- Amazon.co.jp ・洋書 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9780312426231
感想・レビュー・書評
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登場人物の誰もが問題を抱えながらそれでも魅力的に生きている。
オースターの中でも一番好きな作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
080404祝・初・洋書完読。
しかしぜんぜん辞書ひいていないので勉強になっているかは謎。英文のリズムになれたかな。。というか、なんというか、日本語とは違うものさしとか感覚で、「うわ、いい」とかを感じられるというのは、不思議というか、ある意味遊園地的な、へんな感覚で感動する。もっと読みたい。スピード上げたいな。
まじかよって思わせる、ちょっとメロドラマ調に気付いたのは収穫。日本語だと柴田さんのかっちょいい文章にだまされていた感じが、なきにしもあらず。でもそういうメロがおもしろいんだけどさ。いやー最後の怒涛の展開は。Aurora出てきてから。いやいやいや、みたいな。すきだけど。
でも、全体的に本への愛が、いい感じだった。特に"Reading is my escape and my confort,...."のくだりは暗記もん。 -
常に何かが起こりそうであって、しかしそんなには何でもアリの世界には陥らないのに、やっぱりそんなことになってしまうのか、という印象をオースターの世界には感じる。
言ってみれば常に中心点のみで下から支えられた円盤に乗っているような、どちらへ傾いて行くのかが判らなくなるような読書の楽しみが、そこにはあると思う。
個人的には、この作品のように最後のベクトルが途中から見えて来るような展開のオースターよりも、最後は支点も外されてしまうようなタイプの作品が好みだけど。
要素的に言えば、この作品には彼の他の作品同様に物語の中で物語を紡ぐ人物が一人いるのに、その人物を通り抜けて内と外とが渾然となるようなスリルがないということかも。
City of Glassのような展開になるのかなと、ちょっと期待したんだけど。
少し、好々爺風になって来たのだろうか。
一方、作品の置かれた時代に起こった出来事をニューヨーカーらしい価値観で、あけすけに書いているところに、オースターの発信者としての切羽詰ったような衝動のようなものも感じる。その感情を中心に読み終えると、作品の最後に言いようの無い絶望感のようなものを投げつけられたようにも感じてしまう。
やっぱりオースターに限って単に家族愛のようなものを描く好々爺風な作品を出す筈もない、ということか。
ある意味、2001年に起こった出来事について、オースターが初めて語った作品かも。この感情の先に何があるのか。次の作品に繋がるのかなあ。あるいはデリーロへ受け継がれるのか。
PaulAusterの作品





