- Amazon.co.jp ・洋書 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9780064430449
感想・レビュー・書評
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食べられたり毒殺されたりする危険さえなければ(笑)、たいていの爬虫類はわりと平気なのだけれど蛇だけはなぜかちょっと苦手。
どうもあの、ひもみたいなくせに生きているということが理解できない。受け入れきれない。
緑がとてもきれいな絵本だけど主人公は蛇のクリクター。
ある日Madame Louise Bodotの家に、アフリカで爬虫類を研究している息子からOの形をした箱が送られてくる。Madame Bodotへの誕生日プレゼントだ。
が、開けてみると中から蛇が。動物園で調べてみると、ボア・コンストリクターという種類の無毒の蛇だと判明(動物を絞め殺して飲み込むやつ)。
Madame Bodotはその蛇をクリクターと名付けてかわいがる。セーターを編んでやったり、長いベッドを用意してやったり。
このクリクターがとても人懐こく、しっぽを振ったり、買い物についてきたり、子どもと遊んでやったり、電線に引っかかった凧をとってやったり、とにかく役にたつ。おまけに、マダムの家に泥棒が入った時には泥棒に巻きついて捕まえてしまう。
クリクターはその勇敢さを讃えられメダルまで授与され、彫刻のモデルにさえなってしまう。クリクターは市民たちから愛され、尊敬され、a "long" and happy lifeを送る。
こうしてすっかり街になじんだクリクターだったが、読みながら最後まで、こんなやついたら絶対に嫌だとしか思えず困った。
と同時に、私のように蛇を忌み嫌う人がいるせいで、クリクターが市民として認められるためにする努力がとても痛々しく感じられ、クリクターはここまでしないとこの街で平穏に暮らせないのだと思うと不憫に思いもした。
蛇はひっそりと棲息している印象があるが、このとあるフランスの町で、ただ存在しているだけで市民社会に積極的に参加していなければ、クリクターは果たしてそこで暮らすことを許されていただろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
S太朗4歳10ヶ月で出会った本。表紙を見て、いらない!と言ってたのに、読み出すと気に入った。かわいいへびのCrictorくん、アルファベットや数字になったりもします。
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boa constrictor(大型の人を絞め殺すヘビ)とボドー婦人の物語。
とてもよく飼いならされた蛇で、文字や数を学んだりします。
クリクターの銅像があったら、実際に見てみたいです。 -
Tomi Ungererの作品。いつもの辛口の感じがなくほのぼのしています。爬虫類の研究をしている息子からのプレゼント、ヘビ。マダム・ボノは、最初は思わず悲鳴をあげますが、偏見を持つことなく、彼の性質を理解し、愛情をたっぷり注いで教育も与えます。Ungererの理想の母親像なのでしょうか。
TomiUngererの作品





