こんにちは、ブクログ通信です。
夏の風物詩といえば、「怪談」をイメージする人も多いのではないでしょうか?真夏の猛暑を一瞬で忘れさせるようなホラー作品は、夏にこそ真価を発揮するといっても過言ではないかもしれません。しかしブクログユーザーさんの中には、「ホラーは苦手」という人もいるかと思います。
そこで、ブクログからホラーが苦手な人にも読みやすいホラー漫画を5つ紹介いたします。怖さと笑いのバランスが良いコメディや、結末が気になるミステリーなど、他ジャンルの魅力がミックスされた新感覚のホラー漫画を厳選しました。この夏、読書で暑さを乗り切るために、ぜひチェックしてみてください!
1.泉朝樹『見える子ちゃん』怖いけど可愛い!今までなかったホラーコメディ
あらすじ
女子高生の「みこ」は、ある日突然異形の霊たちが見えるようになってしまった。何かと存在をアピールしてくる彼らに対して、「見える」けれど「見えない」フリをし続ける。立ち向かわないし逃げもしない、ただシカトのみで霊たちとの遭遇を凌ぐ!怖いと見せかけて実は怖くない?新感覚のホラーコメディ。
おすすめのポイント!
可愛くてクールな女子高生・みこと、見た目からしてヤバすぎる異形たちとの駆け引きを描いた新感覚コメディです。オカルト好きな人はもちろん、「怖いのは苦手」という人も楽しめます。本作の見どころは、みこのハイレベルな「スルースキル」だといえるでしょう。街で、家で、学校で、突然現れる異形たちとの出会いを見事にスルーし続けるみこの、華麗な「霊捌き」をお楽しみください。見た目はクールなのに、内心ではパニックというみこのキュートな二面性に男女問わず魅了されてしまうはずです。
怖かったけど面白かった。みこちゃん可愛い。頑張って!
2.藤崎竜『屍鬼』背筋が冷たくなる恐怖を味わいたい人に!
あらすじ
山間にある人口わずか1300人の小さな村「外場村」。そこである年の夏、3名の死体が発見された。死因は不明。同じ頃、古い洋館に謎めいた桐敷一家が引っ越してきた。彼らと接触した女子高生の清水恵は行方不明になっている。その後も、村では怪事件が相次ぐのだった。
おすすめのポイント!
人気作家・小野不由美さんの傑作小説をコミカライズした作品です。『封神演義』などで知られる漫画家・藤崎竜さんの個性的なイラストが、物語に華を添えています。本作はホラー漫画ですが、ミステリーとしても楽しめる上、サスペンス要素もある作品です。物語が進むにつれてじわじわと深まる恐怖を、じっくりとお楽しみください。原作を読んだ人でも漫画はまた違った魅力があるので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
死んだ人間が蘇って屍鬼となり村人を襲うというちょっとホラーなお話。始めは屍鬼側が怖いと思ってましたがだんだんと村人の怖い部分も見えてきて今は逆に屍鬼側に感情移入しちゃってますw
3.押見修造『血の轍』数々の衝撃作を凌ぐ怪作サイコホラー!
あらすじ
中学2年生の長部静一は、母・静子からたくさんの愛情を注がれて育った。若々しく美しい母、物静かな父と共に、平穏な毎日を過ごしている。思春期真っただ中の静一は、クラスメイトの女子が気になるものの素直に接することができずにいた。ある日、いつものように遊びに来たいとこ親子と出かけた静一たちは、とある事件に巻き込まれる……。
おすすめのポイント!
『惡の華』『ハピネス』などで知られる漫画家・押見修造さんが贈る、心を抉るような恐怖作です。本作のテーマは「毒親」で、かなりリアリティのある描写が多数登場します。作画ではシンプルな線と塗りだけを用いたレトロな画風が特徴です。また、登場人物の表情がとても丁寧に描かれており、まるで映画のように目で楽しめる点も本作の魅力の一つといえるでしょう。絵の美しさに反して、物語は徐々に不穏さと不快さを増していき、怖いもの見たさで先へ先へと読み進めてしまいます。人間の恐ろしさを思い知らされる作品です。
父一郎、母静子、息子静一。。。一見平和そうな仲のよい家族。しかし何かヘンだ。特に母静子の息子への過剰なほどの愛。美しい母静子はとんでもない事件を起こしてしまう。それも息子の前で。これからの展開が気になるところで終わってしまうが何かぞっとした。何か禁断のニオイがする。「血の轍」、悪夢の予感。
4.古舘春一『詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。』奇妙な「先輩」が謎を解くロジカルホラー
あらすじ
中学生の中島真は、行方不明の親友・弥生ヒナノの手がかりを探していた。ある日、藁をもつかむ思いで怪奇事件の専門家とされる「四ッ谷先輩」のもとを訪れる。ところが、四ッ谷先輩はオリジナルの「最恐の怪談」を追求し、怪談を聞いた人の悲鳴をこよなく愛するただの変人であった。「人の不幸を面白がっているだけ」と憤慨し、一度は彼の元を去る真だが、四ッ谷先輩から聞いた怪談話により事態は思わぬ方向に動くのだった。
おすすめのポイント!
『ハイキュー!!』で知られる人気漫画家・古舘春一さんの、初連載作にしてホラー作品です。スタイリッシュな絵柄とテンポの良いストーリー、ミステリー要素多めということで、ホラーが苦手な人も楽しめます。「怪談」がテーマの作品ですが、古典的な幽霊話というわけではなく、ひとひねり加えられた面白さが魅力です。全3巻と読み切りやすいコンパクトさもおすすめポイントとなっています。『ハイキュー!!』ファンの方も、未読の方も、ぜひ本作を手に取ってみてください。
四ッ谷先輩が怪談を作る&事件の真実をあぶり出す話。まず発想が面白いし雰囲気最高だし怪談モチーフなのにキャラとして実際にお化けが出るわけではないとこもかっこいい、ジャンプ漫画にも拘らずベストなタイミングで連載終わらせてるのも素敵!あと犯人の動機が滅茶苦茶狂気的なのもいい味出してる。この漫画で一番ファンタジーなの、犯行動機ですね。
5.あずみきし『死役所』死者たちの秘められた本音に心揺さぶられる人気作
あらすじ
彼岸と此岸の狭間にある「シ役所」。そこは死者たちが天国や地獄へ行く前に訪れる場所である。ある日、いじめに遭い自殺した子供がやってくる。そのすぐ後に、いじめの主犯である子供もやってきた。自殺した子供の父親に殺されたらしい。シ役所での手続きを済ませると、いじめっ子の地獄行きが決定した。それを見た自殺した子供は、ある想いを抱くのだった。
おすすめのポイント!
この世とあの世の間にある、架空の施設「シ役所」を舞台にした物語です。現実にあった事件や事故を思わせるエピソードが登場し、ファンタジックでありながら重いリアリティも感じられます。様々な事情を抱えた死者たちの人間ドラマ、謎めいた役所職員たちの隠された過去などが描かれ、読み応えがあり引き込まれる作品です。死者たちが発する想いや言葉は、ときに切なく、ときに暴力的に読者の心を震わせることでしょう。2019年にはTOKIOの松岡昌宏さん主演でテレビドラマ化されました。
想像したものよりも面白かった。亡くなった人や殺された人や殺した人、そしてその周りの人や環境。なんとも言えないやるせないものだったり、救われるものだったり。どちらにしても、それらに死後は干渉できないんだなあと思ったり。
今回ご紹介した5作は、怖さだけでなく物語の奥深さにも定評のある作品ばかりです。ホラーが苦手な人でも楽しめるエンタメ作選なので、この夏の読書のお供に、ぜひ手に取ってみてくださいね!