こんにちは、ブクログ通信です。
みなさん、毎日の通勤お疲れ様です。通勤電車って、何だか気分が重たくなることありますよね。
スマホを見て過ごすのも良いですが、たまにはちょっと知的に読書で気晴らししてみてはいかがでしょうか?
そこで今回は、毎日の通勤が楽しくなる、おすすめの短編小説やショートショートを10選ご紹介いたします!前編、後編と5選ずつまとめましたので、ぜひこの機会に手に取ってみてくださいね。
1.村上春樹『女のいない男たち』(文春文庫 む 5-14)
あらすじ
夜中の1時過ぎに昔付き合っていた女性の夫から、彼女の訃報を伝える電話がかかってきた。彼がなぜ「僕」の名前を知っていたのか?彼女が夫に教えたのだろうか?それは分からない。流れゆく彼女「エム」に対する「僕」の回想と独白の物語。
おすすめのポイント!
文学界の巨匠・村上春樹さんの9年ぶりの短編小説です。6つの短編で構成された、文字通り「女のいない(失った)男たち」の繊細な人物描写が綴られた物語です。収録作の一つである『ドライブ・マイ・カー』は、西島秀俊さん主演で実写映画化もされています。独特な文体が魅力的な村上さんの作品の中でも、本作は比較的に分かりやすくスラスラと読めると評判なので、「ハルキスト」以外の方にもおすすめの作品です。村上さん作品には珍しい「まえがき」があることもポイントの一つです。読んだ後は、独自の考察が止まらなくなることでしょう。
木野よかった短編ならではの良さが出ていた。体言止めな感じ。ここちいい。ドライブマイカーもよかった。どの作品も味わいがあってよかった。この話読みたい!って気分になる時がある気がする。初めて行く場所の夜では木野がいい。寂しい時は独立器官がいい。車で遠出した時はドライブマイカーがいい。ワインを飲むときはイエスタデイがいい。寝室で読むならシェラザードがいい。
2.星新一『ねらわれた星』(星新一ショートショートセレクション 1)
あらすじ
ある時、地球侵略を企む宇宙人が、皮膚をドロドロに溶かす薬を地球全体にばらまいた。ところが、何故だか地球人が死ぬことはなく……?
おすすめのポイント!
SF界のパイオニア・星新一さん自選による50編のショートショート集です。表題作をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「ボッコちゃん」などの、数ある人気作の中でも特に人気のある代表的な作品が集結しています。本作はヤングアダルト向けにセレクトされたとあって、小学生から大人まで楽しめる作品集となっています。星さんならではの、予測不能でブラックユーモアあふれるちょっと不思議な物語が盛り沢山なので、読んでいる内に時間を忘れて没頭してしまうことでしょう。どうぞ乗り過ごしにご注意くださいね。
何回目かわからないけど読み終わった。小学生の頃からふと読みたくなる時がある。少しずつよむも良し。一気読みするも良し。意味がわかると怖い話シリーズ好きだなあ
3.バイク川崎バイク『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』(ヨシモトブックス)
あらすじ
よくナンパにあう主人公は、父親に電話をかけているふりをして男性をかわしていた。だがある日、そんな主人公に一人の男がしつこく声をかけてきた。主人公の「ふり」を疑った男は、主人公からスマホを奪って耳に当てた。すると男は、あるはずのない父親の声を聞いたという。しかしそれは絶対にありえない。本当に「ふり」だった上に、主人公の父親はすでに……。
おすすめのポイント!
吉本芸人のバイク川崎バイクさんの作家デビュー作です。投稿サイト「note」にご本人が連載したことをきっかけにSNS上で大好評を博し、書籍化となりました。本作には、表題作を含めた厳選されたストーリーと、書き下ろし5作を加えた全50作品が収録されています。もともとショートストーリーものが好きだったという川崎さんによる、普段の芸風とは一線を画す読み応えのある一冊となっています。ジャンルは恋愛からミステリ、ブラックコメディまで様々で、ショートショートの醍醐味でもあるオチでのどんでん返しも注目の作品です。
帯にもそれらしきフレーズがあるけど、『世にも奇妙な物語』を超短編小説に詰め込んでみた、みたいな感じ。テンポよく読めて、どれもしっかり喜怒哀楽を揺さぶられる辺りショートショートならではの面白さが詰まっててすごく好き。叙述トリック好き過ぎだろ!とは思ったけど
4.よしもとばなな『さきちゃんたちの夜』(新潮文庫)
あらすじ
失踪した友人を捜す妊婦の早紀。祖父母秘伝の豆スープを無料で配る咲。双子の兄を事故で亡くした崎と、父親を亡くした10歳の姪・さき。“さきちゃん”たちに訪れた小さな奇跡が、かけがえのないきらめきを放つ。
おすすめのポイント!
「さき」という共通の名前を持つ女性たちのそれぞれの物語を描いた、よしもとばななさんの短編集です。よしもとさんは本作を描くにあたり、「早希ちゃん」という実在のお知り合いから着想を得たと語っています。心温まるストーリーでありながらも、人々が持つ小さな「闇」にも触れたリアルな人間描写が持ち味の作品です。現代の厳しい世の中を生きる若い女性たちへのエールのように、辛くても前向きに頑張ろうとしみじみ思わせてくれる一冊です。帰りの電車で「疲れたな〜」と感じた時は、ぜひ読んでみてくださいね。
『癒しの豆スープ』が特に好きでした。心情描写の繊細さに驚く。吉本ばななは心の輪郭を知っているのか、と思うくらい。優しさの中に隠された鋭さにハッとさせられる一冊。
5.湊かなえ『望郷』(文春文庫)
あらすじ
暗い海に青く輝いた星のような光。母と二人で暮らす幼い私の前に現れて世話を焼いてくれた“おっさん”が海に出現させた不思議な光。そして今、私は彼の心の中にあった秘密を知る——。
おすすめのポイント!
人気作家・湊かなえさんによる連作短編集です。収録作の『夢の国』『光の航路』は、貫地谷しほりさん主演で映画化もされました。本作の舞台は湊かなえさんの出身地・広島県尾道市因島がモデルであり、ご自身の体験談をもとに描かれたそうです。「イヤミスの女王」で知られる湊さんですが、本作はそういった要素は控えめの、家族の愛憎物語となっています。とはいえ湊さんならではの心理描写は健在で、閉ざされた「島」での複雑な人間模様をリアルに映し出すことで、不思議と物語に引き込む魅力を与えてくれます。
ミステリーの話もあれば、人と人との心温まるストーリーもある。結末が予想できないところが湊かなえさんの作品の良い部分であると思います。私も離島が好きなので、その情景を思い浮かべながら、楽しく読めました。
おわりに
今回は、毎日の通勤が楽しくなるおすすめ短編小説をご紹介しました!
気になる作品には出会えましたか?ぜひ読書生活の参考にしてくださいね!
後編もお楽しみに。