読者に挑戦状!どんどんハマるミステリー小説10選!【後編】〜騙される快感を味わえる傑作〜

こんにちは、ブクログ通信です。

今回は、ミステリー愛好家もどんどんハマるミステリー小説後編5作品紹介いたします。読み進むほどに謎が謎を呼び、物語の結末まで一気読みしてしまう名作ばかりを集めました。すでに人気の高い作品から、今後注目を集めそうな作品まで、幅広くご用意しています。読後には、「やられた!」と唸らされる傑作ばかりなので、ぜひチェックしてみてくださいね。

6.『その女アレックス』 まさかの結末に打ちのめされる!国内外で高評価の話題作

その女アレックス (文春文庫)
ピエール・ルメートルさん『その女アレックス (文春文庫)
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あらすじ

派遣の仕事をしていたアレックスは、仕事終わりに男に誘拐された。「おまえが死ぬのを見たい」——男はそう言って、アレックスを檻に監禁するのだった。衰弱し、死を目前にしたアレックスは脱出を試みる。一方、深夜に女性が誘拐されたという目撃情報が警察に寄せられていた。しかし、誘拐された人物が誰なのかもわからず、捜査は難航するのだった。果たしてアレックスの運命は——。

オススメのポイント!

謎とスリル、驚きの結末の三拍子が揃った、海外発の傑作ミステリーです。誘拐されたアレックスと捜査にあたる警察、両者の視点が交互に描かれ、スリリングな展開にぐいぐい惹き込まれます。この作品の見どころは、なんといってもアレックスという女性です。先を読めば読むほど、アレックスのことをもっと知りたくなることでしょう。本作は、「イギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞」を受賞しています。日本でも、「週刊文春2014年ミステリーベスト10」をはじめ、数々のランキングで堂々の1位を獲得した話題作です。

ピエール・ルメートルさんの作品一覧

主人公アレックスに惹きつけられる。話が進むにつれて、アレックスへの印象が美しかったり、不憫だったり、憎らしかったり、哀れだったり、愛おしく感じた。
読み終わった今は、アレックスが忘れられない存在になり、時折現実に存在した古い知り合いを思い出すように心に浮かぶ。何より、ここまで読者をのめり込ませるこの作品が凄い。

ちぇいみーさんのレビュー

7.『冷たい校舎の時は止まる』 校舎に閉じ込められた高校生たちの、謎と真実

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
辻村深月さん『冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
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あらすじ

主人公の辻村深月は、青南学院高校に通うごく普通の高校生だ。ある雪の日、深月はいつものように、幼馴染の鷹野と一緒に登校した。仲の良い景子や充、停学明けの菅原などが登校してくるものの、他のクラスメイトや教師は誰も姿を現さない。気がつけば、深月たち8人の生徒が学校に閉じ込められていた。5時53分から動かない時計、無人の教室、開かない扉。やがて8人はある仮説にたどり着いて……。

オススメのポイント!

『ツナグ』や『かがみの孤城』で知られる、大人気作家・辻村深月さんのデビュー作です。上下巻併せて1200ページという大作で、「第31回メフィスト賞」を受賞しました。主人公が作者と同名で、作品世界と現実がリンクしているような、不思議な世界観も本作の魅力の1つです。辻村さんならではの丁寧な心理描写で登場人物1人1人が描かれ、感情移入しながら読み進められます。ホラー要素もあり、結末に向けてドキドキが高まる、読み応えのある作品です。「月刊少年マガジン」に掲載されたマンガ版もおすすめですよ。

辻村深月さんの作品一覧

辻村深月さんのデビュー作にして、名刺代わりの一冊とのこと。そりゃ、主人公の名前が辻村深月ですもんね。青春小説としても、ミステリとしても、ちょっとしたホラーとしても、素晴らしいです。エピソードを中心にして、実に高い構成力でもって、読者を引き込むとともに、登場人物の内面を描き出しています。文章のタッチが好き。どうなるんだろうって、ずっとわくわくしながら読めます。

yangsigma1989さんのレビュー

8.『麦の海に沈む果実』 転校生が学園の謎に挑む!大人気作家の学園ミステリー

麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
恩田陸さん『麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
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あらすじ

北の地にある全寮制の学園には、とある言い伝えがあった。「3月以外の転入生は破滅をもたらす」。2月の最後の日に転入してきた理瀬は、周囲から好奇の目を向けられる。戸惑いながらも学園生活を送る理瀬の周囲で、やがて不可解な事件が起こり始めるのだった。不思議な雰囲気をまとった学園長、次々と失踪する生徒たち……。閉鎖的な学園と、理瀬の転入に隠された秘密とは——?

オススメのポイント!

恩田陸さんならではの、ファンタジックで少し恐ろしく、美しくも儚い物語です。さまざまな謎をちりばめてあり、結末に向けて少しずつ回収されていく伏線の見事さ、結末の意外さにも唸らされます。物語序盤から一気に惹き込まれ、時間を惜しんで読みたくなる魅力的な作品です。ぜひ、腰を落ち着けて、作品世界を堪能しながらじっくり読むことをおすすめします。学園モノが好きな人、ファンタジーが好きな人にも、きっと気に入ってもらえるミステリー作品です。

恩田陸さんの作品一覧

大好きです。ここまで作り込まれた世界観に畏怖の念すらおぼえます。読んでいるとき自分もその場面場面に入り込みすぎて、現実になかなか戻ってこれなかった。見たこともない景色なのに、なぜか上手く頭に描くことができて、不思議なお話でした。

ありさんのレビュー

9.『風の影』 本好きの心を刺激する、スペイン発の極上ミステリー作品


風の影 上 (集英社文庫)
カルロス・ルイス・サフォンさん『風の影 上 (集英社文庫)
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あらすじ

1945年のバルセロナで、父親に連れられて「忘れられた本の墓場」を訪れた少年ダニエル。そこで出逢ったのは、『風の影』という1冊の本だった。『風の影』に夢中になったダニエルは、作者のフリアン・カラックスについて調べ始める。無名の作者で謎が多く、その作品はほとんど売れないのだという。しかも、謎の人物がフリアン・カラックスの作品を買い取り、焼却しているらしい……。

オススメのポイント!

本が好きな人なら、誰もが「人生を変える1冊」に憧れるのではないでしょうか?この作品は、「人生を変える1冊」をめぐる、壮大で幻想的な物語です。本を読む楽しさ、運命の本と出会う喜び、作品や作者について知りたいという欲求……ブクログユーザーのみなさんなら、きっとダニエルに共感してしまうことでしょう。本をめぐる冒険、次々に現れる謎、ダニエルの恋と人生が、時代背景やバルセロナの歴史を絡めて巧みに描き出されます。物語が進むほどに異なる表情を見せる、多彩な魅力にあふれた作品です。

カルロス・ルイス・サフォンさんの作品一覧

過去と今が平行線になっていて主人公の身に起きることを読み手が嫌でも想像させられてドキドキしてしまう。しかも登場人物たちがすごく生き生きしてて、引き込まれてしまう。ところどころに不吉な描写がちりばめられてて、ぞわっとしてしまう。

かなこさんのレビュー

10.『ハサミ男』 巧妙に隠された「罠」に、きっとあなたも騙される

ハサミ男 (講談社文庫)
殊能将之さん『ハサミ男 (講談社文庫)
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あらすじ

美女を殺害し、その首に研ぎあげたハサミを突き立てる連続殺人鬼「ハサミ男」。3人目の犠牲者を選んだハサミ男が目にしたのは、すでに殺害された「彼女」の死体だった。その首には、銀色に光るハサミが突き立てられていた。殺すはずの少女を殺され戸惑うハサミ男だが、世話になっている医師のすすめで、模倣犯を追うことにした。連続殺人犯と模倣犯の対決が、幕を開ける——。

オススメのポイント!

連続殺人犯が殺人犯を追うという、斬新な設定が魅力の作品です。緻密に計算された物語構成、無駄のない文章、巧みに張られた伏線が素晴らしく、次へ次へと読み急いでしまうこと必至!事件の真相、犯人や動悸について、どんなに慎重に推理しても、きっと騙されてしまうことでしょう。物語のクライマックスでは、さまざまな感情が押し寄せ、勢いのあるまま意外な結末へと向かう傑作です。作中では多少残酷な描写が含まれますが、それ以上にミステリとしての面白さを堪能できる作品なので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

殊能将之さんの作品一覧

やっぱり有名な本はそれだけ面白い作品なんだと痛感しました。どんでん返しとラストの不条理がミステリ好きの私には最高でした。テンポが良く、ユーモアある人物同士の会話にも注目です。

檸檬さんのレビュー

今回は、読者を翻弄し、読者の予想を良い意味で裏切る傑作ミステリを厳選してご紹介しました。騙される快感を思う存分に味わえる名作ばかりなので、ぜひ本選びの参考にしてみてくださいね!前編はこちら!