The Absolutely True Diary of a Part-Time Indian

著者 :
  • Little, Brown Books for Young Readers
3.94
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本棚登録 : 46
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・洋書 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9780316013697

感想・レビュー・書評

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  • Libby audiobookで。
    途中で、本屋さんで実際に本を見つけてパラパラとめくって知ったのだけど、本には挿絵が結構入っている。
    オーディオブックでも十分よかったけれど、絵を楽しめなかったのは残念(あとでeBookまたは蔵書にあれば図書館でみてみようかとおもう)。
    著者自身が読んでいるので良かった。(ちょっと話し方に癖があるように感じたけどすぐ慣れた)

    YAというカテゴリなので英語は易しい。
    結構言葉が悪い部分もあるが、非英語ネイティブには特に大きな問題ではないと思う。
    ただ、アメリカでは"the most frequently challenged book"リストの殿堂入り状態なようです (性、言葉、暴力、差別、または宗教やLGBTQ、政治思想などのデリケートなコンテンツを含み、学校や図書館などパブリックアクセスを制限する (本を撤去するなど) べきとされる本)


    アメリカ先住民 (Spokane族, WA) のリザベーションで暮らした主人公が、オール白人の高校へ進学することを決意する。
    Rezでの先住民の社会的な問題(アルコールは特に大きく扱われる)
    友人との確執
    白人との問題
    apple (外見は先住民 -red- だが、中は白人化)
    死、死、死・・・おばあちゃんの死もなかなかショックだったけど、Maryのシーンは心がえぐられた。
    希望、絶望の繰り返しだが最後はいい感じ。
    ただ、著者によると実際には悲しい結末があったらしい。
    "the most frequently challenged book"とは別の意味で、え、これYAでいいの?というくらい重い。
    タッチが軽めだけど、かなり重い。

    私の知っている先住民も、アルコールに強い拒絶反応を示す。
    詳しいことは知らないが、いやな過去がそれも一つではなくあるのだろうと、この本を読んで感じた。

    先住民は過去の人ではなく、いまももちろんアメリカ中にいる。
    多くはRezを離れたことがなく、離れるのが実際は困難だ (精神的にも)。
    アメリカ開拓で土地や言葉や文化全てを奪われ
    アメリカ政府に支持された狭い区画 -reservation- に住まわされ (多くは白人が住みたがらないような何もない土地)
    産まれながらの貧困などから派生する様々な問題
    人種だけをとっても、アメリカの抱える問題は本当に大きい
    でも、日本がアジア諸国にしてきたことは?ーーー私は実際よく知らない。
    アメリカ先住民のことを学ぶほど、日本の過去をきちんと知らないといけないと感じる。


    時代は変わりはじめている・・・
    特に最近では先住民がペンを持ち始め、それが注目されている。

    でも、まだまだだ
    次の世代、次の次の世代くらいにはマシになるんだろうか。

  • ざっくりとあらすじを言えば、居留地で悶々と生活する中学生の主人公Arnoldが、勇気を出して白人だけの高校へ転校・進学し、カルチャーショックや地元での摩擦、あるいは近親者の死を経て成長してゆく、というお話です。

    前半はややお下劣な言葉が満載も、エンディングがなかなか感動的な自己陶冶系小説でした。ただ、類似の作品Wonderの二番煎じに思えたのも事実。

    Wonderでは先天性の口蓋裂症の男の子が家庭学習から一転、中学入学間際に一般通学へと変更、学校生活での摩擦を乗り越えてゆく話でした。一方本作は、居留地という狭い世界で、しかも飲んだくれやアル中や暴力に囲まれた環境で育ったインディアン少年が、白人のみの学校へ転校したことで新たな世界観、価値観を得、成長していくというものです。どちらも筋が似通っています。

    もちろん違いもあります。Wonderがミドルクラスの割と裕福な白人家族の話である一方、本作では、居留地の、解決しようのない貧困という現実がハッキリと描かれます。私は居留地 Reservationというと、もっと手厚く保護され、補助金はじめ大学進学などについても白人より優遇されているイメージがありました。真実はわかりませんが、少なくとも物語中ではむしろ貧しく、そしてその苦しさから安酒に溺れるアル中だらけの悲惨な環境として描写されています。こうした環境からか、物語では祖母が飲酒運転の車にひかれて死亡、姉は自宅兼キャンピングカーでパーティーをしたところゲストがガスに火をかけたまま忘れて帰り、焼死。父親のベストフレンドEugineは酔っぱらった友達により酔った勢いで射殺される。さらに撃った友人は刑務所で自殺。とにかく命が続かない。

    読後の後味をさらに苦くさせるのが筆者のあとがき。私、てっきり本作は物語と思っていました。が、筆者は正真正銘のインディアンで、実話に基づくもフィクションとしてこれを書いている模様。作中で主人公Arnoldのベストフレンドであり転校後は反目しあうRowdyも、Randyという現実の友人をモデルにしたそう。しかもその現実のRandyは晴れた日の見通しの良い道路を飲酒運転し、対向車線に突っ込んで亡くなったそう。彼はシートベルトを着けず、酔っぱらいながらスマホをいじっていたと想定されているようです。ちょっとワルだったり欠点があったり、でも心根は優しかったりする友人たち。大切だからこそ彼らの自暴自棄や無謀を直してくれるよう頼むも、絶対に言う事を聞かない彼ら。そんな頑固さに対する筆者の苛立たしさや悲しさが漂うあとがきは非常に重たいものでした。

    さて英語ですが、YA向けを強く意識しているのかあるいはこれが若者言葉の常なのかわかりませんが、きれいでない言葉のオンパレードで、非常に勉強になりました。tonto (n) 気違い, wuss (n) 臆病者, boner (n) いわゆるイチモツ, flip off (v) 中指を突き立てる, homophobic (j) ホモ嫌いの, fag (n) オカマ、などなど。これ以外にもまあ自慰行為の話なども出てくることもあり、まあ下ネタが原因で抗議が来るのならば分からなくはない笑

    ・・・
    読み始めは、「これは小中学生向けのただのYA本だわ」と失敗した感が強かったのですが、最後の数章とあとがきでひっくり返されました。綺麗に言えばこれも多様性であり自由であり、またそれらの代償なのかもしれませんが、世界大国たるアメリカの暗部を覗いた気分になったことは否めませんでした。

  • 大学の教授が話していたな〜という軽いノリで買ってみたけど、想像以上に面白かった。
    挿絵と話す感じの文でThe Diary of the Wimpy Kid みたいな内容かな?と思ったが、もっと重要なことを訴えている本だった。
    アメリカのReservation で育ったJuniorはあるきっかけで家から離れた中学校に行くことになる。そこはほとんどが白人で、それまでもNative American が通ったことのない学校。そこの学校で徐々に友達を作ったり、馴染んでいく。
    子供ながらの苦悩やカルチャーショックなどが書いてあり、全てが新鮮だった。バスケの対戦試合が
    白人だらけの学校からReservation に戻るとNative American のアイデンティティになるため題名に”Part time” となっている。白人の学校に行ったから裏切り者扱いになってしまう主人公だが、それに負けずに強く生きていく。特にバスケの試合で対戦相手がReservationにある学校の観客からとてつもないブーイングをくらったり、大親友と戦ってケガしたり、その親友とバスケを通じて仲直りする後半がとても印象的だった。
    ちゃんと見ることができない本当のNative Americans の暮らしや現状を教えてくれる重要な本だと感じた。ケンカが多かったり、お酒に頼っていたり、基本的に貧しい暮らしをしていることが新たな発見。高校生になるまでの間で42個の知り合いの葬式に出席していることが衝撃的だった。
    Native American の文化に興味ある白人に飽き飽きしているところなどちょっとクスッとできるエピソードが多くて読みやすかった。
    作者はセクハラ問題が出ているが…学生時代からすごく頭の良い人なんだなと感じた。

  • Lexile level: 600L
    ATOS Book Level: 4.0
    Word Count: 44275

    BNC-COCA-25
    98%: 6000 word families
    99%: 9000 word families
    99.5%: 10000 word families
    Off-List: 3.14

  • 読みやすい英文でした。
    重めの内容を重く読ませないとこが好きでした。

  • Native Americanの少年が現代のアメリカでどう生きているのか、

    優しい英語とイラストを交えて
    おもしろく、悲しく、優しく、
    書かれています。


    筆者自身が小説から一部分を読み、インタビューに答えるクリップを見つけました。


    超笑えます。

    http://www.youtube.com/watch?v=NwiQb8OQ6dY&feature=related


    本は三回読みべきという白人の友達からアドバイスを受けるインディアンの少年、Junior。二人のやり取りです。

  • 貧困にあえぐアメリカ先住民保留地に住む少年Arnold。ある日、保留地を出て白人だらけのハイレベル学校にいく決意を固める。

    著者Sherman Alexieは短いエッセイも読んだけど、本当に文章が面白い。挿絵も合わせてさくさく読める小説。
    これでもか、と困難に阻まれるArnoldが、それに正面衝突で立ち向かう姿がすかっとするし、笑える。
    自分の現状を悲観して嘆いている、全ての人におすすめ。
    アメリカ先住民(インディアン)についてよく知らない人は、この本を読むと彼らのイメージが変わると思う。ポジティブにも、ネガティブにも。

  • 2007 全米図書賞 名古屋市図書館(カーリルでは検索されず) 東京都港区図書館 audible なし

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