山田悠介さん作品5選!~斬新な設定に引き込まれる作品選~

こんにちは、ブクログ通信です。

山田悠介さんは、2001年に執筆期間2か月で書き上げた作品『リアル鬼ごっこ』を自費出版し作家デビューしました。同作は刊行から半年ほどで1万部を突破し、中高生を中心に人気が高まり累計で100万部を超えるヒット作へと成長したのです。その後も山田さんはサバイバル・デスゲーム作品やホラー小説などを多数発表し、新作が出るたびに話題を集めています。

今回はそんな山田さんの作品の中から、人気作を中心に5作紹介いたします。キャッチ―で内容が気になるタイトルにもご注目ください。山田さんの作品をまだ知らないという方は、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?

『山田悠介(やまだ ゆうすけ)さんの経歴を見る』

山田悠介さんの作品一覧

1.山田悠介『リアル鬼ごっこ』命がけの鬼ごっこ!心拍数が上がりっぱなしの大ヒット作

リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)
山田悠介『リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)
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あらすじ

西暦3000年、国王は全国500万の「佐藤」姓を皆殺しにせよと命令した。これにより、7日間にわたる「鬼ごっこ方式」の大量虐殺が始まる––––。大学生の佐藤翼は、幼い頃に生き別れた妹を探すため、決死の逃走劇に足を踏み入れるのだった。父親も友人も、目の前で殺されてゆく。陸上選手でもある翼は自慢の脚力を活かして、幾度も死線をかいくぐり、妹の元へと急ぐ……。

おすすめのポイント!

山田さんのデビュー作にして、自費出版本ながら発行部数100万部を超える話題作となった、注目度抜群の一冊です。近未来の日本を思わせる王国を舞台に、理不尽でスリリングな逃走劇が描かれています。「鬼ごっこ」という身近な遊びが、デスゲームとして国を挙げて開催されるという斬新な設定が目を引く作品です。刊行当時から中高生を中心に絶大な人気を誇り、何度も映画化されるほどのヒット作となりました。山田さんの作品を語る上で欠かせない一冊なので、ぜひ手に取ってみてください。

鬼ごっこをしている時の緊迫感と疾走感が文章を通して伝わってきます。ハラハラドキドキし、物語の結末は「え…」と思うような、皮肉な結末でした。大切な人をどんどん失っていく主人公の心境、疲弊、主人公を守ろうと大切に思っていた人達の死に泣いてしまいました。ホラー作品らしいですが、とても好きな作品です。

ジャン8世さんのレビュー

2.山田悠介『親指さがし』じわじわと忍び寄る死の気配を肌で感じるホラー小説

親指さがし (幻冬舎文庫)
山田悠介『親指さがし (幻冬舎文庫)
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あらすじ

小学生の武は、友人の由美からある噂話を聞かされる。それは、一人の女性が被害者となったバラバラ殺人事件に関係があるものだった。「ねえ、親指さがしって知ってる?」。武と由美を含む友人五人組は、遊び半分で噂話をもとにした死のゲームを始めてしまう。それが呪いの渦に巻き込まれてゆくことだと知らずに……。

おすすめのポイント!

子供たちが遊び半分で始めたゲーム、それは実は死の呪いがかかったゲームで……という、スリリングなホラー小説です。息つく暇もなく進む物語、先の読めない展開、そして迎える意外な結末、と三拍子揃った作品だと言えます。ホラーが苦手な人にも読みやすく、小中学生の読書にもおすすめです。メディアミックスされており、映画と漫画が制作されています。2006年公開の映画では三宅健さんが主演を務め、原作とは異なるストーリーが話題を集めました。ちょっと怖い物を読みたいとき、ぜひこちらの作品を手に取ってみてください。

⁡ずっと読もうと思ってて、やっと積本の中から引っ張り出して読み始めたら予想以上に面白くて一気読みしてしまった…‼️どこか懐かしいホラーでもあり残酷なシーンもありすごく怖い、読みやすいのに!怖い!!

カピバラかえるさんのレビュー

3.山田悠介『その時までサヨナラ』「普通の日々」の尊さを思い知らされる感動作

【文庫】 その時までサヨナラ (文芸社文庫)
山田悠介『【文庫】 その時までサヨナラ (文芸社文庫)
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あらすじ

全く家庭を顧みない仕事人間の悟のもとに、突然の知らせが届いた。別居中の妻子が旅先で列車事故に遭ったというのだ。妻は亡くなったが、息子は奇跡的に生還した。しかし、子供の世話より仕事のことで頭がいっぱいの悟は、義理の両親に息子を引き取らせようとする。ところが、そんな悟の前に亡き妻の親友だという女性が現れ、自体は思わぬ方向へ進みだすのだった。

おすすめのポイント!

ホラー小説のイメージが強い山田さんが贈る、家族の愛と絆をテーマにした感動小説です。本作を読むと、「家族とは何か」「愛するとはどういうことか」といったことを考えさせられます。山田さんの新たな魅力を開花させた一冊だといえるでしょう。仕事一筋で家族に対する愛情が希薄だった主人公が、周囲との関わり合いの中で少しずつ変化してゆく様子がじっくり描写されており、深く感情移入しながら読み進められます。ミステリー要素もあるので、どんな結末が待っているかドキドキしながら最後まで楽しめる作品です。

久しぶりの山田悠介!フィクションではあるが、現実に起こりそうな事柄から衝撃的なラストとなったため、容易に作品に入り込めた。またこれまで読んできたものはホラーものが多かった中でこのような家族ものは意外性を感じた。そのため、この作品は山田の作品を初めて読む人よりも、「リアル鬼ごっこ」や「ドアD」など山田の特異とする作品を読んでから読むことを私はおすすめしたい。

にのミンさんのレビュー

4.山田悠介『キリン』「失敗作」と呼ばれた少年の運命を描く衝撃作

キリン (角川文庫)
山田悠介『キリン (角川文庫)
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あらすじ

冴えないOLの厚子は、周囲を見返すために有能な子供を持ちたいと思った。そこで、優秀な男性の精子をオークションで売買できる「ジーニアスバンク」を利用する。一人目の子供は、天才数学者の遺伝子を持ち生まれてきたが容姿に恵まれなかった。二人目は「パーフェクトベイビー」かと思いきや「失敗作」だった。母と兄は彼を見捨てる。しかし、彼はどんなに虐げられても家族の絆を信じていて……。

おすすめのポイント!

容姿も頭脳も優れた「パーフェクトベイビー」を欲する母と、その子供として生まれた兄弟の物語です。近年、現実世界でも精子バンクやデザイナーズベイビーといった存在が注目されつつあります。本作は、そういった「優れた子供」が意図的につくられる危うさに正面から切り込んだ意欲作です。読み終わったとき、「親と子の絆」について改めて深く考えずにはいられないでしょう。もしいつか作中で描かれるような世界が現実になったら、自分はどうするのか……そんな深遠なテーマも投げかけてくる衝撃的な小説です。

麒麟の家族を想う気持ちが素敵すぎた。秀才も感情がないように見えるが、心の奥では3人で過ごした日々、遊園地へ出掛けたことを心から楽しみ、厚子のことも麒麟のことも大好きなのだろうと感じた。私の1番好きな作品です。何度でも読みたくなる。本が苦手な人でもきっと読みやすい。

bigeast6494さんのレビュー

5.山田悠介『サブスクの子と呼ばれて』サブスク時代の今だからこそ読んでほしい一冊

サブスクの子と呼ばれて
山田悠介『サブスクの子と呼ばれて
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あらすじ

「人材サブスク法」が成立し、登録された人材データをもとに、AIが契約者の希望に沿った人材を派遣できるようになった日本。児童養護施設で暮らす高山怜と橘仄花は、違法と知りながら未成年サブスクを提供している。資金不足の施設を助けるためだ。やがて高校生になった怜と仄花は、長期のサブスクを提供するようになる。それぞれに過酷な運命が待ち受けていると知らずに。

おすすめのポイント!

現在、様々な分野で活用されているサブスクリプション・サービス––通称「サブスク」をテーマにした長編小説です。人材サブスクでお金を稼ぐ少年少女たちの切ない運命が、壮大なスケールで描かれています。奇抜な設定ではありますが、「こんなことあり得ない」とも言い切れないリアルさが本書の凄みだと言えるでしょう。子供たちを取り巻く環境の劣悪さ、大人の狡さを鋭く描き出しており、だからこそ胸に迫る物語となっています。サブスクサービスが普及している今だからこそ、多くの人に読んでほしい作品です。

読んでいる途中、似たようなシチュエーションの夢を見るほど心に残っていました。中盤、登場人物たちの境遇が辛すぎて読むのがしんどい気持ちも出てきましたが終盤にかけてどんどん予想外の事実が明らかになってきて、夢中になって読みました。

KAORIさんのレビュー


山田さんの作品は、斬新な世界観とスリリングな展開が魅力です。今回ご紹介した5作は一気読み必至の傑作ばかりとなっています。一度読んだら忘れられない作品揃いなので、ぜひ手に取ってみてくださいね!