The Catcher in the Rye

著者 :
  • Penguin
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本棚登録 : 101
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780241950432

感想・レビュー・書評

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  • 禁制本になったり、日本でも村上春樹氏が翻訳したりして、名前は有名過ぎるこの本。でも私は内容を全く知らず、「でも名作と言われているしいつか読みたいなぁ」と思いつつ手つかずのままだったけど、2年以上前にアプリで知り合った人と初めてデートするということで待ち合わせのレストランに行ったら、その人がこの本のペーパーバックを読みながら待っていて。持ち物はポケットの中の財布と携帯と、手にこの本を裸持ち…という出で立ちで現れたこの人との仲は進展しなかったけど(笑)、その出来事は鮮明に覚えていて(彼は前にも読んだことがあるこの本を久しぶりに再読していると言っていたから、そんなに面白いのかなと期待したのもある)、それで更にこの本に興味を持ってKindleにダウンロードしてみた当時から、知らぬ間にこんなに時間が経ってしまったけれど、ようやく読めた。

    どこかでちらっと、『ティーンエイジャーが全編に亘って色んなことに文句を言っているだけの本』というのを聞いたことがあって、いやいや名作と言われている作品の内容がまさかそれだけなんて…と肯定的な気持ちで読み始めたけど、読めども読めども16歳の主人公 Holden Caulfield があらゆる出来事や人々に対してノンストップで文句を垂れている…。特に大きな出来事も起こらず、成績不良で全寮制の学校を退学させられることになった彼がクリスマス直前に寮を飛び出し、ニューヨークにある実家に帰省するまでのことが彼自身の語りで語られるんだけど(いわゆるswear wordsもバンバン出てくる)、その間に出会う人達や、寮の友人達、自分の家族、社会の出来事などなどを彼なりの視点で考察する様子が最初から最後までずーっと文句満載で綴られている。最初はこのスタイルにちょっと面食らったけど、途中からHoldenのこの語り節がちょっとクセになるような面白さに変わってくる。ティーンならではの、なんなら俗に言う中二病という感じなのかもしれないけれど、冒頭では、彼がクリスマス頃に体験したこの話を、数か月先の未来から思い返しながら喋っているという設定になっていて、ストーリーの最後で、そんな彼がいるその場所は作中ではっきりと断言されていないけどどうやら何らかの精神病棟のような所だと受け取れる。文句オンパレードの彼の語りの端々で、彼の気分が鬱寸前まで落ち込んだり、ホテルの窓から飛び降りてやろうか、なんてことを思いついたりする場面があるけど、ティーンによくあるようにただ大げさに言っているだけなのか、もっと深刻な精神状態なのかは曖昧。色んな人間に対して彼なりのギッチリと固められた固定観念があって、ほとんどの場合で周囲の人間に否定的な考えを抱いているんだけど、誰に対してもそうかと言うとそうでもなく、自分の妹Phoebeを始めとした子どもやランダムに出会った修道女達に対しては妙に理解があって優しかったり。きっと、もっと読み込んでHoldenの感情を理解して初めて、この本のメッセージ性がわかるんだと思うけど、今の私には残念ながら、正に『ティーンエイジャーが全編に亘って色んなことに文句を言っているだけの本』という位置づけになってしまった。でも周囲の人間に対するHoldenのエキセントリックな観察力というか描写は面白かったし、「ひねくれてるけど良く分析してるなぁ」と笑ってしまう所もいくつかあったし、とにかくこのクラシック本をやっとこさ読めて良かったなと思う。

    タイトルの”The Catcher in the Rye”にまつわる語りがいつ出てくるんだろう…と思いながら読み進めていて、それがHoldenが妹Phoebeを相手にちらっと口にする一言に由来するということが分かった時、正直「え、これだけ?これがあの有名なタイトルになったの?」と思ったけど、読了後に考えてみると、なかなか粋なタイトルで、Holdenという少年を一言で表すにはピッタリだなと感じた。この本に相応しいタイトルは他には無いんじゃなかろうか。

  • 読書会の課題図書だったため、手に取った本。こういった強制力がなければ、読まなかっただろう作品とも言える。

    読み始めはなんだか、主人公のホールデンが全ての事象に対してあれやこれやとたらたら文句を言うだけの小説に見えて、なんだかうんざりしかけていたところ、、著者の人生と重ね合わせるとなんだかとても深いストーリーに思えた。

    人は誰もが思春期時代を通過して、誰もがホールデンのような「誰かに自分のことをちゃんとわかってほしい、でも大人は全然自分の話をちゃんと聞いてくれない。自分は誰かとただ、深いつながりが欲しいだけなのに。そして、自分も誰かと話すときに、とても否定的な言葉を使ってみたりしてしまう。本心はもっと違うのに。」みんなが抱える思春期の矛盾。そういったものが描かれていて、おそらくホールデンと同年代の頃に読むと、感情移入できたのかもしれない。

  • たまたま本屋で見かけ、タイトルは何度も聞いたことがあるもののそういえば一度も読んだことなかったな、あらすじすら知らんな?!いうことで手に取った本。16歳の落ちこぼれた主人公Holdenの一人語りで淡々と進んでいくわけだが、とにかくHoldenが周りを忌み嫌ってて(妹のPhoebe、亡くなった弟のAllie以外)汚い言葉で独自の視点から何でも批判しまくるのに最初は面食らった。でも不思議なことに砕けた口調だから読みやすい。すらすら読めちゃう。Holden捻くれてんな~と思うと急に修道女に対して慈悲深かったりしてこっちが振り回される。
    一回読んだだけではなんでこの本が不朽の名作と言われているのか理解できなかったものの、Holdenもたまに純粋な観察眼を持っていたりして、青年と大人の間の揺れ動きが精緻に描かれているからなのかなぁと思ったり。
    タイトルの由来にはかなりびっくりした。Singing in the Rainのタイトルも相当粋だなぁと思っていたがこちらもかなり。ライ麦畑で捕まえられるのは間違えて落っこちちゃった子供たちで、CatcherはHoldenなのね、、!

  • 結局何も起こしてないが物語になる青春の思考。
    ライ麦畑でつかまえて、と語呂が良いし好きな邦題だけど少し意味は違うんだな。
    自分がThe catcherになるような気持ちを思い出した。そのような世界の見方も忘れないようにしたい。

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA48322382

  • 大学の講義で読んだ。レポートに書いたから感想はここでは書かないでおく。考えることを放棄すると一面的にしか理解できない。

  • Finished reading The Catcher in the Rye...don’t really understand why it’s so celebrated among scholars (and others). Frankly it’s a bunch of monologues by a depressed teenage boy. Tell me what’s so good about it. Or maybe I’m not smart enough to capture the essence of this work? I don’t mean to offend any Salinger fans-it’s just, I simply don’t understand what in that book fascinates people so much. So Salinger fans, tell me what’s good and redeem him!

  • 誰かの日記を読んでいるようなずっとオチのない小説だった。この本がそんなに評価が高いのか。タイトルにしても、catcher in the ryeという表現は確かに一瞬出てくるけれど、それがこの本の本質だったとは思えない。ライ麦畑の端で落ちそうになる子を救ってあげたい、から転じて、社会で落ちぶれそうになる僕を救って的な意味だと解説サイトにはあった。え、クズだな?最後Phoebeがめちゃくちゃケアしてくれたこと言ってるのかな(Phoebe=the catcher in the rye?)。だとしたら10歳にそんなこと託すなよ、と。Phoebeは10歳という設定にしてはかしこすぎると思った。

  • 世間の評判とタイトルのイメージだけで、うっかり10才の子供用に買ったが、とても小学生には勧められない内容だった。良さがさっぱりわからなかった。

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