Arrow to the Sun: A Pueblo Indian Tale (Picture Puffins)
- Puffin Books (1977年2月24日発売)
- Amazon.co.jp ・洋書 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9780140502114
感想・レビュー・書評
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プエブロ・インディアンの民話。絵はドットを組み合わせたみたいな独特な図柄。ひょっとして織物の模様なんかに似せてあるのかな。
大昔、太陽の王が地上に向けて放った閃光が、プエブロの女性の家のなかに入り、やがて彼女は男の子を宿した。
しかし、少年は長じて、父親がわからないためにほかの少年たちから仲間外れにされる。少年は父親を探す旅に出ることを決意。
彼はトウモロコシを作る人や、壺を作る人を訪ねるが手がかりは見つからず。でも次に訪ねた矢を作る人は賢かった。少年が太陽の子であると悟り、矢の職人は特別な矢を作った。少年が、その矢と化したのだった。
職人は自分の弓で、少年を太陽に向けて放った。
少年はぶじ、太陽の王に会うことができたのだったが、
「父よ、ぼくです、あなたの息子です」
と言った少年に対して、
「たぶん息子だろう。でも違うかもしれない。おまえがおまえであることを証すのだ」
と王は答え、いきなり4つの通過儀礼が始まる。
獅子のKIVA、蛇のKIVA、蜂のKIVA、雷のKIVAを通りぬけろというのだ。
(Kivaというのは、プエブロの人たちが昔から儀式などに用いてきた建物のことらしい)
どうにか試練を終えた少年の体には太陽の力がみなぎった。
少年はふたたび矢となり、地上へ舞い戻った。
人々は生命の踊りで、彼の帰還を祝った。
こんなお話。
何らかの欠落を抱えた者が通過儀礼を経ることによって欠落を埋めるという話型はほんとどこにでもあるのだな。
と書きながら、これってエディプス・コンプレックスのことじゃん、と気づいた。
(そういえばこの元になったギリシャ悲劇『オイディプス王』のオイディプスは「腫れた足」という意味だったっけ?
いずれにしても主人公は往々にして欠落や異常を抱えている。)
エディプス・コンプレックスついでに言えば、少年が太陽王から得た力は「言語」と「法」ということになるのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
YL 1.4〜2.0
398語