こんにちは、ブクログ通信です。
前回の【小説編】に引き続き、今回は魔女が出てくるおすすめ作の【マンガ編】5選をご紹介します!
歴史的にはその強大すぎる力ゆえ、恐れられ、迫害されてきた「魔女」ですが、裏を返せば昔から、畏怖や関心の対象になってきたということ。漫画作品でも、ミステリアスな見た目や人知を超えた能力を持っていて、登場するだけで存在感のあるキャラクターが多いですよね。
良い魔女も悪い魔女も、凄まじい力を持っていたり、人間くさいところもあったりと、憧れや共感を与えてくれます。メディアミックスされている作品もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
1.石川雅之『純潔のマリア』見守るだけの神と、人を救う魔女
あらすじ
百年戦争中の中世ヨーロッパに、聖母の名を持つ最強の魔女がいた。戦を嫌うマリアは、夜な夜な戦場にサキュバスを遣わしては、強力な魔法で両軍を叩き潰していく。最強の魔女と称され、天界のルールにも背く彼女だが、「恋はしたいがその先まではちょっと怖い」と、恋に恋する乙女でもあった。天上の教会に目を付けられたマリアは、大天使ミカエルにより制裁を下される。その内容は、純潔を失うと、魔力も失うというものだった。
おすすめのポイント!
『もやしもん』で大ブームとなった著者の次作。人間たちの戦争と、天上界の戦争が並行して描かれています。制裁の意味は、自分の快楽や幸福と引き換えに、世界を幸福にする力を失うということ。祈りとは何か、神とは何か。日本人には馴染みの薄いキリスト教の思想についても考えさせられつつ、それぞれがキャラ立ちしており、エンタメ性の高い作品です。巻数も少なく、すぐに読み切れます。2015年にはアニメ化も果たしました。
先日お会いした方がアニメに出演されていると聞いたので、原作を読んでみることに。百年戦争の最中、カトリックに造反する魔女マリアの活躍を描く作品。英仏の人間同士の争いと、大天使と悪魔という人間を超えたものの戦いの二軸が並行しているのが、とても面白い。「祈り」の本質について考えさせられる作品。
2.石塚千尋『ふらいんぐうぃっち』ほのぼの日常系、魔女修業マンガ
あらすじ
神奈川県横浜市から、又いとこの親戚の家を頼って、青森県弘前市へやってきた15歳の真琴。彼女は「見習い魔女」だ。15歳になったら家を出て独立するという魔女のしきたりに従い、使い魔の黒猫・チトとともに、居候を始める。まだまだ半人前の真琴は、魔女と言っても「空を飛ぶ」魔法しか使えない。高校に通ったり、畑仕事をしたりと新生活を始めた真琴。自然豊かな弘前を舞台に、魔女修行にも取り組んでいく。
おすすめのポイント!
魔女ものではありますが、魔法で戦う!というようなものではなく、田舎のおばあちゃんの家にいるようなまったりとした空間が広がっています。自然と人の融合や、地域の人々とのあたたかなコミュニケーションが心地よく、和み系・癒やし系のマンガを探している方にはとくにオススメです。作中では舞台となっている弘前の名所や風景も描かれているため、現実とマンガを重ね合わせた聖地巡礼も楽しめます。2016年にアニメ化されました。
2巻まで読了。主人公(魔女)がチトさん(黒猫)と共にまたいとこ(人間)の家で居候するというお話。ほのぼのしてます。日常の中に、魔女や魔法がちりばめられていて面白い…!読後とても癒されました。オススメです。ほのぼの系お好きな方はぜひ。
3.篠原健太『ウィッチウォッチ』幼なじみの鬼と魔女が織りなすマジカルコメディ
あらすじ
鬼の力を持つモリヒトは、他者を傷つけることを恐れ、力を抑えていた。ある日、魔女修行に出ていた幼なじみのニコが、6年ぶりに帰郷。モリヒトはニコの使い魔となり、同居生活が始まる。ニコとの再会にときめくモリヒトだが、実は彼には「予言された災いからニコを守る」という裏使命があった。だが、つねに想像の斜め上を行くニコの魔法は回避不能のトラブルを巻き起こし―。魔女と使い魔の、前途多難の高校生活が始まる!
おすすめのポイント!
『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』で大人気のマンガ家・篠原健太さんの最新連載です。一つの作品のなかで、ギャグとシリアスを黄金比率で融合させるのは篠原さんの得意技。心の底から笑えるのに、登場人物たちの背景や感情もしっかりと描かれています。さらに恋愛要素まで織り交ぜた、青春の結晶のような作品。これからどんなふうに伏線を回収していくのか、まずは既刊の巻まで追いついて、続きを楽しみにしてください。
篠原健太さんの描く漫画はたぶん一生好きだな…。この人のギャグとシリアスとラブのバランスは本当に天才的なんだよな。鬼の力を持つ高校生・乙木守仁と、魔女で幼馴染のニコ。ジャンプでずっと読んでいますが、コミックスで一気に読むとどこまで考えて書いているのか…と伏線の貼り方のうまさに感動しますよね。やっぱり篠原健太作品はコミックス一気読みがおすすめ!
4.吉河美希『山田くんと7人の魔女』すべての始まりはハプニングの“キス”
あらすじ
朱雀高校きっての問題児・山田は、この日も不機嫌だった。さらに階段から落ち、よもやこれまでかと思ったところ、なんと、一緒に落ちた優等生・白石と体が入れ替わっていた。検証を重ねた結果、彼らにはそれぞれ、不思議な能力があることが判明。超常現象研究部に入部し、そこで能力について探るうち、朱雀高校には「魔女」と呼ばれる能力を持つ女子生徒がつねに7人いることを突き止め、魔女捜しを始めるが——。
おすすめのポイント!
少年誌らしい王道のラブコメマンガを読みたい方にオススメの本作。接点のなかった不良と優等生が、思いがけずキスをしてしまうことから物語が始まる、ボーイミーツガールものと言えます。全28巻ですでに連載が終わっているので、連載の続きを待たず、一気に読み切りたい方にもオススメ。2013年には西内まりやさん主演でドラマ化、2015年にはアニメ化と、メディアミックス作品で何倍も楽しめるのも魅力的です。
アニメ化・実写化もされたラブコメ漫画です。魔女の能力の制限が緩めなおかげで巻き込まれる登場人物が多く、そのおかげでコメディー部分と恋愛部分のバランスが良くなっていると思います。しっかりラブコメしている漫画が読みたい方にはおすすめの作品です。
5.佐竹幸典『魔女と野獣』アニメ化決定!華麗で苛烈なダークファンタジー!
あらすじ
魔女に呪いをかけられた少女・ギドと、魔郷教団に所属する優秀な魔術師・アシャフ。二人は魔女を探すという目的のために手を組んだ。噂を聞きつけ、やってきたとある街では、魔女が崇拝の対象とされている。しかし、その街の歴史には不穏な情報があった。ギドとアシャフは真偽を確かめるため、街の英雄と呼ばれる魔女・イオーネの元を訪れる。だが、まさにそのとき、イオーネによる恐るべき計画が実行されようとしており——。
おすすめのポイント!
中世ヨーロッパのような世界観が洋画を思わせ、美しく繊細な絵に見とれてしまう魔女マンガ。派手な戦闘シーンもあり、その疾走感に引きこまれます。少女らしい見た目とは相反する粗野で口の悪いギドと、紳士的なようでいて胡散臭いアシャフの掛けあいもこの作品の魅力。ミステリアスな二人の過去が徐々に明かされていくのもワクワクします。アニメ化した際には映像映えすること間違いなしなので、先に原作を読みたい方におすすめです。
高校生の時から読んでいる大好きな漫画 現時点(2022/4)で9巻まで読了。厨二心を宿してる全人類に読んでほしい。
恋も戦もコメディも。さまざまな切り口で描かれる人気の魔女マンガを読めば、可愛いだけ、強いだけではない魔女の魅力を発見できそうです。気になった作品は、ぜひ手に取ってみてくださいね。
【小説編】はこちら!