梅雨にぴったりなタイトルに「雨」のつく小説5選!

こんにちは、ブクログ通信です。

6月といえば梅雨の時期ですね。雨が続くと憂鬱になることもあるかもしれませんが、そんな時こそ、読書で気分転換してみてはいかがでしょうか?

今回は、梅雨の時期にぴったりなタイトルに「」のつくおすすめ小説をご紹介いたします!
気になった作品がありましたら、ぜひ本棚登録してみてくださいね。

1.宇山佳佑『この恋は世界でいちばん美しい雨』(集英社文庫)

この恋は世界でいちばん美しい雨 (集英社文庫)
宇山佳佑『この恋は世界でいちばん美しい雨 (集英社文庫)
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あらすじ

雨をきっかけに恋に落ち、鎌倉で同棲生活を送る建築家の誠とカフェ勤務の日菜は、ある雨の日にバイク事故で重傷を負ってしまう。目を覚ますと、彼らの前に”案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れた。すると誠と日菜は、二人合わせて20年の余命を授かり、生き返ることができた。しかしそれは、二人が互いの命を奪い合うことを意味しており……。

おすすめのポイント!

人気ドラマの脚本家にして、『桜のような僕の恋人』など小説家としても活躍する宇山佳佑さんの作品です。「雨」にある思い入れを持つという宇山さんが、本作ではその「雨」をテーマに、過酷な運命を背負ったカップルの切ない純愛を描きました。単なるラブストーリーに止まらないファンタジックな展開と、映像が浮かんでくるような情緒ある文体が物語に引き込み、読書初心者の方もサクサク読めてしまえます。少ししんみりとした雨の日には、より作品の雰囲気が楽しめますよ。

宇山佳佑さんの作品一覧

読書でこんなに号泣したのは初めてでした。お互いを思う気持ち、読んでてとても辛かったです。夢を叶える以上に大切な人を幸せにする、生きてもらう強い気持ちに涙しました。

Rincoさんのレビュー

2.馳星周『雨降る森の犬』(集英社文庫)

雨降る森の犬 (集英社文庫)
馳星周『雨降る森の犬 (集英社文庫)
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あらすじ

9歳で父を亡くした中学生の雨音は、新たに恋人を作った母親を嫌っていた。学校にも行かなくなり、伯父・道夫のもとに身を寄せることになった天音は、隣に住む高校生・正樹と仲良くなり、正樹と行く登山に楽しさを覚えていく。そんな二人のそばにはいつも、心を癒す自然や愛犬・ワルテルの姿があった——。

おすすめのポイント!

少年と犬』で直木賞を受賞した馳星周さんですが、本作でも人間と犬の触れ合いをテーマに、心に傷を負った少女の成長物語を描きました。大自然での登山の楽しさに触れ、同じく悩みを抱える少年や大型犬のワルテルと時間を共有する中で、次第に前を向いてゆく少女の心情の変化が、瑞々しい情景描写と心温まる文体で丁寧に表現されています。馳さんの犬に対する愛情がひしひしと伝わってくるような作品ですので、動物好きの方はぜひ手に取ってみてください。

馳星周さんの作品一覧

馳星周といえば不夜城のイメージしかなかったわけで、うっかりすっかり泣かされたし、バーニーズマウンテンドッグのワルテルがハンサムだ。雨音という少女の成長物語で、正樹の自立の物語で、家族の物語で、わんこの物語。要素盛りだくさんなのに、引き込まれるように一気読みした。親と折り合いの悪い子どもは山ほどいるかもしれない。逃げまわっていても何も解決しない。立ち向かう勇気だけあってもダメで、絶対的な味方と中立かつ信頼できる大人の存在が大切なんだなとも思った。命には限りがあるし、だから美しいし、愛おしい。とも思った。

あるふぁさんのレビュー

3.寺地はるな『雨夜の星たち』

雨夜の星たち (文芸書)
寺地はるな『雨夜の星たち (文芸書)
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あらすじ

他人に感情移入できない26歳・三葉雨音は、同僚の退職を機に仕事を辞めた。その後、他人に感情移入できないという特徴から「お見舞い代行業」にスカウトされた三葉は、移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用の「しごと」をはじめることとなり——。

おすすめのポイント!

本作では「他人に感情移入できない」主人公が、その性格を活かして気苦労の多い「しごと」を淡々とこなしてゆく姿が描かれています。タイトルの「雨空の星たち」には、空気を読むことが良しとされる世の中で、「目には見えない空気」を読まない選択肢もあるという、寺地さんのメッセージが込められています。「めんどうな人」と思いつつも、主人公の生き方はどこか羨ましくも思えてしまうことでしょう。寺地さんのその他おすすめ作は、こちらの記事を要チェック!

寺地はるなさんの作品一覧

私たちは子どもの頃からずっと、相手の立場に立ってとか、人の気持ちを考えてとか言われ続けてきたけれど、他人の気持ちどころか自分の気持ちに向き合ってきたことがどれほどあっただろうか。自分の気持ちを蔑ろにして空気を読み、その場をやり過ごすことにどれほどの意味があるのか。さびしさも後悔も自分の一部として淡々と生きる、まだ若い三葉に、これから先の道をうっすら案内してもらえた気がした。

なおたんさんのレビュー

4.相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない』(集英社文庫)

雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)
相沢沙呼『雨の降る日は学校に行かない (集英社文庫)
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あらすじ

学校生活が息苦しいと感じる女子中学生の憂鬱や、かすかな希望を描き出す6つの物語。 あなたは一人きりじゃない。心に寄り添う連作短編集。

おすすめのポイント!

ミステリー作家としても知られる相沢沙呼さんの作品です。本作では、複雑な心境を抱える少女たちの何気ない日常が、6つの短編で綴られています。保健室登校、スクールカースト、見た目問題、いじめなど、多感な中学生ならではの学校生活の「生きづらさ」が、相沢さんの繊細な筆致でリアルに映し出されています。現役の学生さんだけでなく、彼らと同じような青春を生きた大人の方も共感できる内容ですので、読めば思わず感情移入してしまうことでしょう。

相沢沙呼さんの作品一覧

仄暗い空気感が雨が降っている時のどんよりとした雰囲気と似ていて話の最後にほんのりと雲の隙間から出てくる微かな光明といった雰囲気が感じられ応援したくなる所が良かった。

晴也さんのレビュー

5.江國香織『雨はコーラがのめない』(新潮文庫)

雨はコーラがのめない (新潮文庫)
江國香織『雨はコーラがのめない (新潮文庫)
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あらすじ

はじめて雨に会った日は、凍えそうに寒い12月の雨の日だった。アメリカン・コッカスパニエルの雨と私は、いつも一緒に音楽を聞いたり、散歩に行ったり、おもちゃで遊んだりしている。甘えたがりの愛犬との特別な日常の物語。

おすすめのポイント!

著者・江國香織さんと、江國さんの愛犬・雨くんの何気ない日々を綴ったエッセイ集です。甘えん坊で、濃い栗色のくるくるカール毛の雨くんは、お散歩に行くと枯れ葉やらが毛にくっついてしまうのだそう。本作で江國さんは、そんな愛らしい雨くんとの日常や、普段雨くんと一緒に聴いている音楽について語っています。洋楽をはじめ、かなりの音楽通である江國さんならではの豊かな表現力が、読者の想像力を掻き立てます。ペットとの生活に憧れてしまう一冊です。

江國香織さんの作品一覧

アメリカンコッカースパニエルの「雨」との暮らしと、音楽について綴ったエッセイ。雨との暮らしは、その名のように柔らかい雨に包まれているような静かで温かいものなんだろうな…と思う。作中に出てくる音楽は知らないものが多いが、不思議と自分自身の音楽との思い出と筆者の思い出が重なるような心地がして、一遍一遍をそっと抱きしめたくなる。

うゆたさんのレビュー


今回は、梅雨の時期にぴったりな「雨」のつくタイトルの小説をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね!