こんにちは、ブクログ通信です。
人気芸能人が書いた本10選!【前編】に続き、【後編】では、ストーリーや設定、言葉の表現に才能が光り、今後の作家活動にも期待が高まる作品を集めました。
本業作家ではないからこそ持ち得る、独自のセンスが光る名作ばかりです。ぜひこの機会に手に取ってみてください!
1.鈴木おさむ『もう明日が待っている』 伝説的アイドル「SMAP」の栄光と崩壊を描いた小説
あらすじ
放送作家・鈴木おさむが強い覚悟を持って送り出した一冊。これは、「小説SMAP」だ。メンバーの脱退に、トップアイドルがまさかの結婚、大震災から間もなくしての生放送……国民的スターとしての地位を築いた彼らの全てが、たった一夜の「放送」で崩壊する。間近で見ていたからこそ書ける真実をもとにした物語。
おすすめのポイント!
国民的大スターとして毎日様々なメディアに登場していたアイドル「SMAP」。彼らの活躍ぶりと輝かしい存在感、そして物議を醸した生放送は、いまだ多くの人の記憶に残るところではないでしょうか?本作は、そんなSMAPの栄光と崩壊を見届けた放送作家・鈴木おさむさんによる、新しい形のテレビ文学です。かなり現実味溢れる作品ではありますが、あくまでも小説であり、トップアイドルたちの栄枯盛衰がドラマチックに描かれています。一時代を築いたアイドルたちのリアルな姿を、ぜひ本作を通して感じてみてください。
SMAPの真相。皆が皆一生懸命自分の仕事に誇りを持って真剣に取り組む姿がイメージできて、熱いし、素晴らしいなと思いました。
2.芦田愛菜『まなの本棚』人気女優の読書歴がよくわかる、本好きにこそおすすめの一冊
あらすじ
「本の出逢いは人との出逢いと同じ」年間100冊以上も読むほど本好きな芦田愛菜による、本当は教えたくない“秘密の約100冊”をまとめた本書。世代を問わず、全ての人が手に取ってみたくなる本が厳選されています。考える力を育みたい親御さんと子供たちにも必読の作品です。
おすすめのポイント!
人気子役として一世を風靡し、今やすっかり大人の雰囲気をまとう女優の芦田愛菜さんが贈る、おすすめの本100冊です。この本の刊行当時、芦田さんはまだ中学生でしたが、紹介されている本は絵本から古典作品、図鑑など多様な分野にわたります。いかに読書家であるかよくわかる選書で、各書の感想や紹介文もとても的確かつ気持ちがこもっていて好感が持てるまとめ本です。ブクログユーザーにとっては、かなり共感できる一冊だと言えるでしょう。本好きにこそ読んで欲しい注目作です。
演技が上手で頭が良い子役さんがそのまま成長されて本当に嬉しく思います。彼女のセリフに説得力があるのは自分の言葉を持っているからなのですね。愛菜ちゃんの本棚は絵本から海外文学まで幅広いです。私とは時代が違うので、挙げられている本と通った道筋が違いますが、名作と呼ばれる作品たちを押さえている愛菜ちゃんはすごいと思いました。中高生がこの本を読んだら、挙げられている本を手に取るキッカケになると思います。愛菜ちゃんの本への向き合い方や考え方はとても共感できました。山中伸弥教授や作家の辻村深月さんとの対談も良かったです。
3.宮田俊哉『境界のメロディ』音楽に魅せられた高校生たちの切なくも熱い青春小説
あらすじ
高校で運命的に出会い、【かにたま】を結成したカイとキョウスケ。しかし、メジャーデビュー目前にしてカイが事故で亡くなってしまう。事故から3年後、音楽から距離を置き無気力に生きていたキョウスケの前に、突然カイが現れる。生前と変わらない強引さを発揮するカイに説得され、キョウスケは再び音楽の世界と向き合うが……。
おすすめのポイント!
Kis-My-Ft2で活躍する宮田俊哉さんの処女作にして、初のライトノベルです。音楽に情熱を傾ける男子高校生二人を軸にした青春小説で、切なくも胸が熱くなる作品となっています。処女作ということで粗さも感じられますが、それ以上に、音楽に魅せられた人間のひたむきな姿をリアルに描き出す筆致が魅力です。読み終わったとき、胸がじんとするような熱い気持ちにさせられます。
あっという間に読了。宮田くんのお話めっちゃ良かった。ワクワクが止まらない。ラサムライアーのロンドンのお話読みたいです。宮田くん、ロンドンにぜひ取材に行ってください。アニメ化も楽しみにしています。
4.加納愛子『かわいないで』人気女性芸人が贈る、青春時代の揺れる心を切り取った中編小説集
あらすじ
お笑いに魅せられ、お笑いライブハウスに就職した唯が、年末年始に目にする芸人たちの悲喜こもごも。華やかな「笑い」の舞台裏の人間ドラマとは(『黄色いか黄色くないか』)。高校生の千尋は、授業中に耳をすます。隣席の会話中に放たれる「かわいないで(笑)」という相槌の一語を聞きたいのだ(『かわいないで』)。
おすすめのポイント!
お笑いコンビ「Aマッソ」の加納愛子さんによる、初の中編小説集です。芸人としても活躍中の加納さんですが、彼女の持つ文才は早くから読書好きの間で一定の評価を得ています。そんな加納さんによる本作は、誰もが学生時代に経験したような一瞬の空気感を見事に描き出し、深く共感させられる物語です。芸人さんならではの鋭い観察力と的確な表現力が冴え渡っています。一度読んだら忘れられない独特な世界観を楽しめる作品です。
ゼスプリのキウイが好きという著者の加納さん。YouTubeを観てハマり、本を書かれているということで読んでみました。関西弁でツッコんだり、快活に笑うイメージが強いですが、周りをよく見ていたりかなり繊細な一面をもつ人なのかなという印象を受けました。『黄色いか黄色くないか』『かわいないで』の二作とも、新たな世界を発見したような新鮮さを感じました。これからも加納さんの世界観を覗きたいなと思える作品です!
5.ニシダ『不器用で』少し毒っ気のある世界観がクセになる、実力派芸人による短編集
あらすじ
ユウシは、いじめられている女子・アミの遺影作りを命じられる。家が貧乏なアミは自分と同じタイプの人間だと思いながらも、ユウシは遺影を手作りし始める……(『遺影』)。生物部の「僕」は、同級生の波多野を見下すことでプライドを保っている。だがその夏、僕と波多野は衝撃的な経験をして……(『アクアリウム』)。他3編を収録。
おすすめのポイント!
お笑いコンビ「ラランド」で人気を集めるニシダさん作の短編小説集です。年間100 冊を読破し、無類の読書好きとして知られるニシダさんがついに小説を執筆したことで話題を集めました。何気ない日常を送るごく普通の人々の繊細な心の機微、そして少しの闇深さを感じさせる、読み応えのある一冊となっています。丁寧な情景描写により臨場感あふれる物語世界を楽しめるのが、本書の魅力です。ニシダさんのファンはもちろん、本好きをも満足させること間違いなしの力作が揃っています。
結末を皆まで言わないスタイル。ラランドのニシダが好きなので最初少し驚いてしまったが、焼け石や濡れ鼠、とてもよかった。学生時代の恋を淡く思い出すような。他の話も何か胸に引っかかる、独特な描写が多くて好みだった。個人的には綺麗な文章というわけでも荒い文章というわけでもなく感じるが、なんだか学生時代を思い出すような、珍しい感覚になった。
いかがでしたか?
本業作家ではないことが信じられないほどの文才を発揮した名作揃いだったのではないでしょうか。
気になった方は、ぜひ手に取ってみてくださいね!
【前編】はこちら!