The Fortune at the Bottom of the Pyramid
- Wharton School Pub (2006年2月10日発売)


- Amazon.co.jp ・洋書 (273ページ)
- / ISBN・EAN: 9780131877290
感想・レビュー・書評
-
1日2ドル以下で生活する貧しい人々が、世界中で40億人いると言われている。このBOP(Bottom of Pyramid)と言われる貧困層を解消するためには、寄付や補助といった援助に頼るより、彼らを確固たる消費者層とみなし、彼らの生活を向上させる製品やサービスを提供することによって自立を促していくことが重要である。
すなわち、BOPを貴重な消費者として扱い、長期に渡る信頼関係を築き、民間企業、政府機関、市民団体、起業家等との相互補完的なネットワークを通じて、WIN-WINの関係を構築することが必要となる。そのためには、単に既製品をBOP市場に持ち込むのではなく、BOP市場に即した製品開発、物流ルートの構築が不可欠となる。従来の常識にとらわれない柔軟でイノベーティブな思考が必要となる。
本書には、こうした新しい取り組みに関する事例も豊富に掲載されている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民間の商業機関が自社製品を売ることによりインドの貧困層の生活向上に寄与した例を収集、分析した本。もちろん商業機関がすべての貧困層を救う、という意味ではなく、援助機関によらない新しい開発のアプローチを提唱する本です。
-
今まで貧困層は貧しいため、市場の顧客としては見られていなかったけれど、今後は企業がそうした将来の貧困層=大きな市場にもっと目を向けていくべきでは?という本。
企業がどこまで先を見ていくか、どのように貧困層を市場としてポテンシャルとして育てていくか。
いろんな企業の具体例が書かれていたけど、どこかでNGOなり政府なりとの協力が必要であり、企業にも長期的にもプラスになっている。
また、ピラミッドの底辺で勝てる企業は、どの地域でも強いというのも納得いく。貧困層というのは、低価格が必要であったり、頑丈さや、長期安定や、環境によいもの等、厳しい条件が求められる。
けれど、その厳しい条件が求められる市場は非常に大きい。4−50億人?
大手企業と呼ばれる企業がどのように、Bottom of the Pyramidを、新たな市場と捉え戦略を立てていくのか?
企業の利益を追っているうちに、貧困層の底上げに繋がっている。そんな形で益々国と企業が発展していくのかもしれません。
CSRと多くの会社で叫ばれている中、企業が貧困層を援助の対象・CSRの対象と捉えていては出遅れているのでしょう。
一時はやった"ブルーオーシャン戦略"、目の前の問題を砂漠と見るか大海とみるか?
C. K.Prahaladの作品





