【後編】休日に読みたくなる感動小説10選!〜疲れた心を優しくほぐす感動作〜

こんにちは、ブクログ通信です。

前編】に引き続き、今回は、休日に読みたくなる感動小説後編】5作をご紹介いたします!

心震わす感動作から、思わず涙がこぼれる物語、時間をかけて読みたい大長編まで、休日の読書におすすめの作品を集めましたので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

6.『二千七百の夏と冬』 壮大な歴史物語!非日常感を味わいたい休日におすすめ

二千七百の夏と冬(上) (双葉文庫)
荻原浩さん『二千七百の夏と冬(上) (双葉文庫)
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あらすじ

ダム建設の工事現場で、2体の人骨が発見された。縄文人男性と弥生人女性が、手を重ね、向き合った姿で埋まっていたのだ。2700年以上前に、この二人には何が起きたのか?新聞記者の佐藤香椰は、謎の答えを追い求める。一方、紀元前7世紀の東日本では、15歳のウルクが暮らしていた。ある日、ウルクは禁忌の南の森で、カヒィという名の不思議な少女に出会う。

オススメのポイント!

縄文時代の人々の暮らしぶりを、鮮やかに描き出している点が見どころです。ウルクとカヒィの目を通して、まるで本当に縄文時代の世界を見ているかのような気分を味わえます。また、本作は古代と現代が交互に描かれている点が特徴です。2700年という、気の遠くなるような時間に隔てられた二つの時代が、少しずつ近づいていく壮大な物語となっています。まるでタイムスリップしたような、不思議な感覚を味わえる物語なので、ぜひ時間を気にせずじっくり読んでみてください。

荻原浩さんの作品一覧

現代で見つかった古い時代の人骨を記事にしようとする香椰の物語と縄文時代の少年ウルクの成長の物語。ついウルクの物語にのめり込むと、ふと現代に引き戻されるようなありさまだった。縄文時代は当然、文献が残っているわけでもなく、個人的に興味があることも手伝って夢中になって読み進めた。描写も細かく、ひとつひとつの単語も現代の言葉に近い単語になっているため情景が想像しやすく、頭の中に映像が広がる。

猫侍さんのレビュー

7.『永遠の仔』 人の心の深層を露わにする、衝撃の人間ドラマ

永遠の仔〈上〉
天童荒太さん『永遠の仔〈上〉
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あらすじ

1979年、優希と笙一郎と梁平は、小児精神科病棟で出会った。人に心を開かない優希、親の愛に飢えている笙一郎、親から虐待され暴力衝動を抑えられない梁平。やがて、治療の一環である登山療法の日がやって来た。三人は、神が居るという霊峰で、ある秘密を共有するのだった。時は経ち、17年後。ある事情から、三人は再会を果たす。三人だけが知る秘密を抱えたまま、それぞれが複雑な関係へと発展してゆくが——。

オススメのポイント!

この作品は、トラウマを抱えた子供たちが悩み、苦しみながらも、互いに支え合って生きようとする姿を描いています。つらい過去を抱えながらも力強く生きていこうとする主人公たち三人の姿に、きっと深い感動を覚えるはずです。2000年に第53回「日本推理作家協会賞」受賞、「このミステリーがすごい!」国内部門1位を獲得しており、上質なミステリーとしても高く評価されている作品です。2000年にテレビドラマ化され、主演の中谷美紀さん、渡部篤郎さんはじめキャスト陣の体当たりの演技が話題を集めました。

天童荒太さんの作品一覧

終わりのない負の連鎖。本当の救いなんてあるのだろうか。フィクションのようでいて、きっとどこかに現実として存在する問題なんだと思わせられた。一つの歯車の狂い、ボタンの掛け違いから全てが狂っていくような恐ろしさ。その中で幼少期の3人の絆はこの作品唯一の温かみのように感じられ、負の感情の中にわずかな光を射してくれ、ただただ暗い作品になるのを防いでくれたように思う。そうでなければ読破出来なかったかもしれない。それくらい辛い内容だが、引き込んで読ませるのは作者の腕なのだろう。

しおりさんのレビュー

8.『つばさものがたり』 天使がつなぐ家族の絆。優しい感動をくれる癒しの物語

つばさものがたり
雫井脩介さん『つばさものがたり
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あらすじ

26歳の君川小麦は、パティシエールとしてケーキショップを開くため、故郷の北伊豆に帰ってきたばかりだ。小麦の兄・代二郎と義姉・道恵の間には、叶夢という息子がいる。6歳の叶夢には、レイモンドという天使の友達がいるらしい。小麦が見つけた店舗物件を、「ここ、はやらないよ」「レイモンドがそう言ってる」という叶夢。結果は、叶夢の言う通りだった。一方、小麦には家族にも言えない秘密があって——。

オススメのポイント!

夢に向かって一歩ずつ進んでいく小麦と、小麦をサポートする家族の絆の物語です。小麦はさまざまな困難に見舞われますが、夢の実現を諦めません。ときに挫折し、ときに自分のやり方に迷う姿には、誰もが共感できることでしょう。一人でがんばりすぎる小麦を、兄夫婦や他の家族、周囲の人々が優しく支える描写に心が温かくなります。また、叶夢と天使のレイモンドの存在にも注目してください。読むほどに、この二人が大好きになること請け合いです。疲れた心をそっと癒し、「明日も、がんばろう!」と思わせてくれます。

雫井脩介さんの作品一覧

本当に素敵な本だった。読みと終わって、涙がたくさん出た。小麦、代二郎、叶夢、レオ、お母さん、道恵、みんな素敵な人たちばかりだった。面白くて読み止まらなかったし、とても胸がいっぱい。レオのところが面白くて声を出して笑ったし、途中も何度か涙してしまう場面があった。本当に面白かった。小麦の優しい人柄がとても好き。代二郎の口は悪いけど根が温かいような、優しいような人柄もとても好きだし、叶夢くんの優しさというか、優しさがとても好きだった。天使と妖精のくだりなど、ほんと面白かった!

nさんのレビュー

9.『純喫茶トルンカ』 下町商店街のレトロ喫茶店で起こる、心と心のふれあい劇

純喫茶トルンカ (徳間文庫)
八木沢里志さん『純喫茶トルンカ (徳間文庫)
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あらすじ

東京の下町、商店街の中にある小さな喫茶店「トルンカ」。物静かなマスターと娘の雫、大学生バイト・修一が切り盛りする、美味しいコーヒーが自慢の店だ。ある日、雫と修一が店番をしていると、一人の女性客がやってきた。彼女は修一に向って、「あなたと前世で恋人同士だったんです」と語り出すのだった……。

オススメのポイント!

下町情緒あふれる商店街の路地裏、ひっそりと佇むレトロな喫茶店が舞台の短編集です。店に訪れる客と修一たちとの交流を通して、「出会いと別れ」の物語をほろ苦く描き出しています。登場人物たちの心の揺れが丁寧に描写され、読み進むほどにじんわりと心の奥深くに響いてくる物語です。ドリップコーヒーのように、ゆっくりと時間をかけて味わってみてください。外出するのが難しくても、この作品を読むと、喫茶店に行ったような気分を味わえますよ。

八木沢里志さんの作品一覧

“純喫茶”という響きに惹かれて手に取った本。下町のあたたかい雰囲気や、珈琲の香りにふんわり包まれて、優しい気持ちになれる作品でした。行きつけの喫茶店がある生活っていいな〜。トルンカみたいな素敵な喫茶店に巡り合いたい!

yumiさんのレビュー

10.『手紙屋』 10通の手紙に綴られた言葉が、明日への活力になる

「手紙屋」 (喜多川 泰シリーズ)
喜多川泰さん『「手紙屋」 (喜多川 泰シリーズ)
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あらすじ

大学4年生の「僕」は、就職活動に出遅れ、将来に思い悩む日々を送っている。ある日、不思議なたたずまいの書斎カフェを訪れた「僕」は、奇妙な広告を見つけた。『手紙屋』と10通の手紙をやり取りすることで、あらゆる夢を叶えてくれるのだという。平凡な人生を変えたいと思い立ち、「僕」は『手紙屋』に手紙を書き始める。『手紙屋』との文通を通して、「僕」は働くことの意味について考えるようになるのだった。

オススメのポイント!

この作品は物語として面白いだけでなく、ビジネスや教育にも役立つ内容となっています。「僕」と『手紙屋』の10通の手紙のやり取りを通じて、「働くとはどういうことか」「なぜ働くのか」という疑問について、改めて考えさせられるからです。「僕」のように、これから社会に出てゆく人にはもちろん、すでに社会人になっている人にも、心の琴線に触れるアドバイスがたくさん綴られています。手紙という形態をとっているため、読者に直接語りかけてくるような親しみやすい文章も魅力です。

喜多川泰さんの作品一覧

明るく、元気に、あなたらしく。就職活動。自分はどうしたいんだろうを何度も何度も考えるなかで、ついついその考えるしんどさから逃げ出して、早く内定が欲しい。給料が良ければいっか。知名度あるしいっか。そんなまぁいっかばかりだったと振り返る自分の就職活動。そうではなく、もう一度自分は何がしたいのか、何に情熱を持って取り組みたいのかを考えるきっかけになりました。

日々是好日*ゆかりさんのレビュー


お休みの日には、本の世界でリフレッシュしてみませんか?心地よい感動をお楽しみください!【前編】はこちら