秋におすすめ!心まで満たされる料理マンガ10選【後編】

こんにちは、ブクログ通信です。

食は生きるうえで切っても切れないもののひとつです。毎日かならず訪れる食事が、もっと楽しくなるような料理マンガを10作品集めました。食を通して築かれる絆や心理描写など、人間模様も楽しめる作品ばかりになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

6.久住昌之『孤独のグルメ』独りであることは静かで豊か

孤独のグルメ (扶桑社文庫)
久住昌之『孤独のグルメ (扶桑社文庫)
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あらすじ

孤高で自由な生き方をモットーに、輸入雑貨商を営む井之頭五郎は、独り身を謳歌していた。街角の定食屋で、ラーメン屋で、五郎はひたすら食べる。空腹を満たすという行為を通して、五郎は誰にも邪魔されず、社会や時間にとらわれない「自由」を感じる。孤独に食事を愉しむというのは、孤高の行為なのだ。また同時に、食は「癒し」でもある。シリーズ累計発行部数150万部突破のハードボイルド・グルメマンガ。

おすすめのポイント!

各国で翻訳されている本作は、イタリアでも10万部以上の売上が出るなど、世界でも高評価を得ています。五郎の食事シーンと心理描写を軸に描かれた作品ですが、作画を担当する谷口ジローさんの死去により、久住さんは新作は出ないと言い切っているそう。作品全体に流れる独特の雰囲気を味わいたい方は、何度も読みなおしてみるのも良さそうですね。2012年、テレビドラマ化。2015年には台湾でもウェブドラマ化しています。

久住昌之さんの作品一覧

情報化社会で、美味しいとわかってる百名店ばかりに行ってる私にとって、フラッとその街のお店に入るこの本はとっても憧れる。美味しくないかもしれないって思ってしまって嫌厭しちゃうけど、今度はフラッとお店に入ってみようと思う。

らおーさんのレビュー

7.雨隠ギド『甘々と稲妻』料理音痴のパパ、奮闘!

甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)
雨隠ギド『甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)
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あらすじ

半年前に妻を亡くし、幼稚園に通う娘・つむぎをひとりで育てる数学教師の犬塚公平。小食で味音痴な公平は、料理が苦手でいつもコンビニ弁当や外食に頼っていた。ある日、つむぎを連れてお花見に出かけると、そこにいたのは教え子の女子高生・飯田小鳥であった。小鳥との出会いを経て、公平はつむぎにおいしいご飯を食べさせてやりたいと感じるように。ひょんなことから三人は、定期的に料理を作り、ともに味わう仲になっていった。

おすすめのポイント!

月刊「good!アフタヌーン」誌上で連載当初から話題沸騰の本作は、『このマンガがすごい!2014』オトコ編にもランクインした人気作です。料理のできないシングルファザー・公平が娘のために一生懸命になる姿が美しく、また、つむぎのかわいらしさにはメロメロになってしまいます。プロの料理人が作る美食ではありませんが、料理は心であるということを強く感じさせられるハートウォーミングな作品です。

雨隠ギドさんの作品一覧

料理とホームドラマの漫画なのですが、とにかくつむぎちゃんがかわいい‼不器用ながらもつむぎちゃんのために必死になるお父さんもいい。頑張れ。

komachi31さんのレビュー

8.信濃川日出雄『山と食欲と私』アウトドア飯が食べたくなる!

山と食欲と私 1 (BUNCH COMICS)
信濃川日出雄『山と食欲と私 1 (BUNCH COMICS)
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あらすじ

「山ガール」と呼ばれるのを嫌う日々野鮎美は、単独登山を趣味に持つ27歳の会社員だ。食材をリュックに詰め、一人、山を登る鮎美は、山頂に着くと食事をする。登山のキツさ、靴を脱いだ瞬間の軽さ、下山の気だるさといった登山者あるあるや、会社での人間模様や悩みなどのアラサー女子あるあるを丁寧に描き出していく。「そこに山があるから」を地でいく鮎美を、今日も山が呼んでいる。

おすすめのポイント!

簡単でおいしそう!と思わせてくれる山ご飯が、本書の最大の魅力です。本書をきっかけに、山ご飯の幸せをもっとたくさんの人にと、日本記念日協会を通し、8月5日が「山ご飯の日」として制定されました。作中では実在の山やアウトドアグッズが取りあげられていますので、登山してみたいけどとっかかりがないという方にもオススメです。登山熱をあげたい、雰囲気だけでも味わいたいという方にもピッタリでしょう。

信濃川日出雄さんの作品一覧

山ごはんパートと物語パートのバランスが良く、一番大事な調理&食事描写が良い。主人公もキャラがキツすぎず万人に好かれるタイプで良い。数少ない、集めて読み返す価値のある漫画。

南青山さんのレビュー

9.佐伯俊『食戟のソーマ』想いは味で語れ!

食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)
佐伯俊『食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)
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あらすじ

下町の定食屋の息子・幸平創真は、目標である料理人の父・城一郎を超えるため、家業を手伝う傍ら、修行に励んでいた。中学卒業後は家業を継ぎたいと考えていた創真だが、城一郎は突然、数年店を閉めて海外へ行くと宣言する。路頭に迷った創真は、城一郎の命により、超名門の料理学校である遠月学園に入学することに。しかし、学園の実力者であり審査員を務める薙切えりなから、不合格を下され——。

おすすめのポイント!

学園もの、かつお色気要素も多少ありますが、料理研究家の森崎友紀さんが協力されており、本格的な料理マンガになっています。どちらの料理がより、舌を唸らせることができるか、食戟と呼ばれる料理対決を通して、創真とその仲間たちが活躍する物語です。美食界の重鎮にも通用するような料理から、今日すぐに試せる下町の味まで、さまざまな料理を堪能することができるでしょう。レシピが掲載されているのも魅力です。

佐伯俊さんの作品一覧

ジャンプで連載していた料理漫画です。料理というジャンルに友情努力勝利を掛け合わすことができているのがすごいと思います。序盤の方の料理はとてもおいしそうで、しかも比較的簡単に作れそうなので実際に作りたくなるほどです。

たくーまさんのレビュー

10.安倍夜郎『深夜食堂』新宿の路地裏を覗けば

深夜食堂 (1) (ビッグコミックススペシャル)
安倍夜郎『深夜食堂 (1) (ビッグコミックススペシャル)
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あらすじ

新宿・花園の歓楽街の裏路地には、「めしや」とだけ書かれたのれんの下がる店がある。深夜0時から朝の7時までが営業時間のこの店は、常連客から親しみをこめて「深夜食堂」と呼ばれていた。メニューにはビール、酒、焼酎と豚汁定食しかないものの、作れるものは何でも作る、風変わりでコワモテなマスターが営んでいる。あらゆる世界で生きる一筋縄ではいかない客とマスターの交流が描かれる人情マンガ。

おすすめのポイント!

高級食材や手のかかった料理よりも、赤いウインナーや昨日のカレーが食べたくなるとき、ありませんか。どこか懐かしい味に巡りあえるのが本作の魅力です。境遇はさまざまでも、今、この店内で同じ高さのカウンターに肩を並べている常連客たちが、良い意味で人間くさく、読んでいてほろりと涙が出たという方も。2009年から始まったドラマシリーズでは、小林薫さん演じるマスターが渋く、海外でも人気を博しています。

安倍夜郎さんの作品一覧

傷が目立つ強面のマスターがお客のリクエストに応じて作る料理から生まれるドラマを描いた作品。カレーは1日置きが良いみたいな口説き文句を吐ける大人になりたいものだ。

ホトケさんのレビュー

まかない飯、一人飯、山ご飯など、さまざまな切り口からグルメを扱ったマンガを紹介いたしました。掲載されているレシピを実践すれば、読書も実りも楽しめる、一石二鳥の秋を過ごせそうです。前編はこちら!