心がホッとあたたかくなる感動小説10選!【前編】〜休日や寝る前のお供にもオススメ〜

こんにちは、ブクログ通信です。

心が疲れてしまったとき、読書でホッとしませんか?読めば心がポカポカになる、おすすめの感動小説を集めました。心温まってホロリと泣けるストーリーから、心が浮き立つ爽やかな物語まで、さまざまな感動が揃っています。読み終わった後には、気分がスッキリ明るくなっていることでしょう。

ブクログのみなさんから高評価を得ている作品、メディアミックスされている話題の作品、人気作家の作品を中心に集めてみました。ほのぼのとした気分になりたいとき、心に染み入る感動に浸りたいとき、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.『デトロイト美術館の奇跡』 実話をもとにした、超人気作家のアート小説

デトロイト美術館の奇跡 (新潮文庫)
原田マハさん『デトロイト美術館の奇跡 (新潮文庫)
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あらすじ

経営破綻したデトロイト市は、美術館の収蔵品を売却しようとしていた。土地や空港よりも高値で売れるからだ。そんな中、一人の美術館職員が、とある老人の言動に突き動かされ美術品を守るために立ち上がる。老人は、亡き妻が1つの作品を大切に想っていたことを語ったのだった——。実話をもとにして描かれた、アートへの愛情にあふれた感動作。

オススメのポイント!

アートに対する愛情が、読者にもたっぷりと伝わってくる作品です。デトロイト美術館の収蔵品をめぐる、地域の人々の情熱と行動が情感豊かに描き出されています。実話をもとにしているため、とても臨場感のある作品です。また、実在する美術作品を、原田マハさんならではの文章表現で味わえるのも、本作の魅力だと言えるでしょう。ボリュームはさほど多くないので、サクサク読める手軽さもオススメのポイントです。アートを巡る人々の情熱が伝わり、読後には心が熱くなるはず!

原田マハさんの作品一覧

スッと引き込まれて一気読みしてしまった。アートをめぐる登場人物全ての人の暖かさが溢れ出る素晴らしい作品である。
翻訳本かと見紛うそれは日本語が不自然だからではなく、日本語離れした英語で読んでいるようなリズムを感じさせる。それでいて人類共通の共感を呼び起こす力を持っている。

まさよしさんのレビュー

2.『ライオンのおやつ』瀬戸内海のとあるホスピスを舞台にした、輝く命の物語

ライオンのおやつ
小川糸さん『ライオンのおやつ
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あらすじ

33歳の海野雫は、末期がんで余命を宣告されている。残された日々を過ごす場所として選んだのは、瀬戸内海の島にあるホスピス「ライオンの家」だった。美しく穏やかな島の風景の中で、自分が本当にしたかったことを考える雫。ホスピスでは、日曜日になると入居者が食べたいものをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいて——。

オススメのポイント!

「理想の死」について考えさせられる、心に沁みる物語です。「死」を扱った作品ではありますが、作中の雰囲気はちっとも重苦しくなく、温かい気持ちで読み進められます。瀬戸内海に浮かぶ島の風景が、明るく爽やかに描写されている点も魅力です。ホスピスでふるまわれる「人生最後のおやつ」について、自分だったら何をリクエストするだろう、ときっと考え込んでしまうでしょう。食べること、生きること、死ぬことを、前向きな気持ちで改めて考えさせてくれる物語です。読後には、爽やかな感動で心がホカホカになります。

小川糸さんの作品一覧

美しい景色や美味しそうな食べ物の描写がたくさんあって、行ってみたいなぁ食べたいなぁと思いながら読んだ。生きるってそうやって五感を味わうことなんだろうな。記憶と五感って強く結びついていて、そういった体験が幸せを感じさせてくれるんだろうなと思った。後半は読む手が止まらなかった。『人生は一本のろうそくに似ている。自分で光を灯すことも消すこともできないけど、命をすり減らして誰かの光になっている。』というような表現があって、心に残った。全くその通りだな。光がもし消えたとしても、誰かの心の中で光り続けるんだろうなと思う。

ななさんのレビュー

3.『コンビニたそがれ堂』 不思議なコンビニを舞台にした、優しく温かい物語

コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)
村山早紀さん『コンビニたそがれ堂 (ポプラ文庫ピュアフル)
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あらすじ

風早の街のはずれには、不思議なコンビニがあるという。古い路地の、赤い鳥居が並んでいるあたり、稲穂のマークの看板が目印だ。コンビニ「たそがれ堂」——そこは、欲しいものが必ず売っている不思議で便利なお店らしい。ある秋の夕方、小学生の雄太は突如現れたコンビニにでくわした。ドアをくぐった雄太を待っていたのは、長い銀髪に金色の目をした店員で、雄太を「この界隈の有名人」だというのだが……。

オススメのポイント!

幻想的でほんわかとした、優しい物語が5篇楽しめます。「欲しいものは何でも売っているコンビニ」は、一度は行ってみたいと思わせる、なんとも魅力的なお店です。自分だったら何を買うか、想像するだけでも楽しい気分になれます。5つの物語それぞれに異なる主人公が登場するのですが、何を買うのか、なぜそれを買うのか、推理しながら読み進める楽しさも魅力です。優しく、包み込まれるような世界観と、幻想的で少し切ない物語で、読後には心がじんわりと温まる1冊だといえます。

村山早紀さんの作品一覧

元は児童書で、大人向けに手を加えられた作品。
本当に大切な探し物がある人だけに訪れることが出来る不思議なコンビニ「たそがれ堂」を廻る5つの短編集。ひとつひとつのエピソードがとても丁寧に描かれていて、優しさに溢れている作品です。解説の方も書かれていますが、大人が読むからこそ感じ入る部分があるのでしょうね。温かな光に包まれているような心地にさせてくれる作品でした。どのお話も良かったのですが、「桜の声」が特に心に残ります。

kai-souさんのレビュー

4.『木曜日にはココアを』 1杯のココアがつなぐ奇跡に、優しい気持ちになれる1冊


木曜日にはココアを (宝島社文庫)
青山美智子さん『木曜日にはココアを (宝島社文庫)
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あらすじ

川沿いの桜並木のそばにある喫茶店「マーブル・カフェ」。雇われ店長の「僕」は、木曜日の午後に必ず訪れる女性客に恋をしている。彼女は1人で来て、窓際の隅の席に座り、ココアを注文して3時間ほどカフェで過ごすのがお決まりだ。「僕」は密かに彼女のことを「ココアさん」と呼んでいる。1杯のココアから始まる、12の物語を収めた短編集。

オススメのポイント!

ココアのような、優しい甘さで心満たされる1冊です。終始ゆったりとした雰囲気が漂い、居心地の良いカフェにいるような気分を味わえる作品に仕上がっています。物語は12の短編から成っていますが、1つ1つの物語や登場人物が少しずつつながっていて、読み進めるほどに大きな1つの物語として楽しめる点も魅力です。最後の物語を読み終わったとき、きっと深い感動があなたを待っています。何度も読み返したくなる、癒し系のハートフルストーリー!

青山美智子さんの作品一覧

静かな住宅街の隅にある、「マーブルカフェ」からこのお話は始まります。
短いお話が少しずつ連なっていて、それぞれに色がつけられていて、次は誰が出てくるのかなと期待しながらページをめくりました。夢と希望と、愛情で溢れているような心温まるお話たち。心がほっこりと優しくなれます。

m.cafeさんのレビュー

5.『アンマーとぼくら』 有川浩さんが描く、ちょっと不思議な家族愛に胸が熱くなる

アンマーとぼくら
有川浩さん『アンマーとぼくら
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あらすじ

東京で働くリョウは、休暇を取って「おかあさん」が暮らす沖縄に帰ってきた。北海道生まれのリョウには、小学4年生のときに亡くした実の母親がいる。「おかあさん」は父が再婚した2番目の母だ。血のつながりはなくても、「おかあさん」はリョウを深く愛して育ててくれた。そんな「おかあさん」と3日間の沖縄観光に出かけたリョウ。義理の母と父への複雑な想いを振り返るリョウだったが、ある違和感に気づいて——。

オススメのポイント!

親子、家族、夫婦、友人、それぞれの間に流れる愛情を丁寧に描いた感動作です。沖縄本島さまざまな名所が登場し、ちょっとした旅行気分も味わえます。作者の有川浩さんは、胸キュン必至の恋愛ストーリーの名手として知られていますが、本作は家族愛を巧みに描き出している点にも注目です。主人公のリョウと一緒に、自分の子供の頃の悩みや、両親への想いを振り返ってみたくなることでしょう。作中で描かれる親子の愛、家族の愛に、胸が熱くなる物語です。

有川浩さんの作品一覧

大人になって休暇で沖縄に帰ってきた「ぼく」が、亡くなった父の再婚相手「おかあさん」と沖縄を観光しながら、自分の家族の歩みとその関係性に思いを巡らせる。どこか懐かしく、心温まる「家族」を題材にした話であるとともに、心惹かれる美しい沖縄の自然とそこに暮らす人々の生活の様子が写実的に描かれる。ハードカバーの表紙の青い海が印象的で、読み終えて表紙を見る度に胸が高鳴り、「あー、沖縄に行きたいな!」という気分です!!

Taro 1003さんのレビュー

ゆったりと過ごす休日に、寝る前の静かなひとときに、心がホッとあたたかくなる感動小説を楽しんでみてはいかがでしょうか。気分転換にもぴったりの名作ばかりなので、ぜひ手に取ってみてくださいね。