- Amazon.co.jp ・洋書 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9780241995341
感想・レビュー・書評
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洋書ブログで知って読んだのだけれど、この作者の作品、前にも読んだことあった(「Beach Read」)と今気づいた…。
これもけっこうハーレクイン的というかロマンス色が強かった印象。レビューやあとがきを読んだところ、ロマンス小説を風刺しているらしい。都会でバリバリ働く女子が、田舎に行ったときに大工とかしている男子に出会って恋に落ち、やっぱり田舎で家庭を持ってのんびり暮らすのが幸せだと気づく、そして都会で待っている恋人はふられる、みたいなロマンスは多いけど、そうじゃなくて、都会と仕事を選んだら?っていうのを描いたっていう。確かにそれはちょっと新鮮だったかも。
NYで作家のエージェントをしている女性が主人公で、相手役になる男性は出版社の編集者。こういう「本」がらみの設定にわたしは弱い…。でももっとNYの出版界の話とか出てくるかと期待していたらそうでもなくて、それはちょっとがっかりした。
主人公は、幼いときに父親が家を出て、母と妹と三人で貧しいながらも愛情あふれる暮らしをしていて、しかし母親が急死して、それがかなりトラウマになっている。面倒をみてきた妹のことがいつも気がかりでたまらない。本当に望むものは手に入らないものだと思っている。そんな主人公のかなりネガティブな感情が、共感できるというか、興味深かった。仕事ができて魅力的に見える人でも実は深いトラウマを抱えていたりする、というような。そのトラウマから回復するのには、やっぱり恋愛しかないんですかね??とも思ったり。恋愛というか、人との出会い、ってことかもしれないけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Booktok によく出てくるし、軽く読めるかなと思って手に取った。
作家のエージェントをしているバリキャリの主人公が仕事ファーストで常に生きていたけど妹と1ヶ月田舎の方へ旅行することになる。その小さい町で仕事で会ったことのある編集者と再会し、お互いに惚れ合う、という話。
本当に2日くらいで読み終えるくらいライトな内容で読みやすかった。正直話には深み無いし、前半で典型的な展開はもう飽きたという主人公のセリフがあるが、まさに典型的な話だったのでちょっと残念だった。しかしこういったYA小説で読み進めるのが苦しいくらい安っぽい時があるが、読み進めることはできた。
同じ作者の本があるが、同じようなテイストだろうなと思うので一冊で満足感はたっぷりある。 -
ちょっと前に、この著者による2作品”Beach Read”と”People We Meet on Vacation”が話題になっていたのを横目に、あまり読む気になれなかったまま時間が経ってしまったんだけど、今回の新作もこれまた評判が良いみたいなので、いい機会だと思ってこっちを読んでみた。
ニューヨークでLiterary agentとして働く、バリバリのキャリアウーマンであるNora。母親を早くに亡くし、妹Libbyの保護者として彼女の幸せを最優先に生きていてきたNoraだけど、彼女の恋愛模様は愛すべき本の中に描かれているようなハッピーエンドとは程遠い。そんなある日、3人目の子どもを妊娠中のLibbyから持ち出された、ノース・カロライナへの姉妹だけでの一ヵ月の旅行。そこでNoraは、宿敵とも言える編集者のCharlieと遭遇し、NoraのVIPクライエントである作家が新作を執筆する手助けを、なぜか彼と共に行うことになる…。
NoraとCharlieの間で交わされる会話が皮肉とユーモアたっぷりで面白かったり、最初から2人がお互いに惹かれ合っていて、フィジカル的に何度も深い関係になりそうになりながらも、そのキュンキュンしたテンションが最後まで延ばし延ばしになるという展開が女性読者にウケるのは理解出来るんだけど、昔こういう系のストーリーを読みまくってそのフェーズを卒業してしまった私にはやはり、「あー、やっぱりそうなるよね…」としか思えず、あまり盛り上がれなかった。NoraとLibbyの姉妹愛はほっこりさせられるし、ハッピーエンドなのも良いんだけど、ただのハッピーな話にならないよう、NoraもLibbyもCharlieもみんな何か辛い過去を抱えていて…という設定がやっぱり定番のChick litという感じで、話題性の割にあまり特別感がなかったのが残念だった。きっと、”Beach Read”と”People We Meet on Vacation”もそんな感じなんだろうな…と思うと、きっとその2冊は読まず仕舞いになりそう。