【2020年上半期】文庫版ミステリーおすすめ10選!前編~人気の著者新作からメディア化作品まで~

こんにちは、ブクログ通信です。

2020年上半期には、人気作家さんの新作から今話題の注目作までさまざまなミステリー小説が出版されました。そこで、特におすすめの作品を前編5作品・後編5作品でご紹介いたします。長編小説から短編集まで幅広く取り揃えました。

「今日は何を読もうかな」と思ったとき、「インパクトのあるミステリーを読みたい」と思ったとき、ぜひ手に取ってみてほしい作品ばかりです。2020年上半期を代表する名作の数々、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.『ホワイトラビット』 一気読み必至!伊坂幸太郎さんのクライム・ストーリー

ホワイトラビット (新潮文庫)
伊坂幸太郎さん『ホワイトラビット (新潮文庫)
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あらすじ

物語の舞台は仙台。とある一軒家で人質立てこもり事件が発生した。名付けて、「白兎事件」。泥棒、悪人、警察、特殊部隊。それぞれの視点と思惑が入り交じり、事件は目くるめく展開へ——。事件発生から収束まで加速していく、ノンストップ・ミステリー。

オススメのポイント!

伊坂さんならではの疾走感ある物語展開にぐいぐい惹き込まれる作品です。登場する人物がひとクセもふたクセもあり、伊坂ワールド全開の作品となっています。多くの登場人物がそれぞれの思惑で動き回り読者は振り回されますが、結末に向けて一気に話がまとまっていく爽快感はぜひ体験してほしい巧みさです。伊坂作品でおなじみの人気キャラクターも登場します。伊坂作品ファンはもちろん、作品をまだ読んだことがない人にもおすすめの作品です。

伊坂幸太郎さんの作品一覧

立てこもり事件を複数の人物の視点、時間軸で描きながら真相に迫っていく…騙されました。そして読後は全て納得の爽快感!メタ発言ありの独特の語りもちょうど良いスパイスで興味を引かれながら読むことができました。

yuks4896さんのレビュー

2.『マイ・ディア・ポリスマン』小路幸也さんの新シリーズ第1作目!

マイ・ディア・ポリスマン (祥伝社文庫)
小路幸也さん『マイ・ディア・ポリスマン (祥伝社文庫)
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あらすじ

<東楽観寺前交番>に赴任した宇田巡は童顔ながらもカンは超一流。幼馴染の行成は強面だけど副住職で相手の腹の内を読めるという特技がある。そんな2人の前に現れたのは、電柱の陰からこちらを見つめるかわいい女子高生だった——。ちょっと不思議な力を持つ、ちょっと変わった3人のハートフルミステリーが開幕。

オススメのポイント!

お巡りさん、副住職、女子高生といった一見ちぐはぐな3人の織りなす、心温まるミステリーです。小路幸也さんが得意とする人情味あふれる世界観の作品で、ゆったりと読み進められます。凶悪事件や極悪人は登場しないので、のんびりしたい日の読書にもおすすめです。シリーズ第1作ということで、今後の続刊も楽しみな作品だといえます。

小路幸也さんの作品一覧

小学生の一時期を過ごした寺の門前にある交番に配属された童顔の宇田巡。幼馴染で副住職の行成と話していた時に現れた女子高生二人が漫画の取材として写真を撮り帰った後に現れた財布。ここから始まるちょっと不思議な力を持った人達の話。狭い地域の話ながら、人間関係と人物設定が面白い。

m-tさんのレビュー

3.『冬雷』 人間の「業」に翻弄される青年を描いた、第1回未来屋小説大賞受賞作!

冬雷 (創元推理文庫)
遠田潤子さん『冬雷 (創元推理文庫)
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あらすじ

大阪で鷹匠として働く夏目代助の元に、ある知らせが届く。それは12年前に行方不明になった弟・翔一郎が遺体となって発見されたというものだった。弟の失踪が原因で、家族も恋人も居場所を失った代助。葬儀に出るために故郷へ戻った代助は、周囲からの冷たい仕打ちに耐えながら事件の真相を探るのだが——。著者渾身の、長編ミステリー。

オススメのポイント!

正統派ミステリーを書くことに定評のある作者・遠田潤子さんによる長編ミステリー作品です。物語は、古い因習に縛られた小さな町で起こります。暗く謎めいた事件をめぐる読み応えのある展開に、ページをめくる手が止まらなくなること必至。作中で効果的に描かれる鷹の姿も魅力的です。骨太なミステリーを読みたい人におすすめの一冊!第1回未来屋小説大賞を受賞しています。

遠田潤子さんの作品一覧

 ベースにあるのはやはり贖罪。でも本作は、他とは少し趣を異にしていて、ミステリ色が強い印象。そしてそれは、自分的には好もしい系統。謎解きモノとしても、結構趣向が凝らされたものになっている。最後、唐突にファンタジーの世界が現実化したのには面食らったけど、クライマックスまで含めて、かなり楽しめた一作でした。

dai-4さんのレビュー

4.『運命の八分休符』 素人探偵と女性たちが織りなすロマンティック・ミステリー


運命の八分休符 (創元推理文庫)
連城三紀彦さん『運命の八分休符 (創元推理文庫)
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あらすじ

軍平は困っている人を見ると放っておけない心優しい青年だ。お人好しの性格で、度々事件に巻き込まれては素人探偵として奔走するはめになっている。ある日、軍平は殺人容疑をかけられたモデルを救うため、鉄壁のアリバイ崩しに挑むことになるが——。切ない恋のすれ違いと鮮やかな謎解きの手腕が絡み合う、表題作はじめ5編を収めた連作推理短編集。

オススメのポイント!

心優しくもちょっと気弱でパッとしない青年・軍平と5人の女性たちとの物語を収めた一冊です。巧みなミステリー作品でありながら、恋愛物語としても楽しめます。登場人物たちの心の機微が丁寧に描かれ、切なくなったり愛おしくなったり、心の深くを揺らしてくる名作ばかりです。ちょっとロマンチックなミステリー作品を読みたいときにどうぞ!

連城三紀彦さんの作品一覧

探偵役の主人公・軍平が出会う五人の女性を巡る連作短編集。裏帯の【あざやかな反転】というフレーズ通りにキレのあるミステリーだが、捻りのあるトリックさえあれば他の要素は只のオマケと言わんばかりのパズラー小説とは一線を画す人間ドラマがそこにある。不格好で不器用だが心根の深い軍平のキャラクター、各々の寂しさを纏う五人のヒロイン。そして、軍平と彼女たちの儚い恋。麗しい日本語で紡がれるロマンティックな恋のすれ違いに感嘆するばかり。

シキモリさんのレビュー

5.『ゴーストハント1 旧校舎怪談』 コミック化もされた、小野不由美さんの大人気シリーズ第1作

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)
小野不由美さん『ゴーストハント1 旧校舎怪談 (角川文庫)
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あらすじ

麻衣の通う高校には、怖い噂の絶えない旧校舎がある。地縛霊がいて取り壊せない、壊そうとすると祟られる……旧校舎にまつわる奇怪な噂は本当なのか。ある日、心霊現象の調査所「渋谷サイキックリサーチ」が旧校舎の調査にやってきた。麻衣はひょんなことから調査を手伝うことになる。所長で17歳の美少年・渋谷一也、通称ナルをはじめ、調査所の面々はクセの強い人間ばかりで——。小野不由美さんの代表作として知られる大人気シリーズ第1作!

オススメのポイント!

ミステリーとホラー、どちらの魅力も楽しめる作品です。小野不由美さんならではの鬼気迫る情景描写、細やかな感情表現により、まるで主人公と一緒に旧校舎を探検しているかのような気分を味わえます。少しずつ明らかになる旧校舎の謎、麻衣たちを襲う怪異の真実……。読み進めるほどに面白くなるので、休憩時間や仕事の合間などには読まない方がいいかもしれません。1998年にコミック化、2006年にアニメ化されています。

小野不由美さんの作品一覧

怖い…… けど …… 面白い
麻衣ちゃんの心の声が随所にはさまり、そのテンポが心地よい。個性的な面々のそれぞれにピッタリな言動にはまってしまう。
読むのを止められない。久しぶりに一気読みしてしまった。

kitarouchanさんのレビュー

2020年上半期は、読み応えのあるミステリーや人気作家の新作などが多く登場しました。文庫化して手に取りやすくなった人気作品も多数あるので、通勤や通学のお供にしてみてはいかがでしょうか。後編5作品もお楽しみに!