The Brilliant Life of Eudora Honeysett: A Novel
- William Morrow Paperbacks (2021年10月19日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9780063026070
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
Eudoraは85歳。家族も友人もいない一人暮らし。日々健康に気をつけて暮らしてはいても肉体の衰えは明らかで、人の世話になってケアホームで一生を終えるのはゴメンだとスイスで安楽死をすることを望んでいる。
ある日隣に越してきた元気で物おじしない10歳のRoseは、Eudoraの色のない単調な生活をカラフルに彩り始める。
ーー
Eudoraは一見偏屈で孤独を愛する老女だが、その人生は幸せが手の隙間からこぼれていくような出来事の連続で、ただただ可哀想だった。献身的で優しく忍耐強い女性なのに、それが報われないむなしさ。
最初の偏屈な部分は自分の40年後を見ているようだと思っていたしEudoraには共感しかなかった。彼女の感じる苛立ち、疎外感、そして自己犠牲と諦め。最後は文字通りのハッピーエンディングで、とうとう彼女の人生が報われた瞬間だったと思う。
死生観、家族とは、友人とはといろいろと考えさせられ、かつ優しい気持ちになれる本。 -
家族のことを父に託され
家族の幸せに心を尽くして来たEudora
でも、その人生はいつしか
自分の気持ちを封印し
責任感の呪縛でいっぱいに。
85歳になった彼女は
自分の死を
自分の思い通りに完結させることで
初めて人生を選択できると考えた。
彼女の孤独、悲しみを知れば
確かにその気持ちもわからなくはない。
でも人生は
本当に最後までわからない。
大切なものをみつけたら
勇気を出して心を開こう。
日常に小さな希望を見つけられる
そんな優しい物語に胸が熱くなった。