こんにちは、ブクログ通信です。
2月の大きなイベントといえば、バレンタインがありますね。大好きなあの人にチョコレートを渡した日や、ちょっと気になるあの子から呼び出しを受けた日など、バレンタインには甘酸っぱい記憶が呼び起こされる人も多いのではないでしょうか。
今回は、「バレンタインの季節に読みたいおすすめの恋愛小説」を5作紹介いたします。学生時代のバレンタインを思い出す胸キュンストーリーから、甘くほろ苦い大人な恋の物語まで広く取り揃えました。味わい深いチョコレートのように、一度読んだら忘れられない恋愛小説ばかりです。ぜひ手に取ってみてくださいね。
1.『チョコレート・コンフュージョン』 義理チョコから始まる、甘々胸キュン・ストーリー!
あらすじ
ミモザ・プディカ社の海外事業部で働く三春千沙は、バレンタインデーも仕事に追われていた。やっとの思いで仕事を終え帰宅しようとした千沙だが、お気に入りのヒールが折れてしまう。そこへ通りかかったのは、強面で周囲から恐れられている経理部の北風龍生だった。北風に助けられたお礼に、持っていた義理チョコを渡す千沙。軽い気持ちで渡したチョコが、思わぬ事態を引き起こして——。
オススメのポイント!
第22回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞を受賞した話題作です。可憐なOLの千沙と、強面で口下手の北風という、アンバランスな男女2人の恋の行方を描いています。勘違いから始まった2人の関係が、徐々に変化していく様子に胸キュン必至です。北風の本当の姿が明らかになるとき、きっとあなたもその魅力にぐいぐい惹き込まれてしまうことでしょう。ライトな読後感なので、ちょっとした空き時間にも読みやすい作品です。
とっても可愛いお話。
登場人物がいい人ばかりなので清々しくきゅんきゅんできる。数時間でさらっと読めてしまうけど、チョコレートみたいに甘い余韻が残る一冊。
2.『タイニータイニーハッピー』何度も読み返したくなる、8つの恋の物語
あらすじ
東京郊外にある大型ショッピングセンター「タイニー・タイニー・ハッピー」は、略して「タニハピ」と呼ばれている。商品管理の仕事をしている徹は、タニハピのメガネ屋で働く実咲と2年前に結婚した。ケンカすることもなく、上手くやってきたつもりの徹だが、最近少しずつズレを感じ始めていて——。「タニハピ」に関わる8人の男女の、絡まり合う人間模様と恋を描いた短編集。
オススメのポイント!
少しずつ重なり合う8人の恋愛模様に、胸がきゅんとしたり切なくなったりと、さまざまな気持ちを味わえる珠玉の短編集です。8人とも、どこかに居そうな普通の人たちなので、親近感を持って読み進められます。誰もが、8つの物語の中に、感情移入してしまう恋を見つけられるはず。道ならぬ恋、秘めた恋など、甘いだけではない恋模様もみずみずしく描かれています。彩り鮮やかないくつもの恋の味わいを楽しめる、詰め合わせチョコレートのような素敵な一冊です。
飛鳥井さんの作品を初めて読んだ。登場する人たちの心の描写が優しくて、心地よく読めた。
小さな小さな幸せ。平凡な毎日でもそんな幸せを見つけながら過ごせたら、ずっとハッピーでいれるはず。
ほんわかした気分になれる作品でした。
3.『その手をにぎりたい』 大人気作家が描き出す、長い長い片思いの行方は
あらすじ
80年代の東京。OLの本木青子は、仕事を辞め故郷へ帰るつもりでいた。ある日、退職前の慰労にと、社長に連れられ銀座の高級鮨店「すし静」に足を踏み入れた青子。そこで出会ったのは、見習い職人の一ノ瀬と、これまで味わったことのない極上の鮨だった。自分の力で「すし静」に通えるようになりたいと、青子は帰郷を取りやめ、転職を決意する……。
オススメのポイント!
バブル期の東京を舞台に、青子という女性がいかに生きていかに恋をしたか、を描き出した長編傑作です。世間知らずで腰掛OLをしていた青子ですが、「すし静」との出会いをきっかけに、自立した女性を目指して自分を磨き上げていきます。寿司職人・一ノ瀬との出会い、「手から手へ渡される鮨」との出会いにより、青子がどのように変わっていくかが見どころです。やがてバブルが弾けたとき、青子はどうするのか、一ノ瀬との恋はどんな決着を迎えるのか……。物語の結末は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
人生を変えてしまう鮨屋、そんなお店に私も出会いたい…
おいしい鮨、恋愛、時代、仕事、色んなものが詰め込まれている一冊でした。青子さんと一ノ瀬さんの絶妙な関係がとてもよかった。
4.『孤独な夜のココア』 甘く、少し苦い、きらめく恋の物語集
あらすじ
社内恋愛、年の差がある恋、幼馴染との恋愛、不倫……12の異なる恋模様を収録。奇跡のような出会いと、大切な人とのかけがえのない時間、そしてやって来る恋の終わりのとき。誰もが経験したことのある、恋のキラキラとした時間を恋愛小説の名手が描き出す。一人ぼっちの夜に飲むココアのように、心をそっと包み込む短編集。
オススメのポイント!
20代後半の女性たちの恋愛模様を描いた、12編の物語が楽しめます。昭和53年に刊行された作品なので、時代背景が現在とは異なりますが、恋する女性の心はいつの時代も変わりません。ドキドキしたり、キュンとしたり、時には胸に痛みを抱えていたり……。どのお話でも、多くの女性が共感してしまうであろう部分があり、きっと心に刺さるはずです。また、表題作がないのも本書の特徴です。読後には、「夜のココア」を飲んだように、ホッと温かな気持ちになれますよ。
タイトルに惹かれて読み始めました。イメージのとおり、ほろ苦さと甘さ、暖かい幸福感と切なさが感じられる12篇の恋の物語。本のタイトルと同じ短編は無くて、あれ?と思いましたが、夜中に一人でココアを飲みながら読むと心に染みてくるようなお話ばかりでした。珠玉の短編集という表現がありますが、この本にこそそう言い表したいです。うまくいった恋も、うまくいかなかった恋も、振り返ればあの時、あの瞬間を、大切に切り取ってアルバムに取っておきたいようなかけがえのない宝が秘められている。それはやすやすと誰かにひけらかしたりするものでなく、自分の胸で暖めておくものなのです。
5.『エンキョリレンアイ』 1万キロ離れた恋人たちに訪れる、愛の奇跡
あらすじ
書店でアルバイトをしている桜木花音は、22歳の誕生日に井上海晴と出会った。運命の恋に落ちた2人だったが、海晴は翌日からアメリカ留学に行ってしまう。東京とニューヨーク、距離にして1万キロメートルも隔てられた花音と海晴だが、お互いを思わない日はない。距離を超え、時間を超えて紡がれる、2人の恋の結末は——。
オススメのポイント!
タイトルの通り、遠く隔てられた花音と海晴の、切ない恋模様に惹き込まれる作品です。恋に落ちる瞬間、一緒にいる幸福感などが、詩のように美しい文章で描写されています。好きという気持ちと裏腹に、距離や時間に翻弄される2人の関係には、誰もがやきもきさせられるはず。遠距離恋愛経験者には深く共感でき、未経験者にも恋愛の楽しさ・切なさを思い起こさせるお話です。小手鞠るいさんならではの、抒情的な文章表現も本書の魅力の1つとなっています。
ベタなラブストーリーだけど、よかった。遠距離ですれ違ってしまった時は「やっぱり遠距離は嫌だな」と思ったけど、12年後に届く手紙には感動した。運命の相手とは、すれ違い離れてしまったとしてもつながるのかもしれないと思った。
恋をしている人も、していない人も、バレンタインデーの季節には、色とりどりの甘い恋の物語を楽しんでみてはいかがでしょうか?どの作品も、余韻の残る名作ばかりなので、ぜひ本選びの参考にしてみてくださいね。