Fortunately, the Milk

著者 :
  • HarperCollins
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780062224071

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のイラストが気に入ったので借りてみた。著者本人が読みあげるオーディオブック付き。

    ナンセンスどたばたロードムービー的な楽しいお話。覆水盆に返らずは、英語ではこぼれたミルクは戻らないと言う。そのことわざを意識しているのかも。

    この人が書いた本の何冊かは邦訳もされていて、結構人気もあるみたい。映画化されているコララインとボタンの魔女の原作を書いたのもこの人。この本は邦訳されていない。英語のスペルの言葉遊びが満載だから、訳しようがないんだろうな。

    ママは昨夜、恐竜についての研究を発表する学会へ出かけた。パパと私と妹は、インディアンのレストランで夕ご飯。

    今朝は大変。ミルクがないの。ミルクがなければ私と妹はシリアルを食べられないし、パパだってお茶を飲めない。この重大さに気づいたパパは、角の売店までミルクを買いに出かけた。でも…待っても待っても帰ってこない。きっと顔見知りと立ち話でもしてるのね。妹が聞くの「このままパパが戻らなかったらどうすればいいの?」って。私は「ピクルスを食べることになるわ」と答えたわ。そしたら妹は、「あなたは朝ごはんにピクルスを食べないし、私はいつだってピクルスを食べないわ」だって。仕方ないから、ミルクなしでシリアルを食べた。悪くないけど、最高でもない朝ごはんよ。

    そしたらようやくパパが帰ってきたの。パパ、なんて言ったと思う?「ミルクを買ってお店を出たら、

    空飛ぶ円盤に誘拐されかけてね。非常口から飛び降りたのさ。

    そしたら18世紀の海に落ちて、海賊の女王率いる海賊船に引き上げられたんだ。でも、海賊になるか海の藻屑になるかって選択肢を突きつけられちゃってね。海賊になるわけにいかないだろう?それにこういう時は助けが来るのがお約束だからね。そういう訳で、通りがかりの気球に乗ったステゴサウルスが助けてくれたんだ。彼は発明家で、段ボールでタイムマシンを作ったんだよ。

    タイムマシンとは素晴らしい!これがあれば、家に帰ってこどもたちにシリアルを食べさせてやれるし、僕もお茶を飲める!でも、そのタイムマシンは大切なパーツが欠けてしまっていたんだ。僕とステゴサウルス…プロフェッサー・ステッグは、見知らぬ時代で迷子をするしかなくなったのさ。そして僕らの気球は数千年前の原住民が作った寺院に不時着したんだ。ちょっとヒヤッとしたけど、彼らがミルクを信仰する人々で、神官が先週の水曜日に僕らのことを夢に見てくれていて助かったよ。彼らの予言に従って火山へ行くと…なんと、タイムマシンを作動させるための宝石を見つけたんだ!

    ここで、残念なお知らせがある…ミルクを火山に落としてしまったんだ。他にも素敵な可愛いポニーと出会ったり色々したけど、そんなことよりミルクだ…。あの時は落ち込んだよ。

    ともかく、エメラルドを手に入れて、タイムマシンのスイッチを入れたんだ。そしてら、VとWが入れ替わっている奇妙な吸血鬼の一族の住む場所へ着いてね。その一族は奇妙なだけじゃなくて邪悪でもあったんだ。彼らは、タイムマシンで世界征服を企んだんだけど…ボタンを押して着いた世界は昼間だったんだ。それで、世界は救われたってわけさ。さらに幸運なことに、異次元の穴からさっき落としたミルクが出てきてね。どういう訳かはわからないけれども。とにかく世界も朝食も救われたんだ。

    またボタンを押すと、今度は例の宇宙人だ。彼らはどうしても僕を連れ去って、地球上の木という木をプラスチックのフラミンゴにして、オーストラリア大陸をお皿の上にのせたいらしい。彼らは前にあった時よりも頭が良くなっていたよ。非常口の看板が変わっていたんだ。前は「開けたら酷い目にあわせるぞ!」って感じに書かれていたところに、礼儀正しく感じの良く「どうぞ他のドアをお使い下さい」と書かれていた。これじゃ逃げられない。宇宙人だけでなく、海賊や吸血鬼やピラニアもやってきてね。しっちゃかめっちゃかだよ。

    ちょうどそこに、ミルクと、15分前の同じミルクがあったんだ。このふたつを接触させると宇宙は消滅する。宇宙人もそれを分かっていた。だから、海賊も吸血鬼もピラニアも彼らの元いた場所に帰っていったよ。そしたら今度は宇宙警察恐竜がやってきた。どうやら違法に他惑星を侵略する宇宙人を捕まえるためにやってきたようだ。そこで僕の友だちのステゴサウルスは、恐竜界では誰ものが知っている超セレブリティだってことと、彼が彼ではなく彼女だという衝撃的事実を知ったんだ。

    あやうくミルク同士をぶつけて宇宙を滅ぼしかけちゃうってハプニングもあったけど、博士のタイムマシンのおかげで何とかなったよ。ミルクが飛び出してきた謎の穴の答えもわかったしね。ステゴサウルス博士は仲間の恐竜たちともといた世界へ戻るって言うし、僕も家に送ってもらったんだ」ですって。

    ちょっとパパ、本気なの?

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