こんにちは、ブクログ通信です。
前回の【男性作家編】に引き続き、今回はミステリーのおすすめ作品の中から、【女性作家編】の名作を5選紹介いたします。正統派ミステリーから「イヤミス」まで、様々なジャンルから取り揃えた作品選です。未読作品がある人は、ぜひ読んでみてくださいね!
6.宮部みゆき『レベル7』宮部作品初期の傑作!手に汗握るサスペンス・ミステリー

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あらすじ
あるマンションの一室で男が目を覚ました。隣に寝ているのは知らない女だった。やがて、二人とも記憶をなくしていることがわかる。それぞれの腕には「level7」と書かれていた。見覚えのないその部屋には、札束が詰まったスーツケースと拳銃、そして血の付いたタオルがある。男と女はなくした記憶を求めて動き出す。一方、「レベル7まで行ったら戻れない」という謎の言葉を残して、一人の女子高生が失踪した。
おすすめのポイント!
数々の文学賞を獲得している人気作家・宮部みゆきさんの初期作です。「レベル7まで行ったら戻れない」——この印象的なフレーズだけでも知ってほしい、何年たっても色あせない傑作でもあります。スリリングな展開と、底知れない不気味な雰囲気が緊張感を駆り立てるサスペンス・ミステリーです。最後まで読んだとき、「レベル7」という謎めいた言葉の意味や意図が分かり、大きな衝撃を受けることでしょう。長編小説ですが、一気に読んでしまう面白さなので読む場所と時間にはご注意ください。
読み始めはファンタジー?SF?とワクワクして読んでいたけど、長くて長くて、、途中で眠くなる事も、、。しかし半分以降は、登場人物達が繋がり続きが気になるミステリーサスペンスでドキドキしながら一気読みしました。これこそ長編の醍醐味という満足感のあるお話しでした。
7.夏樹静子『Wの悲劇』「ミステリーの女王」が贈る有名作家へのオマージュ作

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あらすじ
正月のある夜、日本有数の製薬会社・和辻薬品の会長が所有する別荘で悲劇が起こった。当主である与兵衛が殺害されたのだ。犯人は女子大生の摩子だった。誰からも愛されている摩子は、血に染まったナイフを手にして居間に現れ「私、おじい様を殺してしまった」と叫んだのだ。一族は外部からの犯行に見せかけようと一計を案じる。摩子の家庭教師・一条春生に手伝わせ、偽装工作をするのだ——。
おすすめのポイント!
「ミステリーの女王」と称された夏樹静子の代表作の一つです。本作は、作者本人が自身の作品の中で「指折りのミステリー」と公言しています。また、タイトルからも分かる通り、『Xの悲劇』などで知られるエラリー・クイーンへのオマージュ作です。正統派古典ミステリの系譜を受け継ぐ、重厚な物語を楽しめます。映画化、ドラマ化もされている人気作です。古典ミステリの良さを感じたいときは、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
大企業の会長が一族の集まる別荘にて殺された。殺したのは孫娘で、会長に暴行されそうになったと自白。一族は孫娘と会長の名誉を守るために、強盗殺人犯の仕業に見せかけようと画策するが・・・中盤で惜しみもなく素晴らしい、死亡時刻の偽造トリックが披露されます。そしてそのトリックが警察に見破られるか?に終始するのではなく、二転三転する物語と真犯人の正体。ミステリーとして完成度の高い作品だと思います。
8.畠中恵『しゃばけ』子供から大人まで楽しめる痛快時代劇ミステリー

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あらすじ
江戸有数の薬種問屋・長崎屋には、一人息子の一太郎がいる。生まれつき病弱で両親に甘やかされて育った一太郎は、心優しく芯の強い若者に成長した。ある夜、人目を盗んで出かけた一太郎は人殺しを目撃し、自身も危うく殺されそうになる。間一髪で逃げおおせたものの、それ以来江戸の町では猟奇的殺人事件が相次ぐのだった。一太郎は家族同然の妖怪たちと共に事件解決に乗り出すが——。
おすすめのポイント!
第13回「日本ファンタジーノベル大賞」で優秀賞を受賞し、メディアミックスも多数行われている人気作です。江戸を舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありの妖怪ファンタジーでもあります。病弱な一太郎、一太郎を溺愛する「兄や(にいや)」たち、そして個性豊かで可愛い妖怪たち。アニメやゲームのような世界観と、ほろ苦さもある謎解きのバランスが絶妙な本作。ミステリーが苦手という人にも読みやすいライトさで、幅広い年代から支持されています。
#読了 ずっと読んでみたかったけど、既刊が多くてなかなか手が出なかったシリーズ。読んでみたら案の定めちゃくちゃ面白かった。キャラクターも、ストーリー展開も、エピソードひとつひとつもとっつきやすい。若旦那の設定がもりもりで、一歩間違えればお寒い感じになりそうなのに、するっと納得できるように展開するのもすごい。シリーズ完走したいし、ドラマとかも見たくなっちゃう。
9.大崎梢『平台がおまちかね』本好きの心をガッチリ掴む、心温まる書店ミステリー

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あらすじ
出版社の新人営業マン・井辻智紀は、今日も本の営業に励んでいる。井辻の仕事場は本のひしめくフロアだ。ある日、自社本の売り上げがいい書店を訪ねた井辻だが、なぜか冷たくあしらわれてしまう。またあるときは、自社主催の文学賞の贈呈式でなぜか受賞者が現れない。他社の先輩営業マンにいじられ、思いもよらないトラブルに巻き込まれながらも、井辻は日々奮闘していくのだった。
おすすめのポイント!
本好きなブクログのみなさんにぜひ読んでほしい作品です。本作では、出版社の営業である主人公の視点から、書店と出版社の「お仕事」が描かれます。普段なかなか目にする機会のない、本が書店に並ぶまでの過程を知ることができる一冊です。この作品に登場する人々はみな「本」に情熱を注いでいます。ブクログのみなさんにとっては、共感し応援したくなること必至の物語なのです。書店を舞台にしたライトなミステリーでもあります。殺人や暴力などの表現がないので、ほっこりしたいときにおすすめの作品です。
書店が舞台の小説はいくつか読んだけど、営業さん視点は初めて。まだ営業として独り立ちして間もない主人公は前任者の評判に負けじと仕事をこなしていく。誠実でまっすぐな人柄は素直にいいなと思えた。担当店舗がかぶることでよく顔を合わせるという他社の営業との関係も不思議で面白い。ライバルだけど同志みたいな。ミステリ要素もあり、面白かった。
10.辻堂ゆめ『いなくなった私へ』人気歌手の「死」の真相を追う青春ミステリー

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あらすじ
人気シンガーソングライターの上条梨乃は、ある朝ゴミ捨て場で目覚めた。周囲の人は誰も梨乃の正体に気が付かない。しかも、ニュースでは梨乃が自殺したと報じている。自分は本当に自殺したのか——。呆然とする梨乃に、大学生の優斗だけが声をかけてきた。優斗と行動を共にするようになった梨乃は、もう一人、梨乃の正体に気づいた少年・樹と出会う。三人は、自殺した覚えのない梨乃の死の真相を追い始めるのだった。
おすすめのポイント!
第13回「このミステリーがすごい!」大賞・優秀賞受賞作です。誰にも認識されなくなった国民的歌手の「死」の真相を追い求める、スリリングな物語をお楽しみください。柔らかくみずみずしい文章と繊細な情景描写が魅力の本作。最後まで読めない展開に、ついつい読む手が止まらなくなる一冊です。読後には爽やかな感動が待っています。著者自身が音楽好きということで、作中に登場する臨場感あふれる演奏シーンは必見です。
面白かった!一気読み。出だしから、どういう設定なのか一瞬戸惑ったけれど、作者の手で転がされているような心地よさで、思ってもいない方向に導かれていった。黒幕は予想通りだったけど、あのピースがこうはまるのか!というのが予想つかず。洞察力のある人ならわかったのかな?若いのにすごい作家さん。他の本も読んでみます。
女性作家のベテランから今注目の若手まで幅広くご紹介しました。どの作品も、抜群の面白さを誇る傑作ミステリーです。気になった作品は、ぜひ手に取ってみてくださいね!
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