【ブクログスタッフレビュー】有間カオルさん『忘れものは絵本の中に』

こんにちは、ブクログ通信です。

ブクログスタッフによる最近読んだ本のコラム記事!
第17弾は、有間カオルさん著『忘れものは絵本の中に』のレビューコラムです。
ぜひ、この機会にお読みいただけると嬉しいです。

有間カオル『忘れものは絵本の中に』(実業之日本社文庫)

忘れものは絵本の中に (実業之日本社文庫)
有間カオル『忘れものは絵本の中に (実業之日本社文庫)
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あらすじ

繁華街の片隅に、「絵本Bar クレヨン」はある。亡くなった祖父が託したという本を求め、青柳由良は店へ通うことに。バーの客は過去に大切なものを置き忘れた大人ばかり。飼い猫との思い出に浸る男、実母と確執のあるOL、息子に過干渉な母親、妻の介護に追われた夫……。切ない別れも伝えられなかった言葉も、そして明日を目指す勇気も、すべては、あの「絵本」の中にある。

絵本の懐かしさと優しい気持ちになれる短編集

絵本というだけで、自分が読んだかは関係なく懐かしさを感じてしまう。そんな絵本が良い仕事をする優しい小説だった。

4つの短編に登場する主人公は悩みを抱えており、家族関係を中心に過干渉や介護などで困った時に絵本BARに迷い込み、懐かしい絵本に出会ったことで話が進んでゆく。みんな名前を知っているような有名な絵本たちが素晴らしい効果をもたらす!?…ことはないが、それぞれにとって前向きになれる瞬間がとても素敵で胸が熱くなった。また舞台の中心となる絵本BAR「クレヨン」にも、いろいろあるようで、最後まで絵本が重要なキーワードとして作品では登場する。

絵本が好きな人が楽しめるというよりも、絵本に思い出がある人が楽しめる心温まる作品だった。改めて自分にとって思い出の絵本はなんだろうか?と考えてみたけれど、あまり思い出せない。せっかくなので次回親にあった時の話すネタとして取っておこうと思う。

(文=ブクログスタッフ・keyone)

おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★☆
絵本度:★★☆☆☆
ほっこり度:★★★★☆


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