The Bottom Billion: Why the Poorest Countries Are Failing and What Can Be Done About It

  • Oxford Univ Pr (2008年8月22日発売)
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  • 本 ・洋書 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780195373387

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    まず、途上国一般を支援するのではなく、本当に最貧国に住む10万人の人を助けることに焦点を当てていくべきである、とし、その方策の提言を行っている本である。読みやすい。

    構成:
    なぜ彼らはbottom billionなのか?
    それはtrapにハマっているから。その原因となるtrapは大きく分けて4つ。

    the conflict trap:post conflictな状況だと、peaceを保ち続けることは大変で、クーデターなどが起こりやすい状況が続くため投資家にはリスクも大き過ぎ、成長できない。そのような不安定な状況を恐れ、権力者は軍事費を増大させ、例えば援助金も軍事費に回してしまったりする。post conflictのコストを概算して、それらを阻止したときの利益の大きさも検証されている。
    the natural resource trap:資源国は成長できそうに見えて、実は経済の多角化ができずに失敗したり、いろいろな国から搾取されたりしている。また、資源があるとクーデターなど、反対勢力を生みやすい(その検疫を財源・契約条件として他国や他組織と協力するなどして活動を展開する)。また、潤沢な資源を外国が購入し外貨がその国に流入することで、自国の輸出が抑制されてしまう。
    landlocked with bad neighbors:内陸国は輸送コストがかかり過ぎて、自国産業を振興することは難しい。彼らの発展は隣国等の発展度合いにかかってくるが、隣国が紛争国だったりbad governanceの国だったりするとそれも望めない。ここを発展させることがまず一番難しいかもしれない。
    bad governance in a small country:政権を取った人が、一回推進し王とした政策をすぐに自分の(一部の人の)利益のために覆したりするため、投資家はリスクを恐れて投資しない。そのため成長できない。聡明で勇気ある改革派ももちろん存在するが、そのような存在は弾圧されて国外亡命をせざるを得ない、といったような国も沢山ある。また、とにかく汚職がひどく、それゆえに成長が阻害されている。

    ではこれらtrapを打開するにはどうしたらいいのか?
    1.aid:これはnatural resourceと一緒で、対象国の輸出を抑制しかねないので、ただやみくもに上げてもダメだと言うことには注意が必要。ただ金額を倍増させればいい訳ではなく、他の以下3つの方法とうまく組み合わせていく必要がある。
    また、aid推進派は、経済成長を悪であるかのようにみなす人も多いが、経済成長がすべてではないにしても、経済成長が無いせいで悪いことが起こることは大いにあるわけで、もっと経済を成長させるような策を援助で実行していく必要がある。そして、そのためにも、お金を供与することだけが昇進につながるような国際機関の構造は(もっとリスクを厭わない形に)変えていく必要があるし、一般人・NGO等の意識も変革していく必要がある。

    2.military intervention:post conflictの状況など、上述のように軍事支出が大きい訳で、それを防ぐためにも、また軍隊が大きくなりすぎて逆にクーデターの温床とならずに済むように、外国軍隊が実行力を持ってpeace keepingに寄与することは実は重要である。現在の国際軍隊はその地に行っていても実行力をもたな過ぎて全く意味が無いことも多々ある、と。

    3.laws and charters:主権侵害であるとの批判も相次ぐが、最貧国の現状では、場当たり的な、一部の人の利益のための立法が多く、それが投資環境の醸成を妨げている。そこで、good governamceに向けて、国際標準となるような模範となる方策を定めておき、bottom billionの国々に参考にしてもらうのが得策であろう。

    4.trade policy for reversing marginalization:現在は、アジアが労働集約産業で活躍している。これが更にアフリカとの賃金差を生むところまで待っていたのでは、半世紀くらいかかってしまう。かと言って、今アフリカが労働集約産業を始めようとしても、今現在どんどんアジアにとって有利な状況が作られてしまっている現状では、経済学的に、太刀打ちできる訳もなく。特別な保護が必要だ。野放しにしていると、どんどんどんどん取り返しがつかないことになり、格差が広がるだけである。
    また、WTOなどはすでに発展している国々が作っていたdealの枠組みの中での仕組みであり、どう考えても公平に取引などできる要素を持たないbottom billionの国々には不利なのである。transferできる方法を見つけていくべきである。

  • This book shows about Africa. Many countries in Africa can't change their poverty, because that problems are not simple and there are many traps. For example, conflict trap, natural resource trap, and so on. At last the author said, if we change this current state, we have to take action for bottom billion.

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