Brave New World

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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・洋書 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780099477464

感想・レビュー・書評

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  • 1984 と並び称されることの多い dystopia 小説の代表格。1984 同様、登場人物に Marx や Lenina (Lenin)、Trotsky などを配し、dystopia と共産主義の類似をほのめかしている。

    人工子宮と Bokanovsky プロセスによって「量産」される人々は、毎日、階級ごとに定められた同じ量の同じ仕事をし、仕事が終わると soma に陶酔して幸福を得る。家族の概念は失なわれ、フリー・セックスとリーマン面テニス、障害物ゴルフといった余興を楽しみ、怒ることも、悲しむこともない安定した生活を送る。永久に続く幸福感と引き替えに、そこにはシェイクスピアがかつて描いたような悲劇や喜劇はナンセンスとなり、安定を打ち破る科学は危険なものと見なされ、宗教はその必要性を失なった。

    もちろんこれは SF 小説であり、描写は極端に過ぎる。しかし、今日も人類は安定と発展の板挟みを日々経験している。いつの日か人類は、戦争や悲しみに満ちた不安定な世界を捨て、芸術も科学も無い完全に安定した世界で soma に酔い続けることを選択してしまうのだろうか? そろそろ不惑を迎える歳になり、常々、安定も悪くないなあなどと思ってしまう今日このごろ。よろしくない。

  • 1932年の作品。有名だけど古いからなー、と思ってましたが、すごく面白かったです。

    いわゆるディストピアものなんですが、他のディストピアものが「国家・人類の発展etcのために個人の生活が押し潰される」ような世界なのに対して、これは「そもそも個人の生活を持ちたいと思うような人間がいなくなって、ある意味みんなハッピー」なうすら寒い世界。

    子供はみんな工場でボトルから生まれるし、不特定多数との長引かない交際が推奨されていて結婚なんて考えられないから、家族の概念がない。
    個人であるより社会の一員であることが大切で、過去や未来のことは悩まないように教育・洗脳されている。
    難しいことは考えず、誰かを深く愛することもなく、赤ちゃんのようにぼーっとシアワセでいることが推奨されていて、そのために合法ドラッグの配布すらある。
    消費されるべき娯楽はあるけど、深く心を動かす芸術はない。
    住民はみんな「シアワセ」で不満も何もないけど、何かがおかしい。

    他のディストピアが旧共産圏やキリスト教極右を思わせたとしたら、これは今の日本に一番近いディストピア。
    DNAもまだ発見されてない、第二次世界大戦前にこんな本が書かれたなんてびっくりです。

    大変おすすめ。

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