こんにちは、ブクログ通信です。
自著『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』を手売りし、テレビ出演を通じて話題を振りまき続ける新井見枝香さん。10月2日、著作第二作目の『本屋の新井』が刊行されました。

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これを記念して、渋谷大盛堂書店にて、「『本屋の新井』(講談社)発売記念 新井見枝香さん新刊鏡開き&トークイベント」が行われました。トークイベントのお相手は、書店内でプロレスの試合イベントを行う「本屋プロレス」を日本最初に開催した伊野尾書店店長、伊野尾宏之さん。ブクログ通信で、この二人のイベントの様子をお届けします。
トークイベント登壇者プロフィール
新井見枝香さんプロフィール

三省堂書店勤務の書店員。入社後、都内店舗、営業本部勤務を経て現在は神保町本店にて文庫売場を担当。新井さん独自の店頭やイベントでの様々な取り組みは大きな注目を集めている。無類の食いしん坊。著書に『探してるものはそう遠くはないのかもしれない』(秀和システム)。
伊野尾宏之さんプロフィール

西武新宿線・都営大江戸線中井駅近くで営業する伊野尾書店・店長。2008年におこなった「本屋プロレス」、毎年様々な業界の方々が選書する文庫フェア「中井文庫」、ブログ「伊野尾書店WEBかわら版」、「本の雑誌」寄稿など多方面で活躍。無類のプロレスマニア、千葉ロッテマリーンズファンとしても出版書店業界では有名。
はじめに
本イベントは、「発売日ということもあり、店頭にて出来立てほやほやの本を鏡開き(?)の趣向で、新井さんが直接お客さまに手渡しをいたします!」とのこと。
イベント開始前の18時30分、渋谷、大盛堂書店の店頭では……

イベント開始前、新井さんと伊野尾さんが大盛堂書店入口に並び、イベント参加者に一冊一冊『本屋の新井』を手渡ししていきます。今日のために用意されたTシャツが映えていますね。

次々とイベント参加者に手渡しされていく『本屋の新井』。渋谷駅徒歩1分のこの場所で、多くの人たちの注目を集めていました。みなに本が行き渡ったあと、大盛堂書店3階イベントスペースにてトークイベントが始まりました。
1. 自己紹介

新井見枝香さん:わたし、色んなところでイベントやってますけど自分の自己紹介するのは実は今回が初めてです。
伊野尾宏之さん:しようよ。というか、しろよ。ぜひ今日からやろう。
新井さん:はい。三省堂神保町本店で文庫を担当しております新井と申します。『本屋の新井』出版記念としてトークイベントをこちら大盛堂書店でさせていただきます。よろしくお願いいたします。
伊野尾さん:……そう。これが自己紹介ですよ。これから毎回やりましょう。はい、私は東京の中井という駅で、親が創業した本屋の二代目を務めております「伊野尾書店」伊野尾と申します。よろしくお願いします。
まず新井さんとはどこで知り合ったのか話そうと思ったけど、忘れました。
新井さん:いつ会ったんでしょうね。あんまり仲良くないですよね。なんでこの組み合わせのトークショー?って思いましたよ。
伊野尾さん:あとで司会の山本さんに聞いてみましょう。でもほんとに初対面が思い出せないですよね。本屋大賞がきっかけだとは思うんだけど。彼女はクラスが3つくらい離れてる同級生、という感じです。やりとりはあるけど、こっちが一方的に新井さんを知ってる、という感じですね。新井さんがひっそり『小説新潮』に書いていることとかね。いいコラムを書いてるんですよ。新井さんのことが好きな男性スタッフがいて、しょうが焼き弁当をいきなり作ってきた話とかね。
新井さん:私の人生一度目のモテ期ですね。女子ロッカーをガチャっと空けたらお弁当が入ってた、という事件です。食べたけど。そういうのはわりと平気なんですよ。
伊野尾さん:食べないだろ!
新井さん:食べ物には罪がないので……
司会(大盛堂書店・山本さん):伊野尾さんが店長を勤める「伊野尾書店」のことを教えてくださいますか。
伊野尾さん:中井という、新宿から西武新宿線で3駅目、地下鉄大江戸線で5駅目の、新宿区・中野区のはずれにあって、昭和を引きずった商店街の中にある個人書店です。昭和32年創業で、店は17坪。一通りの本がある昔ながらの本屋かな、と思っています。僕は1999年から店に入りました。
ちなみに新井さんはどういう経緯で三省堂書店に?
新井さん:有楽町店にアルバイトとして入社したんですよね。パン屋の面接に行った帰りに応募が出てるのを見て、浮気して本屋に入りました。契約社員の案内が出ていたので試験を受けて契約社員になりました。
伊野尾さん:その後池袋店に移りましたよね。
新井さん:そう。池袋が開店する前から一年間開店準備期間を経て、異動しました。それから本部に移って、異動して神保町本店に。
伊野尾さん:ずっと文芸担当だったんですか?
新井さん:そう、でも今は文庫担当をやっていて。文芸担当に戻りたいな。
伊野尾さん:新井賞は文芸担当だった頃に始めたんですね。今はどうしてるんですか?
新井さん:文庫担当だけど新井賞発表しました。単行本のこともやるし、今夢中なのは有賀薫さんの『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』だから。何でもやっちゃうんですよね。実用書もマンガもやることがあります。
2. 新井さんの実施してきたイベントは年間300回以上!

伊野尾さん:池袋時代はイベントを年間300回くらいやってましたよね。すごいね。
新井さん:やりましたね。そんな記憶なかったけど、当時の残ってるファイルだけで300を超えてたから、もっとやってましたね。
伊野尾さん:思い入れが深いイベントはありますか?
新井さん:万城目学さんの新井ナイトですかね。池袋でコンビニに行こうとしたら、たまたま向こうから万城目さんが歩いてきて。話してるときに「新井ナイト、やる?」「やる!」って。偶然の流れから起こったイベントだったんですよね。
伊野尾さん:すごいね。イベントではどんな話をしたんですか?
新井さん:……いや、イベントの中身は覚えてないんだけど、すごくいい話が聞けました。
伊野尾さん:……いい話は聞けたけど覚えてないの!?(笑)覚えてるのはコンビニで会ったことだけ、と。新井ナイトってこれまで何回くらい開催してるんですか。
新井さん:数え切れないですね。何度も登壇してもらってる人もいますけど。
伊野尾さん:大変だったことはないんですか?
新井さん:作家さんにも感情の起伏があるな、って。私もそうなんですけど、ダメな日、何も喋れない時ってやっぱりあるんですよ。体調悪いとか、気分が乗らないとか。たまたまそういう日に当たっちゃった作家さんがいて、でもお客さん集まってるし。
ただ、しょうがないですよね。私もそうだし。イベントは生ものだな、って思いますよ。ライブツアーでいつも一定のパフォーマンスしてるアーティストはすげえな、って思いますよ。ダメだ、って日もきっとあるけどステージに立たなきゃいけない。トークイベントもそういうところが似てるな、って。
伊野尾さん:なるほど。じゃあ今日は新井さんが書店の現場で何を糧にして、何を得て、どういう成長をしてきたか、って話をしましょう。
どんなタイプの男性が好きなんですか?
司会:これそういう話に繋がるんですか?
伊野尾さん:そういう話ですよ。