- Amazon.co.jp ・洋書 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9780061430947
感想・レビュー・書評
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前作Love That Dogで詩なんか書くか!って言ってた少年が、今作ではすっかり詩が好きになっていて、好きな詩人まで出てきて、詩の専門用語までバンバン言いだすようになる。有名な詩の真似して書いてたり、すっごく楽しそう!
↓前作はこちら
12.
Love That Dog: A Novel (English Edition)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00O0ZCO2S/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_S12PCTJADKFXECQWF8S1
まだ詩が好きじゃなかった頃の男の子。だんだん文字が詩になっていく過程が素敵なんですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
before reading
The cat of the picture is cool.
Is this book built from letters and poems about cats?
after reading
はじめはどんな小説なのかわからなくてとまどった。
一度最後までプレビューして、日付が9月から翌年の7月までだったので、小さな子の一年間の手紙…とその子の好きな詩の話なのかな、と推測はできたけど、今イチぴんと来なかった。
アマゾンでこの本の前の巻を見つけて、レビューを見てやっと、この小説の設定を理解できた。
この小説はジャックという男の子の詩の宿題ノートでできている。
詩の先生の名前はMiss Stretchberry。彼女は前の年もジャックのクラスを担当した。ジャックは彼女が好きで、今年もストレッチベリー先生のクラスになれて嬉しく思っている。
ジャックは黄色の毛並みの素敵な犬を飼っていたが、前の年に亡くなった。
この前提を頭に入れて読み始めると、するすると一気に読めた。
本当に本文はジャックの書く宿題ノートだけなのに、ジャックがどんな子なのかとか、日々何を感じているのかだとか、家庭環境が見えてくる。細かい描写が一切無いのに、読み進めるにつれてジャックと先生との間の信頼が深まっていって、ジャックもどんどん成長している様子がよくわかる。
新学年が始まった頃は、大学で詩を教えている嫌みなおじさんに、面と向かって自分の意見を言えなくて、宿題ノートにぶん殴ってやりたいとか書いていたのに、数ヶ月後には堂々と自分の意見を言えるようになっている。
先生との信頼が深まるにつれて、ジャックは自分の母親の事情を打ち明ける。
ジャックのお母さんは耳が聞こえない。彼女はジャックを愛しているし、ジャックも彼女を愛している。彼女はジャックの最高のお母さんだ。でも、ジャックは自分が聞こえることをお母さんと共有できないことを淋しく思っている。
けれどラストで、詩を通せばお母さんに聞こえないものも、お母さんに伝えられるんだと気づいて、学校の詩の発表会で、手話を使いながら自作の詩を発表する。このシーンは本当に感動する。ジャックが発表会の感想をノートに書いているだけで、そのシーンの描写とかはないんだけど、感想を読んでいるだけで、充実した良い雰囲気の発表会だったんだろうな、と想像できる。
他にも大きい黒猫との敵対関係からの和解とか、前作で出てきたらしい詩人とのささやかな交流とか、少年らしいほほえましいエピソードがたくさんある。椅子の詩も最高だった。
前作も読みたいな。たまたま手に取った本だけど、とっても良かった。嬉しい。