A Visit from the Goon Squad: Pulitzer Prize Winner

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  • Amazon.co.jp ・洋書 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780307477477

感想・レビュー・書評

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  • いやー、良かった! ピュリッツァー賞にふさわしい作品。
    夢中で読んでしまった。

    ・・・と書いているけど、実はいちばん最初の章を読んでいるときは、「つまらん。途中で読むのやめるかも」なんて思っていた。
    盗癖のある主人公に嫌悪感しか感じず、設定も「ありきたりなニューヨーク描写だな」などと思っていた。
    しかし、そのあと、2章、3章と読み進めるうちに、「これは傑作!」と感想が180度変わってしまった。

    全体として、サーシャとベニーをめぐる一つの長編なんだけど、各章は短編として完成されている。なんだか一冊で2度おいしい感じ。

    読みながら、何度も切なくて胸が痛んだ。
    各章の主人公たちに私の心はすっかり共鳴して、ときどき泣きたい気持ちになるのだけれど、涙がうまく出てこない。
    ずっとそんな感じ。

    音楽についての言及が多いけれど、音楽的というよりは、どちらかというと映像的な作品だと思った。
    読んでいると、8ミリフィルムのような静かな映像が私の目の前をゆるやかなスピードで流れていく。
    揺れる光、沈む太陽、波の揺らめき。そんなものが主人公たちの心を代弁していて、そういう映像を見ながら、私は泣きたいのに泣けない。そんな小説だった。
    私が読みたい小説というのはこういうのだと思った。
    本屋大賞で名前が挙がるような本が大好き、という人にはまずお勧めしないけど(本屋大賞的な分かりやすさは全然ないので)、でも誰かに勧めたいなぁ~。

    特に良かった章は、サファリ、金持ちエリアでのベニーの暮らし、ミラノのサーシャ、そしてパワーポイント!!
    最初に登場した時から思ってたけど、ドリューがいい奴過ぎる。
    「グラフ作成の腕はもうちょっと磨かないと」なんて言ってたのに、パワポの最後にいっぱい凝ったグラフが添付されていて、泣けた・・・・

    ところで、驚いたことに、私ったら、この日本語版を10年くらい前に読んでいたことに途中で気づいた。
    「日本語訳は出ているのか?」と読みながらふと疑問に思ってアマゾンで検索して、日本語版のタイトルを見て、その時はじめて前に読んだことがあるのを思い出した。すごくつまらなかったという記憶しかなく、今回読んでいても全然気づかなかった。
    この本をつまらないと思うなんて、過去の自分にワナワナ。絶対ちゃんと読んでないはず。
    もしかして、ひどい訳だったとか?と思って先ほど図書館で日本語訳をチラ見したが、むしろ素晴らしい訳だと思った。
    気になっていたシーンを拾い読みしただけだが、う、うまい!とうなってしまった。私はいったい何を読んでいたのだろう。こんな名著(&名訳)をつまらないと思っていたなんて。
    恐ろしいことだ。全然気づかずに再読して本当に良かった。

  • 今読んでる:4thチャプター。 吸い込まれるように読んでいます。ペーパーバックの後ろを見てパンクロッカーが出ているということで買いました。安かったし。 読んでみたら結構重い議題を盛り込んでいて、今4thだけど、これからどうやって終結するかが謎。
    まずメインキャラクターの数さえまだ分からない。


    読んだら続き書いて評価しますー



    読み終わった感想:登場人物が多すぎて、そのせいか、一人一人の描写がなく、むしろメインキャラクターより「ニューヨークにいる人々」の生き方っていうのが議題かも。

    まあ結論から言うと好きじゃない。議題は重いのにそれに伴った人間の感情の変化がもっと読みたかった。

    同じ本をはしょらず一人一人featuringしてシリーズ化するなら読んでも良いけど何度も読む本ではないなっていうのが本音。

    あとは元音楽人としてはもっとテクニカルなものも求めてたからその点でも残念。

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