【ブクログスタッフレビュー】辻堂ゆめさん『サクラサク、サクラチル』

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログスタッフによる最近読んだ本のコラム記事!
第4弾は、辻堂ゆめさん著『サクラサク、サクラチル』のレビューコラムです。
ぜひ、この機会にお読みいただけると嬉しいです。

辻堂ゆめ『サクラサク、サクラチル』

サクラサク、サクラチル
辻堂ゆめ『サクラサク、サクラチル
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あらすじ

両親から東大合格をせがまれる高校三年生の高志は、ある日クラスメイトの星さんに、その異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星さんも、母親からネグレクトを受けているという。共鳴し合う二人はやがて、自分たちを追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させる——。

辻堂ゆめさん最新作!共鳴し合う男女の復讐計画とは——?

エリート家庭で育った高志と、日々の生活費を稼ぐためアルバイト漬けの星さん。一見正反対の環境下にいる彼らが、ともに抱える生きづらさに共鳴し、「復讐」の名の下に交流してゆく本作。

引きこもりの姉の分まで両親の期待を背負い、パニック発作や得体の知れない嫌がらせ、両親の暴力に耐えながらの受験勉強。これほどの重圧に苛まれながら、両親から受ける仕打ちを何とか肯定しようとする高志の姿は、なかなか読んでいて痛ましかった。一方の星さんも、母親の身勝手にもはや諦めの境地に達しながらも、どこか親子の呪縛に囚われている姿がこれまた辛く、「家族」というものの息苦しさを感じさせられた。心苦しい描写が続く中、互いの境遇に共感し合い、今の自分にできることで相手の力になろうとする高志と星さんの関係性は、本作の心の拠り所として大いに作用してくれた。

読めば読むほど彼らの境遇に感情移入し、来たる「Xデー」の結末、そして高志を悩ませる嫌がらせの正体から目を離すことができず、後半にかけて怒涛の勢いで完走してしまった。シリアスなミステリーものでありながら、どこか青春物語のような心地良さも覚える不思議な作品であった。

(文=ブクログスタッフ・ks)

おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
没入度:★★★★★
青春度:★★★★☆

東大合格の為に教育虐待を受けている高志と、貧困家庭でネグレクトを受けている星。一見、真逆の環境のように見える二人だけど、親に洗脳されて自分の意思がもてなくなっているところが、とても似ている。星の環境の方がぱっと見は不幸に見えるかもしれないけど、高志の環境の方がより親のコントロールや暴力暴言がひどく、読んでいて辛い気持ちになった。共鳴できる二人が出会えたことが救い。

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