【前編】SF恋愛小説10選!~SF初心者にもおすすめの作品選〜

こんにちは、ブクログ通信です。

「もし世界が〇〇だったら……」そんな空想を、リアルな世界として描き出してくれるのがSFの魅力だといえるでしょう。現実世界よりずっと先を行く科学技術、生き物そっくりのロボット、常識を超えた社会制度など、空想世界ならではの自由さが、SFというジャンルには詰まっています。

今回は、そんなSF小説の中から特に「恋愛」にスポットを当てたおすすめ小説を10作ご紹介します。現実に似て非なる世界で繰り広げられる、ロマンあふれる恋愛模様をお楽しみください。SF小説を普段読まないという方にもおすすめの読みやすい作品選です。気になる作品はぜひ手に取ってみてくださいね!

1.有川ひろ『塩の街』塩に飲み込まれた世界で生きる人々の戦いと心の交流

塩の街 (角川文庫)
有川浩『塩の街 (角川文庫)
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あらすじ

塩害の時代、世界は塩に埋め尽くされつつあった。街は1つまた1つと塩に飲み込まれ、社会は崩壊寸前だ。東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈は、そんな世界の片隅でひっそりと暮らしている。彼らの前にはさまざまな人が現れ、消えていく。ある日、「世界とか、救ってみたくない?」と囁く者がやってきた。そそのかすようなその誘いによって、運命が動き出す——。

おすすめのポイント!

大人気作家・有川ひろさんのデビュー作で、人気作『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作です。この作品では、世界が「塩」に飲み込まれかかっています。塩害に苦しむ世界で残された人々はどう生きていくのか、世界を救うとはどういうことなのか、そしてそこに絡んでくる恋愛模様とは……と、先が気になる要素が満載です。ライトなSFで有川さんならではの胸キュン要素も多めなので、SF初心者の方もぜひ読んでみてください!

有川ひろさんの作品一覧

この作者にかかったら、ありがちなストーリーでも何故かチープな話にならない不思議さがある。言葉の選び方、文章の組み立てなど非常に繊細で好きな作者です。

hajimessageさんのレビュー

2.畑野智美『タイムマシンでは、行けない明日』甘く切ない青春物語

タイムマシンでは、行けない明日
畑野智美『タイムマシンでは、行けない明日
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あらすじ

ロケット発射台のある南の島で暮らす、高校1年生の丹羽光二。彼は同級生の少女・長谷川葵が気になっていた。しかし、初めてのデートの日、待ち合わせ場所で葵は光二の前から永遠に姿を消してしまう。「ロケット飛ばして、金星まで会いにきて!」という言葉を最後に——。もう一度葵に会うため、光二はタイムマシンを開発し「あの日」を変えるために奔走するが……。

おすすめのポイント!

初恋の少女を救うため過去を変えようと奔走する理系男子と、彼を取り巻く人々の群像劇です。初恋とタイムリープという、SF恋愛小説では鉄板ともいえる2大要素を存分に楽しめます。甘く切ない恋愛模様、一筋縄ではいかないタイムリープ、過去と未来の複雑な関係がそれぞれに絡み合い、思いもよらない展開を見せる物語にきっとあなたも魅了されるはず。読後には爽やかな感動が待っています。ぜひご自身の目で結末まで見届けてみてください。

畑野智美さんの作品一覧

タイムマシンがあったら、私はどうするんだろう。やり直したいと何度も夢に出てくる大学院2年の夏に帰るのか。そうすると今居る息子には会えなくなるな。それは、辛い。与えられたカードで最善を尽くして生きること。タイトルが良いなぁ。

megmilk999さんのレビュー

3.東野圭吾『時生』過去と未来でつながる、大切な人との運命を描く感動作

時生 (講談社文庫)
東野圭吾『時生 (講談社文庫)
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あらすじ

宮本拓実には不治の病に侵された息子がいる。最期の時が迫っていた。拓実は妻にあることを話し始める。20数年前に出会った不思議な少年との想い出だ。当時、どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年とともに消えた恋人・千鶴の行方を追ったのだった。

おすすめのポイント!

大人気ミステリー作家・東野圭吾さんが贈る、極上のSF恋愛ミステリーです。難病に侵され死の淵にいる息子と、悲嘆に暮れる両親、そんなワンシーンから始まる物語は、予期せぬ展開を繰り広げます。ページが進むほど加速度的に面白くなっていくので、読み始めたら一気読みしてしまうかもしれません。ぜひ時間の取れる時にじっくりお楽しみください。過去と未来、そして現在が交錯し、結末に向けて一気に伏線回収していく爽快さは、さすが東野さんといったところです。心に響く名台詞がいくつもたくさん登場する点にもご注目ください。

東野圭吾さんの作品一覧

つい昨日読み終えました。買うときは、文量に少し戸惑いましたが、トキオによって少しずつ変わっていく拓実とともに謎もまた少しずつわかっていくところが読んでてあきませんでした。自分的には最後のシーンでの夫婦二人の会話からの最後の一文までの流れがすごい鳥肌ものでした。読んでよかったと思える本です!

けいたさんのレビュー

4.乙野四方字『僕が愛したすべての君へ』いくつもの並行世界で恋をする

僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)
乙野四方字『僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)
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あらすじ

並行世界の存在が実証された世界。人々は、少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが確認されている。両親が離婚し母親と2人暮らしの高校生・高崎暦は、地元の進学校に進学した。不器用な上に勉強一色の雰囲気を醸し出す暦には、親しい友人もいない。ところがある日、クラスメイトの瀧川和音が話しかけてきた。彼女は並行世界からやってきており、元の世界では暦と恋人同士だというのだが……。

おすすめのポイント!

科学的に並行世界の存在が認められている世界が舞台です。SF小説ではよく使われる並行世界という概念ですが、本作のように「誰もが並行世界の存在を認め、移動もできる」という設定はかなりユニークだといえるでしょう。物語は、並行世界からやってきた少女と、友人のいない少年の出会いを軸に描かれます。並行世界があるからこそ起こる問題や葛藤、人々の生活に及ぼす影響が丁寧に描かれ、「もし並行世界と行き来出来たら」とワクワクさせられる1冊です。現実世界の当たり前や常識を、良い意味で裏切ってくる恋愛模様も楽しめます。

乙野四方字さんの作品一覧

君愛の後に読んだが、話が綺麗にまとまり伏線も回収されていく感じで、スッキリ読めた。全体的に君愛は切なく、僕愛は幸せ溢れる感じなので、どちらから読むかは趣味嗜好に寄るが、心温まる読後感を味わいたいなら絶対にこちらを後に読むべき。

ゆるゆるさんのレビュー

5.松尾由美『九月の恋と出会うまで』時空を超えた不思議な交流を描く

九月の恋と出会うまで (双葉文庫)
松尾由美『九月の恋と出会うまで (双葉文庫)
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あらすじ

北村志織はある日、自室の壁の穴から平野という男性に話しかけられる。「一年後の今日」を生きているというその男は、同じマンションに住む顔見知りだった。疑う志織に、平野は翌日の新聞の見出しを次々と言い当ててみせる。半信半疑ながらも話を聞いてみると、平野は志織にひとつのお願いをするのだった。

おすすめのポイント!

「書店員が選んだもう一度読みたい文庫恋愛部門」で第1位に輝いた作品です。壁の穴(エアコンダクト)を通して始まる時空を超えた奇跡の恋が描かれます。声だけのやり取りで始まる奇妙な交流が面白く、登場人物はみなヒトクセありつつも素敵な人物ばかりなので、ほのぼのと楽しめる小説です。2019年には高橋一生さん、川口春奈さん主演で映画化されました。映画版では高橋さんがはまり役と評判です。ぜひ併せてチェックしてみてくださいね!

松尾由美さんの作品一覧

序盤はなかなか進まなかったかも。途中からはどんどん物語に引き込まれて、いつのまにか読了してた。ファンタジー要素ご入っている作品。とてもほっこりした気持ちになりました。

つっきーさんのレビュー


今回は、数あるSF小説の名作の中でも、胸キュンやドキドキが楽しめるイチオシ作を集めました。SF好きはもちろん、SFを普段読まない人も楽しめるエンタメ作ばかりです。ぜひ一度手に取ってみてください!
後編もお楽しみに。