真梨幸子さんオススメ5選!~「怖いけれどハマる!」と評判の名作選~

こんにちは、ブクログ通信です。

真梨幸子さんは、2005年に『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞し、デビューしました。2008年刊行の『殺人鬼フジコの衝動』は50万部を超えるベストセラーとなり、人間の心の奥底や感情を暴き出す独自の作風から、「イヤミスの旗手」と呼ばれるほどです。2015年には『人生相談。』が、で第28回山本周五郎賞の候補作になり話題を集めました。

ブクログから、真梨さんの代表作やオススメ作を5作紹介いたします。「読みたくないのに読んでしまう」「読後にイヤな後味が残るのに、面白い」といった、真梨さんの作品ならではの味わいを堪能できる作品ばかりです。ぜひ参考にしてくださいね。

『真梨幸子(まり ゆきこ)さんの経歴を見る』

真梨幸子さんの作品一覧

1.『殺人鬼フジコの衝動』 少女は、なぜ連続殺人鬼へ変貌したのか。衝撃の著者代表作!

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
真梨幸子さん『殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)
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あらすじ

一家惨殺事件のたった1人の生き残りである、11歳の少女・フジコ。新しい土地で、新しい人生をスタートさせたフジコだったが、少しずつ人生が狂い始める——。「人生は、薔薇色のお菓子のよう」そう呟きながら、フジコは人を殺すのだった。いたいけな少女は、なぜ伝説の殺人鬼へと変貌してしまったのか……。

オススメのポイント!

フジコという女性の、破滅的な人生を描いた衝撃作です。無感動に人を殺すフジコは、一般的な人には理解できない犯罪者だといえます。しかし、真梨さんの緻密な物語構成と、臨場感あふれる心理描写により、読み進めるほどにフジコに肩入れしたくなるから不思議です。殺人を扱った物語なので、過激な描写やグロテスクなシーンが多めですが、ぜひ結末まで読み進めることをおすすめします。「イヤミス」というジャンルの醍醐味が詰まった、真梨さんの代表作をぜひ手に取ってみてください。

たぶん続編を読まないとすっきりしないところがあると思う。でもこれ一冊でも十分楽しめる。今まで自分が見てたものが全部ひっくり返るかのような仕掛け、あとゾッとする結末の結末。最後まで一気に読み耽ってしまいました。

おにわさんのレビュー

2.『孤虫症』読みたくないのに、読む手が止まらない!第32回メフィスト賞受賞作

孤虫症 (講談社文庫)
真梨幸子さん『孤虫症 (講談社文庫)
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あらすじ

高級タワーマンションで、エリートの夫と賢い娘と共に暮らす主婦・麻美。一見幸せそのものの麻美には、「週に3度、他の男とセックスする」という秘密の習慣があった。あるとき、麻美の不倫相手が原因不明の死を遂げる。死んだ男の身体には、あちこちに謎の瘤ができていた。やがて、麻美の身体にも異変が生じて……。

オススメのポイント!

刺激が欲しい人、怖いもの好きな人には、ぜひ読んでほしい作品です。物語序盤から、なんとも嫌な雰囲気が漂い、物語が進むにつれて「イヤな感じ」はどんどん濃くなっていきます。女同士の愛憎、得体のしれない死の恐怖、もつれる人間関係……と、怪しく不気味な要素がこれでもかと読者を襲います。結末に向けて驚きの事実が次々と明らかになる運びの上手さは、イヤミスの名手とされる真梨さんならではの筆力です。平和な物語に飽きてしまった人は、ぜひ一度読んでみてください。

とてもおぞましい良質な寄生虫系ホラーです。多少込み入って複雑な部分もありますが、何が起こっているか分からない不気味さを味わわせてくれて、著者デビュー作なのに見事です。

ミサイルボーイさんのレビュー

3.『人生相談。』 緻密に作り込まれた物語に翻弄されること必至!第28回山本周五郎賞候補作

人生相談。
真梨幸子さん『人生相談。
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あらすじ

大洋新聞に連載されている「よろず相談室」には、さまざまな悩み相談が寄せられる。「居候に悩まされています」「嫌なお客に困らされています」「隣人がうるさいです」——老若男女から届く、悩みの数々。一見関連性のないお悩み相談だと思われたが、実は意外な事実が隠されていた……。

オススメのポイント!

新聞のお悩み相談コーナーをテーマにした、ユニークな設定のミステリ作品です。どこにでもあるような、一見普通のお悩み相談が、驚きの展開につながっていきます。バラバラに見えた出来事が、いつの間にか1つに収束していく鮮やかな筆致に、感服させられる作品です。作中に登場する「お悩み」は、誰もが共感できるようなありふれた内容ばかりなのですが、よくよく読んでみると背筋が寒くなるような事実が隠されています。緻密で巧みな物語に、ぜひ魅了されてください。

面白かった!一気読みで読了。バラバラな人生相談が最後の話でぐっとまとまるのがすごい。もちろんそれぞれを独立した短編として読んでも面白い。真梨幸子さんは初めてだけど、もっと読みたい!という気持ちがフツフツと湧いてくるような、そんな本。短編としては「隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです」が怖くて印象的だった。

みちの助さんのレビュー

4.『みんな邪魔』少女マンガに憧れた、6人の女性の末路にゾッとする作品


みんな邪魔 (幻冬舎文庫)
真梨幸子さん『みんな邪魔 (幻冬舎文庫)
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あらすじ

舞台は、池袋のとあるフレンチレストラン。集まったのは、少女マンガ『青い瞳のジャンヌ』をこよなく愛する6人の女性たちだ。噂話と妄想で盛り上がるのが常だったが、あるメンバーが失踪したことで、バランスが狂い始める。嘘が飛び交い、姑息な罠が仕掛けられ、ついには惨殺事件へと発展してしまう。平凡な女性たちが繰り広げる、狂気の宴。

オススメのポイント!

ある作品が好きという点だけでつながった、平凡な女性たちの危うい人間関係を、赤裸々に描き出した作品です。物語の核となる6人の女性たちは、一見どこにでもいそうなごく普通の女性でありながら、さまざまな家庭問題を抱えています。きっと誰もが、6人の女性の誰かに自分を投影し、気恥ずかしさや共感を感じるはずです。しかし、読み進めるほどに彼女たちが不気味で腹黒い人間に感じられてきて、自己嫌悪にも似た感情に襲われることでしょう。真梨さんの容赦のない心理描写、ぐいぐい先を読ませる筆力に、圧倒される作品です。

女って怖い。その怖さを思い知らされる一冊。
キャラクター一人一人の設定がしっかりしているのでリアル。
しかし、あんな展開になるとは。全く先が読めなかった。
続きが気になってページをめくる手が止まらなかった。

popcherryさんのレビュー

5.『鸚鵡楼の惨劇』 半世紀にわたり繰り返す、おぞましい歴史を解き明かすミステリ

鸚鵡楼の惨劇
真梨幸子さん『鸚鵡楼の惨劇
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あらすじ

1962年、西新宿に建つ料亭「鸚鵡楼」で、殺人事件が起きる。やがて時は流れ、1991年のバブル期、鸚鵡楼の跡地には超高級マンション「ベルヴェデーレ・パロット」が建つ。そこに住む人気エッセイストの蜂塚沙保里は、ある恐怖を抱いていた。私の息子は犯罪者になるに違いない——。誰もが羨むセレブライフを送る一方で、沙保里の頭からはその考えが消えないのだった。

オススメのポイント!

西新宿を舞台に、半世紀の間に繰り返し起こる忌まわしい事件を描いたミステリ作品です。陰惨な事件、謎めく人間関係、絡まり合う思惑……謎が謎を呼ぶ展開で読みごたえがあります。ページを繰るごとに物語は加速していき、まるでジェットコースターのように一気に結末へとなだれこんでいくスリリングさを、ぜひ体験してみてください。事件の結末と犯人を知るとき、きっと誰もが驚愕し「やられた!」と思うはず。真梨さんならではの、イヤ~な雰囲気が終始漂う重厚なミステリを味わってみませんか?

一気読みしてしまうくらい面白かった。途中、ホラー小説?って思うくらい不気味だったけど。小説に出てくる殺人者って、同情はしても共感することはめったにないが、この小説の殺人者には共感した。私が同じ境遇だったら……、同じことをしてたかもね。ラストで自分が大きな誤解をしていたことに気付いて、ホロッとして、そしてまた衝撃がくる。本当に本当に面白かった。

はむのすけさんのレビュー

人間の嫌な部分やドロドロした感情を、巧みに描き出すことで知られる真梨幸子さん。恐ろしいけれど惹き込まれる真梨ワールドに、今回ご紹介した作品を通じて、ぜひ足を踏み入れてみませんか?