心震わす青春マンガ10選!前編~爽やかスポ根からゆるっと日常系まで〜

こんにちは、ブクログ通信です。

子供から大人まで魅了するマンガは、今や日本が世界に誇るコンテンツの1つです。数あるマンガの中でも、「青春」を描いた作品は年齢性別を問わず、多くの読者に支持されるビッグジャンルだといえます。何かに打ち込む青春、不安定な青春、ゆるっとした青春など、みなさんはどんな青春が好きですか?

今回は、大人の心に刺さる青春マンガの名作を10選集めました。大人になった今だからこそわかる青春の輝き、そして儚さ……読み進めるほどに、多様な感情を呼び起こす極上の作品選です。画力・ストーリー・感動の3拍子が揃った名作10選、じっくりとお楽しみください!

1.山口つばさ『ブルーピリオド』 マンガ大賞2020、講談社漫画賞受賞の胸アツ美術マンガ!

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)
山口つばさ『ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)
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あらすじ

高校生の矢口八虎(やとら)は、成績優秀で友人に恵まれ、充実した毎日を送っている。しかし、心の中ではどこか空虚さが消えず、焦燥感も感じていた。ある日、学校で偶然目にした1枚の絵に心奪われる八虎。その衝撃に駆り立てられるように、それまで全く縁のなかった美術の世界に飛び込んでいくのだった。

おすすめのポイント!

東大より入学が難しいとされる東京芸術大学、通称「藝大」。本作は、美術経験ゼロの主人公が藝大を目指し、芸術を志す物語です。1枚の絵をきっかけに、芸術の世界にハマっていく主人公・八虎。作中で度々挿入される彼のモノローグはとても素直で情緒豊かです。読むと八虎と同じ気持ちになれます。作者の山口さん自身が藝大現役合格者ということで、藝大受験の臨場感は圧倒的です。何かにのめりこむ楽しさ、ひたむきな心、そういったものを思い出させてくれる作品だといえます。「マンガ大賞2020」、第44回「講談社漫画賞」一般部門受賞作!

山口つばささんの作品一覧

あんまり多くの漫画を知らないのですが、この『ブルーピリオド』以上に「絵」が上手な漫画を私は知りません。絵画で使われる手法や構図、人が人を魅せるためだったり人に伝えるためだったり…そんな先人たちの研究の積み重ねを、まさか漫画に凝縮してしまうなんて思いませんでした。作者さんの才能や努力に“がつん”と直に触れられるような、魅力的な作品です。

そえぎさんのレビュー

2.高松美咲『スキップとローファー』過疎地出身の女子高生と仲間たちの愉快な高校生活

スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)
高松美咲『スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)
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あらすじ

高校入学を機に上京した岩倉美津未は、過疎地で育ったため同世代へのコミュニケーション力が乏しい。勉強はできるけれど天然で、都会の生活に慣れていないため、高校でもちょっと浮いている。でも、そんな「みつみちゃん」のまっすぐで純粋な生き方に、クラスメイトたちも少しずつ感化されていくのだった。

おすすめのポイント!

「石川県のはしっこ」から上京した女子高生・みつみちゃんの、にぎやかで平和な高校生活を描いた作品です。天然でマイペースなみつみちゃんと、迷子のみつみちゃんを偶然助けたクラスメイトの志摩くんを軸に、つばめ西高校の生徒たちが笑ったり悩んだり恋したりします。みつみちゃんたちと一緒に、高校生活を過ごしているような気分になれる作品です。友達との関係に悩んだり、ささいな出来事が嬉しかったり……高校生のときだからこそ感じられた感情を呼び起こす、ほのぼの青春漫画です。

高松美咲さんの作品一覧

友達って何かっていうことを、真っ直ぐな主人公を軸に、その周りの人たち(=読み手の中にある弱い(と自分で感じている)部分を抱えてる人たち)との関わり合いの中で考えて行く物語。そして舞台は高校。そりゃハマるよ、快活クラブで夜明けまで読んでしまうよ。「僕は勉強ができない」を読んだときと同じような真っ直ぐに心を揺さぶられた。

こんさんのレビュー

3.アミュー『この音とまれ!』 筝との刺激的な出会いを描く青春群像劇

この音とまれ! 1 (ジャンプコミックス)
アミュー『この音とまれ! 1 (ジャンプコミックス)
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あらすじ

先輩が卒業し、筝曲部唯一の部員になってしまった武蔵は新入部員勧誘に励んでいた。しかし、筝曲部の存在自体あまり知られておらず、部員勧誘はなかなか上手くいかない。ある日、1人の入部希望者がやってきた。武蔵の前に現れたのは、見るからに不良で筝とは縁もゆかりもなさそうな人物だった——。

おすすめのポイント!

高校の筝曲部を舞台にした青春群像劇です。日本の伝統楽器の1つで琴に似た形状の「筝」。本作では、そんな筝に情熱を注ぐ高校生の姿がみずみずしく描かれています。『音が聞こえてくるよう』と高く評価されている迫力の演奏シーンは必見です。また、筝を介して繰り広げられる人間ドラマにもご注目ください。作中に登場する筝曲は2017年にCD発売され、文化庁芸術祭で優秀賞を、第32回「日本ゴールドディスク大賞」で純邦楽・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。マンガとCD、ぜひ併せてチェックしてみてください!

アミューさんの作品一覧

音楽×青春漫画です。演奏シーンの表現力がすごく、実際に音楽を聴いているかのように感じ、鳥肌が立つ場面が何度もありました。青春漫画が好きな方にはおすすめの作品です。

たくーまさんのレビュー

4.石塚真一『BLUE GIANT』 圧巻の演奏シーンが見どころ!感情を揺さぶる音楽マンガ

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)
石塚真一『BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)
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あらすじ

ジャズに魅了された高校3年生の宮本大の夢は、「世界一のジャズプレーヤーになる」こと。夢をかなえるため、大は毎日川原でサックスを吹き続けている。雨の日も、猛暑の日も、毎日毎夜ずっと。周囲から無謀だといわれても、大はまっすぐに夢を追いかける。仙台の広瀬川から世界に向かって——。

おすすめのポイント!

大ヒット山岳マンガ『岳』の作者・石塚真一さんによる、ジャズがテーマの作品です。仙台の川原で1人サックスを吹き続ける高校生・大が、壮大な夢を追いかけ成長する姿を描いています。ジャズが好きというまっすぐな気持ち、夢を叶えるために繰り返される努力、周囲を巻き込む情熱……まさに青春ど真ん中といえる要素がたっぷり詰め込まれた作品です。画面から伝わる「音なき音」は、きっとあなたの心を揺さぶり、胸をヒリヒリさせることでしょう!ジャズ好きにはもちろん、ジャズを良く知らない人にもぜひ読んでほしい名作です。

石塚真一さんの作品一覧

本当に音が聞こえてくるかのような漫画で一気読みした漫画。ジャズのことは詳しくなかったけれどこの漫画を読んで少しだけ聞いてみたりジャズの面白さが分かる作品。情熱的な青年が主人公で気持ちの良い生き方をしていて良い。

らりるーさんのレビュー

5.KAITO『青のフラッグ』 こんなに胸が痛くなる青春、めったに出会えない!

青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)
KAITO『青のフラッグ 1 (ジャンプコミックス)
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あらすじ

平凡で冴えない太一、引っ込み思案な少女・二葉、リア充イケメンの桃真。高3の春、3人は同じクラスになった。太一と桃真は幼馴染で、小さい頃は仲が良かった。しかし、あることをきっかけに疎遠になっていたのだった。一方、ひょんなことから二葉と仲良くなる太一。しかし、思わぬ事態により2人の関係性は変化してしまう。不安定な三角関係が、今始まる——。

おすすめのポイント!

この作品は、大人の心にこそグサグサ刺さる物語です。青春のきらめきやまぶしさと同じくらい、青春時代に内包される薄暗さや醜さをも描いています。だからこそ、心に響くのです。また、登場人物の表情も本作の見どころの1つです。眉の動き、唇の震え、まばたき……繊細な描写で、登場人物たちの心情がリアルに伝わってきます。思春期特有の危うさを感じさせながら進む、ストーリー展開の上手さにも唸らされます。特に最終話は、マンガという手法を120%活かした圧巻の1話です。ぜひ最後まで読んでみてください。

KAITOさんの作品一覧

試し読みでグッときて購入。すごく引き込まれる。ストレート(?)にそういう三角関係なのか、もう一段裏があるのか続きが待ちきれない。

komi-goさんのレビュー


今回は、まぶしくもどこか切ない青春時代を描いた名作マンガをご紹介しました。情熱的なスポ根ものは休日に一気読み、ゆるっと日常系は寝る前じっくり読みなど、お好みに合わせていろいろな青春をお楽しみください!
後編もお楽しみ。