Wild Swans

JungChang

• Flamingo (1993年6月14日発売)

感想・レビュー・書評

[みやよさんの感想 · 2008年12月17日]

オーストラリアに移住してすぐに出産し、手探りの子育てが始まり、めそめそしていた頃に少しずつ読み進めていた本。結局、読破まで半年かかった！！お疲れ。２０世紀の激動の中国を生きた著者とその母と祖母の自叙伝。彼女らの地獄のような毎日に比べたら、私の悩みなんて、甘い、甘い、と精神的にとても助けられた一冊。信じられないほど残酷な生活の日々とそれをも乗り越えられる人間の逞しさに驚愕。そして独裁政治の恐ろしさを仮想体験できる。

[medakadaさんの感想 · 2005年10月14日]

中国旅行中に読んだ。中国本土では発禁書だから、より面白く感じたのかもしれないが、なかなかの筆力で親子三代を描く。

下手するとつまらなくなる内容をうまい具合に引っ張って最後まで読ませる。できれば筆者が渡英してからの部分もつなげてほしい。

同じ筆者が毛沢東主席伝記を最近出版。未だに（政府に都合よければ）英雄視される毛沢東をかなり批判的に書いているらしい。

現在、中国共産党政府は必死になって欧米に流出している美術品を買いもどそうとしているそうだが、小市民的資本主義的罪悪と過去の美術品を壊した世代が、オリンピックだなんだと慌てて美術品をそろえようとしているとは皮肉なこと。