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- Amazon.co.jp ・洋書 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9780151002511
感想・レビュー・書評
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世界の小説を読む第6冊目ポルトガル
「白の闇」ジョゼ・サラマーゴ
ある日タクシードライバーが運転中に突然失明し、その視界が白の闇に包まれる。その失明症は実は強力な感染性を持ち、あっという間に世界は失明者達で埋め尽くされる。ただ一人、最初の患者を検診した医師の妻を除いてー。ゾンビ映画やパニック映画が昔から大好きなのでこの作品もとても面白く読めた。特に、目を背けたくなるような人間の汚い部分ー食を求めての暴力、殺人、強姦の横行などーが非常にリアルに描かれており、実際に起きてしまうのうではないかと思わせるくらい説得力があった。小説の終わり方も非常に綺麗。一部共通のテーマを扱う「蠅の王」より断然好き。句読点がほぼない文筆スタイルは谷崎潤一郎を思わせる。ガルシア・マルケス以降スペイン語文学に非常に興味があったので、読めて良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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