのミステリと言う勿れの整くんがイメージぴったりだ。喫茶ドードーみたいなカフェに行ってみたいな。作者はカフェをやっているとのことなので、それは実現できるのかもしれない、というのがステキだな。夢がある。
3.八木沢里志『純喫茶トルンカ』(徳間文庫)

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あらすじ
東京の下町、商店街の中にある小さな喫茶店「トルンカ」。物静かなマスターと娘の雫、大学生バイト・修一が切り盛りする、美味しいコーヒーが自慢の店だ。ある日、雫と修一が店番をしていると、1人の女性客がやってきた。彼女は修一に向って、「あなたと前世で恋人同士だったんです」と語り出すのだった……。
おすすめのポイント!
下町情緒あふれる商店街の路地裏、ひっそりと佇むレトロな喫茶店が舞台の短編集です。店に訪れる客と修一たちとの交流を通して、「出会いと別れ」の物語をほろ苦く描き出しています。孤独な感情を抱える登場人物たちが、優しい喫茶店で己と向き合い、前を向く姿に心が緩んでゆきます。登場人物たちの微妙な心情が丁寧に描写されているので、一章一章じっくりと読み進めれば奥深くに響いてくることでしょう。ドリップコーヒーのように、ゆっくりと味わってみてください。
出会いと気づきを与えたくれた本。コーヒーを飲みながら読了。自分らしさとは何か、自身にとって何が必要なのかをなんとなく掴むことができてとても良い日になりました。当分はコーヒーを飲むと思い出しそうです‥
4.椰月美智子『純喫茶パオーン』(ハルキ文庫)

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あらすじ
創業約50年の喫茶店「純喫茶パオーン」の看板メニューは、「おじいちゃんの特製ミルクセーキ」や「おばあちゃんの魔法のナポリタン」だ。そんな中、店主の孫である「ぼく」が出会った不思議な事件と、人生のちょっとした真実とは——?
おすすめのポイント!
可愛らしいイラストの装丁で、眺めているだけでもワクワクさせられます。独特の方言で話すおじいちゃんと、料理上手で地獄耳のおばあちゃんが営む喫茶店を舞台に、孫・来人の小学生〜大学生までの成長期と、その間に巻き起こる事件の数々が描かれます。来人の友情や恋愛、家族愛といった青春の日々には、思わず親戚のように微笑ましく見守ってしまいます。ミステリー要素も少なく、コメディチックで軽快な内容なので、サクサクと気軽に読み進められますよ。
パオーンっていう名前がもうかわいい。アンソロジーでは何度か読んだけど、長編を読むのは初めてかもしれない椰月美智子さん。主人公の男の子が素直でかわいい。パオーンのマスターのおじいちゃんもユーモラスでかわいい。かわいいもの好きにはたまらない作品。平和で、みんな仲良しで、幸せな気分になれる。うちの近くにもないかな、パオーンみたいなお店。
5.池永陽『珈琲屋の人々』(双葉文庫)

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あらすじ
小さな商店街で喫茶店「珈琲屋」を営む行介には、人を殺めた過去があった。かつて行介の恋人だった冬子は別の男と結婚したものの、行介が出所すると離婚していた。冬子は行介の店で珈琲を飲む。他の客たちも、行介の過去を知った上で珈琲を飲みにやって来る。やりきれない思いも、忘れられない過去も、一杯の珈琲と共に飲み込んで——。
おすすめのポイント!
香り高い珈琲と共に紡がれる七編の物語を収録。行介の人柄と「珈琲屋」の雰囲気がとても魅力的です。お客の話をじっくりと聞いてくれるマスター、香り豊かな熱い珈琲、居心地の良い店内を舞台に、人と人との想いのやり取りを情感豊かに描き出しています。一筋縄ではいかない人間関係や、人知れない悩みを抱える人々に寄り添うことの大切さを教えられます。苦くも決して後味は悪くない、味わい深い作品です。2014年に高橋克典さん主演でドラマ化されました。
飲み屋、食事屋を舞台の短編集は色々あるが、ひと味違う。主人は殺人犯、客はそれを承知でやってくる。熱々の珈琲を飲みながら、心に抱えた思いを主人に問いたくなる。深く心に残る短編集。シリーズらしいのでこの先も読んでみたい。
今回は、まったりコーヒータイムに読みたい「喫茶店」小説5選をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね。