- Amazon.co.jp ・洋書 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9780062316097
感想・レビュー・書評
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ホモ・サピエンスという現人類の歴史を種全体という視点から紐解く。
無謀にも原文に挑戦。総じて比較的シンプルで分かりやすい言い回しが使われているが、学術的で抽象度が上がると、十分な理解ができない箇所も少なからずあった。
それを差し引いても読んで本当に良かったと思える本だった。感情がかき乱されるというか、人生の意義や正しい行いについて考えさせられるような内容がたくさん詰まっていて、大いに知的好奇心を刺激されたとともに、いかに人類が完璧には程遠い種かを痛感しながら、それでも自分の子供や次の世代のために、少しでも世界を良くしたいという想いに駆られた。懸命に真摯に何が正しいのかを考え続けながら、自分のできることの幅を広げ続けたいと思う。
以下、メモ。
・人々が厳しい自然環境の中で生き残るために共同と集団生活を学び、その規模の拡大と相互信頼の維持を図るために、想像上の秩序(双方が共通して信じるべき規範となるもの。宗教や主義)を作り上げ、文字の発明を通じて発展を遂げてきた。
・これまでの現人類の行いには必ずと言っていいほど功罪が付いて回る。その時代に生きる人たちは、自分のために仲間のために人類のために、その時代を必死に生きているが、それが結果的に人類にとって、地球にとって、良い影響を与えたのか、分からない。むしろ、他の生命や自然、人類自身にも悪影響や問題を引き起こしたことが多い。
・人類は何を求めて歩んでいけば良いか。人々がより良い生活・幸せな生活を送れるようにとは、よく言うが、そもそも幸せを正確に測る尺度を持ち得ない、今後進化するであろう人類の方向性が良い方向に向かうかも分からない。 -
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【所在] 3階開架
【請求記号】 209||HA
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/188242 -
閲覧室 209||Har
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生態系の中位に位置していた取るに足らないジャングルのサルから、生態系の頂点に君臨するヒトへ、そして生態系を完全に超越した存在へー。本書はホモ・サピエンスが辿ってきたこの歴史の流れを、膨大な生物人類学、文化人類学の知見を用いて描き出す。重要なキーワードは三つ。認知革命、農耕革命、科学革命だ。これら三つの革命がそれぞれ集合的想像物、余剰、進歩を生み出し、人類が誕生して以来の歴史、そして人間の存在そのものを形作ってきたことが説明される。しかし、ハラリの著述は《現在》を到達点として終わるわけではない。最後の章では、科学革命以降の人間が人間や生物といった定義を覆すような発展の可能性を備えていることが示唆される。比類のない科学の力は、環境を変化させるだけではなく生命すらも対象とし得るからだ。そこには、ハラリの、人間が手にする無限の可能性への希望と、その圧倒的な破壊の力に対する警戒が感じられる。
詳しくは、本書を読んで欲しい。どのように要約しても本書の内容を伝えきれないくらい、稠密で壮大な「歴史書」であるからだ。ところどころに散りばめられたジョークや、ハッとさせられる仮想歴史の問題提起は、例えよく訓練された読者であっても知的な興奮を感じずにはいられまい。本書は、そのような知的な刺激を求める人にとって最も相応しい本のうちの一つである。 -
新しいことや他の人が言ってないことが書かれているわけではないけど人類の歴史についてテーマごとに書かれていて入り込みやすかった。この人はなんの研究者なんだろうって思った。大昔から人間の顔は変わってないってのがちょっとこわい。