【後編】警察小説おすすめ10選!~一気読み必至の名作選〜

こんにちは、ブクログ通信です。

前編に引き続き、今回はおすすめ「警察小説」の後編5作をご紹介します。スリリングな推理ものからハートフルな日常ものまで、前編に負けず劣らずの物語を集めました!ぜひ、本棚登録してみてくださいね。

6.西條奈加『秋葉原先留交番ゆうれい付き』凸凹警官と幽霊の人情ミステリー

秋葉原先留交番ゆうれい付き
西條奈加『秋葉原先留交番ゆうれい付き
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あらすじ

秋葉原の一角にある、「さきどまり」という不吉な名前の交番。そこには、東大出でアニメおたくの権田と、社交性が高いイケメンの向谷という2人の警官が勤めている。ある日、トラブルメーカーの向谷が女性を連れてやって来た。彼女の名は「足子さん」。実はその女性は、「足だけ」の幽霊だったのだ。ネオン輝く電気街で巻き起こる、人情ミステリー短編集。

おすすめのポイント!

金春屋ゴメス』『まるまるの毬』などでおなじみの、西條奈加さんによる警察小説です。「重すぎない警察小説が読みたい」「明るい話が好き」といった方には、こちらの作品をおすすめします。秋葉原を舞台に、見た目も性格も正反対な2人の警察官が奔走するお話です。凸凹コンビのバディもので、時に笑えて時にほろりとさせる、人情味あふれる警察小説を楽しめます。西條さん作品ならではといえる、登場人物のかなりクセのあるキャラクターも見どころの一つです。ライトな読み心地なので、リラックスタイムの読書にどうぞ!

西條奈加さんの作品一覧

ゆうれいの季穂の意思が通じてホッとした。伝えたいことがあるのに伝えられないのはストレスに違いない。向谷くんのような特殊な能力を持つ人と出会えて良かったわぁ。

ぴょんさんのレビュー

7.大倉崇裕『小鳥を愛した容疑者』警察×ペット!ドラマ版も必見の人気小説

小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)
大倉崇裕『小鳥を愛した容疑者 (講談社文庫)
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あらすじ

警視庁捜査一課の鬼警部補として知られる須藤友三は、銃撃を受け負傷したため、リハビリを兼ねて転属となった。行先は警視庁総務部総務課”動植物管理係”。容疑者が飼っているペットを保護するのが仕事だ。須藤を待っていたのは、新米巡査の薄圭子。人間よりも動物を愛する薄と敏腕刑事の須藤の異色コンビが、動物をめぐるさまざまな難事件に挑む——。

おすすめのポイント!

「警視庁いきもの係」シリーズ第1作で、動物の生態をもとに事件解決に挑むミステリー小説です。マイナーな動物の飼育方法なども丁寧に描写されており、「動物もの」としても楽しめます。動物好きにはたまらない一冊であり、ペットを飼っていない人も動物を飼いたいくなること間違いなし!ほっこりした雰囲気の作品ですが、事件や推理の描写は本格的で、甘すぎない読後感となっています。2017年にテレビドラマ化され、渡部篤郎さんと橋本環奈さんがメインキャストを務めたことでも話題となりました。

大倉崇裕さんの作品一覧

警視庁いきもの係は、TVドラマを見たのが出会いのきっかけでした。コミカルなドラマと思いきや、事件解決の過程が楽しかったのを覚えていて本を手に取りました。日本語が下手な動物博士が何故か警察官と言う設定も面白いですが、戦線離脱した敏腕刑事との掛け合いがつい笑ってしまう場面が多々あるのも楽しさの要素だと思います。シリーズものですので、次を読むのが楽しみです。

53きれこんぶさんのレビュー

8.陳浩基『13・67』香港警察を舞台にした社会派ハードボイルド作品集

13・67
陳浩基『13・67
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あらすじ

香港警察の警視クワンは、生ける伝説として知られている。抜群の推理力ゆえ「名探偵」と呼ばれることもしばしばだ。そんなクワンが1967年から2013年の間に関わったいくつかの難事件を、現在から過去へ遡る。大富豪強盗殺人事件の謎に迫る『黒と白の間の真実』、凶悪犯と警官の撃ち合いに隠されたとてつもない真実を暴く『テミスの天秤』など、6編を収めた連作中編集。

おすすめのポイント!

香港ミステリー界の新鋭として注目されている作家・陳浩基(ちんこうき)さんの社会派ミステリー作品集です。香港を舞台に、クワンという一人の警察官の人生を、時代を遡りながら語り連ねています。クワンの魅力的なキャラクター、一筋縄ではいかない謎、読者の予想を良い意味で裏切る展開など、見どころがたくさんある一冊です。スリリングな警察小説としても楽しめますし、スカッとする本格ミステリーとしても読めます。また、香港の歴史や文化を味わう社会派小説としても注目度の高い作品です。

陳浩基さんの作品一覧

なんとなく寄った本屋さんに平積みしてあって、なんとなく手にとって、『ふーん。おもしろそうだな』と思いつつも買わずに帰った。それからなんとなく引っかかって忘れられず、近所の小さな本屋さんに注文して購入したという経緯がある。要するにおもしろそうと思ったものの、舐めていたのだ。ここまで衝撃を受けるとは思わなかった。一話完結であるはずが、最後に『!?』となるのだ。元々語彙力が乏しい上にそんな思いをさせられたら、そりゃ言葉を失うのも当然。結末もさることながら、一話一話のロジックの緻密さにどんどん読みが進む。なんとも凄い本だ。本当におもしろい。

hacoさんのレビュー

9.ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』安楽椅子探偵、登場!

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)
ジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター 上 (文春文庫)
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あらすじ

空港からタクシーに乗った男女が忽然と姿を消した。その後、生き埋めにされた男性の遺体が発見された。地面に突き出された薬指の肉はそぎ落とされ、女ものの指輪が光っていたという。女性はどこに——?ニューヨーク市警は、とある人物に捜査協力を依頼した。その名はリンカーン・ライム。事故で脊椎を損傷し四肢が麻痺しているが、科学捜査の天才だ。ニューヨークを舞台に、殺人鬼と名探偵ライムの対決が始まる——。

おすすめのポイント!

「どんでん返しの魔術師」と名高いジェフリー・ディーヴァーさんの名作シリーズ第1作です。全身不随の探偵という、かつてない斬新な設定が見どころです。自分では動くことすらできないライムが、どのようにして凶悪な殺人鬼を追い詰めていくのか、ぜひ読んで確かめてみてください。1999年につくられた映画版では、名優デンゼル・ワシントンとアンジェリーナ・ジョリーが主演を務めました。プロットの巧みさが光る小説版、スリリングな演出が魅力の映画版、どちらも必見です。

ジェフリー・ディーヴァーさんの作品一覧

繰り広げられるライムと犯人の知恵比べ!ライムが犯人を上回る好機が訪れたかに見えた直後、アメリアの倫理観やFBIの登場のおかげで犯人の一人勝ちか?さて、下巻でどうなるんですかねー。

yaokumaさんのレビュー

10.薬丸岳『刑事のまなざし』1人の警官の姿に考えさせられる感動の短編集

刑事のまなざし (講談社文庫)
薬丸岳『刑事のまなざし (講談社文庫)
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あらすじ

刑事の夏目信人は、元法務技官にして30歳で警察官に転身したという異色の経歴の持ち主だ。きっかけは、幼い娘が通り魔に襲われ植物状態になったこと。「ぼくにとっては捜査はいつも苦しいものです」——いつも物腰柔らかな夏目は、温かく、時に厳しく犯罪者と向き合う。とある目的を果たすため、夏目は今日も事件解決に全力を尽くすのだった。7つの物語を収めた連作短編集。

おすすめのポイント!

繊細な心情描写に定評のある作家・薬丸岳さんによる警察小説です。複雑な事情を抱える刑事・夏目と、夏目が関わっていく犯罪者たちとの人間ドラマが描かれています。本作を読むと、「正義とは何か」「犯罪者を罰するとはどういうことか」といったことを考えさせられます。刑事小説の醍醐味ともいえる「犯人逮捕にかける警察の執念」が、温かく静かな熱意として描かれている点にもご注目ください。読み進めるほどに、胸に迫る物語です。2013年には椎名桔平さん主演でテレビドラマ化され好評を博しました。

薬丸岳さんの作品一覧

主人公は刑事だが、事件の関係者である第三者の視点で語られる。ひとつひとつのストーリーが面白く、読み応えのある連作短編集だった。遠くから正しい事を言うのは簡単だ。どれだけの理由があろうとも罪を犯すのは悪い事。ただ、そこに至るまでの経緯に向き合い、その背景にある関係性、抱えている痛みや葛藤、理不尽な想いに寄り添ってあげられるか。罰して終わりではなく、犯してしまった罪とどのように向き合っていくか、償っていくか。本当の意味での償いとはどのようなものなのか。それらを誠意を持ってとことん向き合う事で心を溶かしていく事が大切なんだと思う。

れいちぇるさんのレビュー


以上、ドキドキハラハラ、たまにほっこり……の警察小説10選をご紹介しました!心を揺さぶる傑作ばかりなので、ぜひ読んでみてくださいね!
前編はこちら!