Daisy Miller (Penguin Classics)
- Penguin Classics (2007年12月18日発売)


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- Amazon.co.jp ・洋書 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9780141441344
感想・レビュー・書評
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版権切れということで無料のeBookで読んでしまいましたが表紙が美しいのでこれで登録。
ヨーロッパを舞台に、因習にとらわれず自由にふるまうがために周囲に疎まれるアメリカ娘Daisyと、ヨーロッパに長く暮らすアメリカ人青年Winterbourneの淡い恋と悲劇を描く、みたいな紹介文をあちこちで読んでいたのですが、なんとなく想像していたのとは違いました。
Daisyはあえて自分の道を貫いているというより、無邪気にやりたいようにやってしまう、悪気もないけど深みも乏しい、かわいいのが取り柄の女の子で、つたない恋愛がほほえましくもかわいそうだけれど、それ以上の感情移入はできませんでした。Winterbourneは優柔不断な高等遊民で、まあどっちもどっちの二人というか。
いかにもヨーロッパかぶれの上流階級(でもアメリカ人)である周囲の人と、アメリカをまんまローマに持ち込むMiller一家の様子を、当時の読者はもっと「あるある」感を持って読んだのかもしれませんけれども。
むしろ、innocent(というかnaive)でvulgarでprettyな(そして金持ちの)Daisyは、著者Jamesが離れてきたアメリカの象徴で、WinterbourneはJames自身なのかなと思うと切ないです。
Henry Jamesは後期の作品は難解らしくしかも長いのでひよっているのですが、これは短いし一読の価値ありでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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