【小説編】魔女をテーマにしたおすすめ作10選!

こんにちは、ブクログ通信です。

魔女」という言葉からは、さまざまな連想がなされます。魔法や魔術を使って人々に危害を加えるネガティブなイメージもあれば、逆にそれらの人知を超えた能力で人々の助けとなるようなポジティブなイメージもあるのではないでしょうか。

実際、文学作品の中でも、魔女にはいろいろな役割が与えられています。今回は、そんな魔女が出てくるおすすめの10作品をピックアップしました!【小説編】【マンガ編】と5選ずつご紹介してゆきますので、ぜひ手に取ってみてくださいね。

1.梨木香歩『西の魔女が死んだ』思い出すのは宝石のような輝かしい日々

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木香歩『西の魔女が死んだ (新潮文庫)
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あらすじ

祖母が危篤状態と聞き、まいは学校を早退した。祖母の家へ向かう途中、思い出されるのは二年前のこと。中学生になったばかりのまいは、うまく学校に馴染むことができないでいた。イギリスと日本のハーフである母からは事情を深く聞かれず、単身赴任中の父からは「扱いにくい子」と言われ……。傷ついたまいは、自分のことを魔女と呼ぶ、イギリス人の祖母のもとで暮らすことに。そして魔女から直々に「魔女修業」を受けることになり——。

おすすめのポイント!

魔女の力を使うには、精神力を鍛える必要がある。まいが祖母に教わる「魔女修業」の多くは、私たち「人間」にとっても大切なことばかりです。「死とは何か」といった深い問いにも向き合ってくれる魔女の存在は、思春期の若者だけでなく、大人にとっても必要なものかもしれません。人生の命題ともいえるその大きな問いを回収するラストシーンは、涙なしには読めません。児童文学各賞を受賞し、2008年には実写映画化されました。

梨木香歩さんの作品一覧

純粋な子供の気持ちをすごく繊細にあらわされていてよかったです。生きるということは人の体を借りて魂が成長すること、「魔女になる」という目標を立てることで人として成長いくこと、死というものは悲しいものであるが、全くの無になるわけではなく魂は生き続ける(きっと他の人の心の中で)ということが書かれてありました。子供だけでなく親としても是非読んでみてもいい作品だと思いました。

いるかさんのレビュー

2.角野栄子『魔女の宅急便』キキとジジの旅は続いていた

魔女の宅急便 (角川文庫)
角野栄子『魔女の宅急便 (角川文庫)
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あらすじ

魔女・コキリと民俗学者・オキノのもとに生まれた一人娘のキキ。魔女になると決意した彼女は、しきたりに従って、13歳の満月の夜、黒猫のジジとともに修業の旅に出る。海辺の町・コリコを定住先に決めたキキは、「グーチョキパン店」のおかみさんであるオソノに気に入られ、居候させてもらうことに。そして、唯一使える「空を飛ぶ」魔法を活かして、空飛ぶ宅急便屋を開業させた。「魔女宅」原作シリーズ第1巻。

おすすめのポイント!

ジブリによる映像作品で有名な作品ですが、実は映像では原作のほんの最初の部分しか描かれていません。全6巻の原作シリーズでは、13歳だったキキが大人になるまでが書かれており、映画のその先のお話までを知ることができます。飛行クラブの少年・とんぼとの関係も、甘酸っぱい初恋という印象でしたが、その後のストーリーがきちんと書かれています。ジブリファンにとっては原作との違いを見つけるのも楽しいシリーズ作品です。

角野栄子さんの作品一覧

13歳のキキ、一人立ち。小さな頃から大好きな物語。大人になってから読むと、一人立ちするキキの姿が心に響く。キキにとっての空を飛ぶ魔法のような、何か一つ私にも“魔法”があれば、そしてそれを生業にできれば。映画のキャッチコピー「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」にあるように、新生活は色々と大変なこと続き、でも一生懸命やっていれば大丈夫と、13歳のキキが教えてくれる。

quatorzeさんのレビュー

3.高田大介『図書館の魔女』読み継ぎたい異世界「言語学」ファンタジー!

図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
高田大介『図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)
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あらすじ

史上最古の図書館には、「高い塔の魔女」と呼ばれる、うら若き少女が存在する。彼女の名はマツリカ。難解な書物をひもとき、あまたの言語を扱って、言葉一つで世界を動かす。しかし、類いまれな能力と引き換えのように、マツリカは声を出すことができなかった。そんな彼女のもとにやってきた一人の少年・キリヒト。並み外れた感覚を持つ彼は、王宮の命により、マツリカに仕え、手話通訳を任されることとなった。

おすすめのポイント!

毎日、息をするように使っている言葉ですが、改めて「言葉とは何か」と問われると答えに困ってしまいませんか。本作を読んで、「言葉」について考えてみるのも面白そうです。二人が生み出した新たな会話ツール「指話」など、「言葉」に特化した内容が盛りこまれており、読書好きにはたまりません。序盤はゆるやかに、中盤からは急速にストーリーが展開し、読み終わるのが惜しいほどです。第45回「メフィスト賞」受賞作。

高田大介さんの作品一覧

片手にこの小説、片手に辞書、それでもわからないときはインターネットで言葉を調べながら読んだ作品です。これまで読んできた中で読み終わるまでに一番時間がかかりましたが、それに見合う読書体験がでした。人生で一番読み応えがあって、感動し、満足させてもらいました。こんなに趣味が読書で良かったと思ったことはありませんし、今小説を読んでいる!という充足感が最高です。

ぽろしりさんのレビュー

4.デボラ・ハークネス『魔女の目覚め』魔女×ヴァンパイア!禁断の恋と謎

魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)
デボラ・ハークネス『魔女の目覚め 上 (ヴィレッジブックス)
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あらすじ

イェール大学の教授職に就くダイアナは、由緒ある魔女の家系に生まれながらも、魔法というものを否定して生きてきた。だから、オックスフォードのボドリアン図書館で不思議な写本に出会ったときも、その本をすぐに返却した。だが、それからというもの、奇妙なできごとに遭遇することが増えていく。そしてダイアナは、オックスフォードの教授であり、天才科学者と賞されるマシューとともに、壮大な謎に取りこまれていった——。

おすすめのポイント!

『魔女の契り』『魔女の血族』へと続くシリーズの初作であり、著者のデビュー作でもある本書は、魔法・科学・歴史を織り交ぜたファンタジー作品になっています。魔女やヴァンパイア、デーモンといったクリーチャーたちが、人間と共存している世界観がうまく描き出されているのが魅力。ハリー・ポッターやトワイライトがお好きな方に特におすすめのシリーズ作品です。設定も細かく、禁断のラブロマンスにも惹きつけられます。

デボラ・ハークネスさんの作品一覧

久しぶりに最初から夢中になって読んだ。最近、いろんなクリーチャーが出てくるのは結構あって好きなんだけど、この話は詳細に富んでいて歴史とかも楽しめるし、面白かった。続きが気になる!読んでて気づいたけど、私って食べ物の描写に弱い・・・?ワインやなんかの話も満載で、楽しく読めた。

Moeさんのレビュー

5.C.S.ルイス『ライオンと魔女』名作「ナルニア国」シリーズ第1作!

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)
C.S.ルイス『ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)
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あらすじ

戦乱を避けて田舎へやってきたペベンシー兄弟の四人。彼らは疎開先の古い屋敷でのかくれんぼをきっかけに、空き部屋の衣装だんすから、異世界・ナルニアへと引きこまれてしまう。神秘的な生き物や妖精が住み、魔法のあるその世界では、国を支配する白い魔女のせいで、冬が終わらずクリスマスもやってこない。彼らは不思議なライオン・アスランに導かれるまま、住民たちを魔女から解放するため、奮闘することとなった。

おすすめのポイント!

全7巻シリーズの初巻である本作には、クローゼットの先に繋がる異世界、永遠の冬を支配する悪役としての魔女、世界を救う冒険といった、ファンタジーの魅力がぎっしりと詰まっています。キリスト教の信仰者であり、伝道者としての使命を持っていた著者は、この作品も聖書を下敷きに書いたとのこと。王道のファンタジー作品として読むこともできますが、土台となっている聖書の物語まで読み解くと、より深みの増す名作です。

C.S.ルイスさんの作品一覧

とても面白く読めました。衣装ダンスの奥に進むと、異世界に通じているという設定が特に素敵だなと思いました。私は小さい頃、押入れのなかとか、外と隔てられる秘密の空間のような場所が好きで、よく空想などして遊んだので懐かしい気分になりました。今の子どもだって、こんな身近なものならうちにもあると、夢が膨らんで楽しいんじゃないでしょうか。そして、異世界での描写もどれも細かくて想像し易くワクワクします。人間の欲望や優しさ勇気いろんなことを教えてくれているところも素敵です。最初から最後まで、子どもが夢中になれるものであふれてました。そういう作品は、大人も夢中にさせてくれるんですよね。

mameponさんのレビュー


作品によって役割はさまざまですが、魔女が不思議な存在であることには変わりありません。自分ならどんな魔女と出会いたいか、どんな魔女になりたいか。そんな空想が膨らむ読書体験をお楽しみください!
マンガ編】もお楽しみに!