こんにちは、ブクログ通信です。
ブクログスタッフによる最近読んだ本のコラム記事!
第8弾は、井上真偽さん著『アリアドネの声』のレビューコラムです。
ぜひ、この機会にお読みいただけると嬉しいです。
井上真偽『アリアドネの声』
あらすじ
巨大地震が発生した。地下に取り残された女性は、目が見えず、耳も聞こえない。光も音も届かない絶対的迷宮。生還不能まで6時間。想像の限界を超えるどんでん返しの結末とは!?
実写化希望! 手に汗にぎる、難易度高すぎ救助作業
ミステリーにして、最高の“お仕事小説”としても読ませてもらった本作。
プロのドローン操縦士である主人公が遠隔で人命救助をするのは、ヘレンケラーのように「見えない・聞こえない」という障がいを持つ女性。たとえ発見できたとして、その後ドローンからどうコミュニケーションをとれば良いのか。さらに高性能マシーンとて、センサーから得られる情報に限界があるという状況。双方に絶望的なコミュニケーションギャップがある中で繰り広げられる救助劇に没入させられた。
ミステリ作家ならではの「謎」も提示される。真相が明かされると別のドラマが“視えて”感情を揺さぶるというのも本作のテーマに合っており、完成度の高さを感じさせられた。タイトルにある「アリアドネ」とは、ギリシャ神話「アリアドネーの糸」にちなんだ救助ドローンのシリーズ名。「―の糸」ならぬ「―の声」、あの印象的なシーンにぴったりのタイトルだ。
各章の最初に挟まれる救助限界までの残り時間と、予期せぬトラブル(現代ならではの人為的な妨害にはほとほと閉口)も次々起こり常に緊張感ある展開で一気読みさせられた。今年読んだ中で一番、映像でも見たい!と思った作品。
(文=ブクログスタッフ・nt)
おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
電池残量:★★☆☆☆
残り時間:★☆☆☆☆
ブクログユーザーさんのレビュー
いやー面白かった。設定も良かったし、最後のどんでん返しも見事に騙されました。「無理だと思ったらそこが限界なんだ」に対する考え方についてすごく共感できた。